トイレを清掃中、塩素ガスが発生し中毒となる
業種 | その他の飲食店 | |||||
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事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.909
発生状況
本災害は、飲食店の開店前、数人で店内の清掃を行っているときに発生した。被災者は、フロアーの清掃をした後、トイレの清掃をするため備付けの塩素系漂白剤(成分:次亜塩素酸ナトリウム等、液状、塩基性)をトイレの床にまき、その上に酸性洗剤(成分:塩酸9.5%)をまいて水をかけ、タワシで洗い始めた。
しばらくすると、被災者が涙を流しながら咳き込み始め、苦しそうにしたため、同僚が車で病院へ連れて行ったところ「塩素ガス中毒」と診断され、1週間入院することになった。
トイレは縦・横2m、高さ2.5mと狭く、窓もなく、換気扇があるものの災害発生時は使用していなかった。
なお、使用した塩素系漂白剤、酸性洗剤の両方に、お互いに混ぜることを禁じる使用上の注意が記載されていた。
原因
[1] トイレ清掃の際、洗剤の性質、使用上の注意等を確認することなく、塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜて使用したこと。[2] トイレ内の換気が不十分であったこと。
対策
[1] 洗剤や漂白剤等を使用するときには、その性質や使用上の注意を十分確認すること。[2] 事業者は、作業者に対し適切な作業指示を行うとともに、液性の違う洗剤等を不用意に混ぜることのないよう保管場所に留意すること。