レジカウンター上の粘着テープの跡を拭きとろうとして、有機溶剤を用い中毒となる
業種 | 小売業 | |||||
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事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.908
発生状況
被災者AとBとは、売場のレジカウンターにて、金銭授受および商品包装を主たる業務としていた。被害発生当日、AとBは、配送品の梱包等を行った際にできたレジカウンター上の粘着テープのこびりついた跡を、洗浄液を含ませた雑巾で拭き落とす作業を行っていた。
作業中に、Aが誤って洗浄液の瓶を転倒させ、約100mlの洗浄液を床にこぼしたが、2人はこぼれた洗浄液を雑巾で拭きとり、これをレジカウンターの下のごみ箱に捨てたまま作業を続けた。
2人はここから蒸発した洗浄液(主成分:酢酸エチル、酢酸ブチル、イソブチルアルコール)を吸入し、頭痛、吐き気の中毒症状を訴え、病院で診察を受けたところ有機溶剤中毒と診断された。
原因
[1] 汚れ落としに使用した洗浄液について有機溶剤としての認識をしておらず、また有機溶剤業務としての認識をしていなかったこと。[2] 有機溶剤を含んだ布等を密閉措置するなど、ばく露防止の措置をとらなかったこと。