さび止めの塗装中、有機溶剤中毒となる
業種 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業 | |||||
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事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事 | ||||
災害の種類 | 中毒 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.907
発生状況
本災害は、マンションの新築工事における屋内の塗装作業において発生した。作業は、3名が1階床下の配管用地下ピットに入り、1階床コンクリート打設時に型枠支保工として設置した鋼製の梁およびその支柱にさび止めの塗装を行うものであった。
当日は午前8時から作業を開始し、キシレン(第2種有機溶剤)を溶剤とする塗料を、平行に並んでいる梁とそれぞれに数本ずつある支柱に順番に刷毛で塗っていた。
この地下ピット(幅約12m、長さ約40m、高さ約1m)には出入口のハッチ(60cm四方)の他に、ごく小さな換気口が2つあったが、当日の作業は出入口および換気口のある壁と反対側の壁に近い場所で行っていたため、風通しは非常に悪かった。また、特に換気は行っておらず、タオルで口を覆って作業していた。
被災した3人は、午前中は異常はなかったが、午後の作業に入り、終業時間を過ぎても戻らないので同僚が心配して様子を見に行ったところ、3人とも意識を失って倒れていたものである。
原因
[1] 換気を行っていなかったこと。[2] 保護具を着用していなかったこと。
[3] 資格を有する作業主任者が選任されていなかったこと。
対策
[1] 局所排気装置または全体換気装置を使用し、十分な換気を行うこと。[2] 事業者は、作業者に空気呼吸器または防毒マスクを着用させ、さらに有機溶剤の皮膚に対する接触防止対策を講じること。
[3] 事業者は、資格を有する作業主任者を選任して、その者の監視の下に作業を進行させること。