洋菓子店における酸欠事故
業種 | パン、菓子製造業 | |||||
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事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 異常環境等 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.857
発生状況
災害発生当日、若手作業者Aは、7時過ぎに出勤するとともにガスオーブンに点火した。ミーティング終了後、若手作業者Bとともにケーキの生地の材料をミキサーにかけ、混合していた。7時半過ぎ、Bが気分が悪いとしゃがみこんだ。
7時40分ごろ、遅れて出勤してきた主任が異変に気付き、救急車を手配するとともに、換気を行い、A、Bを外に連れ出した。主任は、以前、親会社のパン工場に勤務しており、そこで酸欠についての教育を受けていた。
災害の要因は、オーブンの不完全燃焼による一酸化炭素中毒も考えられるが、ケーキ焼成室における一酸化炭素濃度は測定していない。また、病院においても体内の一酸化炭素濃度は測定していないが、主任が異変に気付いた際、オーブンは燃焼しており、酸素欠乏症の可能性が高いと考えられる。
A、Bの2名は、病院において3日間安静にしたのち、退院したが後遺症はない。
原因
[1] 換気を行わずに、オーブンに点火したこと。[2] 換気装置が稼働していなかったこと。
[3] ケーキの焼成室には、独自に換気装置を備えているが、当日は故障により、稼働できなかったこと。
対策
[1] 換気を確認してから、点火するように、作業手順を明確にし、かつ順守すること。[2] 酸欠や一酸化炭素中毒の恐ろしさを含め、安全衛生教育を徹底すること。
[3] 換気装置が稼働していないときにはオーブンに点火できないように、または付近の酸素濃度が低下してきたら、自動的に弁が閉じるように、オーブンを「安全確認型」にすることなど設備面での改善を図ること。