温泉貯湯槽で硫化水素中毒
業種 | その他 | |||||
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事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | その他の建設工事 | ||||
災害の種類 | 酸欠 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.851
発生状況
A温泉センターでは、同センター内の浴室への湯の供給量が一定せず、男女各浴室水位のバランスが整わないため、設備工事業者のB工務店に保守点検を依頼した。B工務店は作業者2名をA温泉センターに派遣し、保守点検作業を実施した。
災害発生当日、B工務店の作業者2名は、午後4時30分に現地に到着し、作業手順等についての打ち合わせなどは特に行わず、作業を開始した。
作業者2名は、まず、温泉センター内の温泉管等の調整弁の操作、点検を行ったが効果がないため、温泉センターから30m離れているところに位置している温泉貯湯槽の点検を行うことにした。
温泉貯湯槽内の湯量と流入湯量を量るため、午後6時に、作業者の1人が、温泉貯湯槽上部にあるマンホール(内径60cm)の蓋を開け、換気も測定も行わずに、はしごを降りて槽内に入ったところ、突然うつ伏せに倒れた。
もう一人の作業者がこれを助けようと中に入ったところ、同人も被災した(図)。
なお、助けに入った作業者は、意識を失いかけながらも、倒れた作業者を抱き起こしてはしごに寄り掛からせて、他の人に助けを求め、救助されたため、両人とも一命は取り止めた。
原因
(1) 災害発生場所について、作業関係者が硫化水素中毒発生の危険性の認識を持っていなかったこと。(2) 作業開始時に酸素濃度および硫化水素濃度を測定しなかったこと。
(3) 作業開始時に換気を行わなかったこと。
対策
(1) あらかじめ、酸素欠乏、硫化水素発生の危険性のある場所について、調査検討し、関係者に周知すること。(2) 酸素欠乏、硫化水素発生の危険性のある場所で作業を行うときは、作業開始時に酸素濃度および硫化水素濃度を測定し、換気を行うこと。