フロンの熱分解生成物による中毒(冷凍装置の解体作業)
業種 | その他の廃棄物処理業 | |||||
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事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.817
発生状況
C商会(有)は、金属回収解体業を営むものである。C商会(有)の作業者2名は、回収した冷凍機の解体業においてアセチレン溶断機で冷凍機の配管の溶断作業を行っていた。冷凍機の配管内には、フロン502が残っており、それが溶断の炎により熱分解して、塩素、塩化水素等が発生し、これを吸入した2名が中毒にかかったものである。原因
イ C商会(有)の2名の作業者は、フロンガスは加熱することにより塩素、塩化水素、ホスゲン、フッ化水素等の有害ガスに変化するという知識がなかったこと。ロ フロン502は、フロン22とフロン115の共沸混合物で、沸点は、−45.6℃である。
フロン22は、熱分解により、四フッ化エチレンと塩化水素となる。
2CHClF2→C2F4+2HCl
フロン115は、熱分解により塩素ガスが発生する。
2C2ClF5→C4F10+Cl2
対策
イ フロンガスを排出する場合には、大気への漏出を防止するためにもボンベに回収すること。ロ やむを得ず大気中にフロンガスを排出する場合には、フレキシブルダクト等により安全な場所に誘導するとともに、排出口の周囲において火気が使用されていないかを点検すること。
ハ 有害業務にかかる安全衛生教育を徹底すること。
ニ 大量のフロンガスが排出、流入するおそれのある場所については、酸素欠乏症の防止についても留意すること。