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労働災害事例

ガス配管工事中の酸欠死

ガス配管工事中の酸欠死
業種 その他
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
建設業のみ 工事の種類 その他の建設工事
災害の種類 酸欠
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.752

発生状況

個人住宅のガスの配管接続作業中に、漏れ出るプロパンガスを吸入し、酸素欠乏症により、死亡に至ったものである。
 被災者は、ガスの配管工事を主に行う事業場に雇用される従業員である。
 当該災害発生当日の作業内容は、造成・建築中のニュータウンにおいて、住宅ごとに配管工事を行い、ガスの供給管と接続するものであった。なお、このニュータウンでは、都市ガスが配管されておらず、プロパンガスを、ニュータウンの一画にあるボンベ置場から道路に沿って配管し、各住宅に供給しているものである。
 被災者は、元請業者から、家屋が配管工事ができる状態になった旨の連絡を受け、1人で現場に向かった。そのほぼ3時間後、家屋の床下部分で意識を失っている被災者が発見され、すぐに病院に運ばれた。病院では、人工呼吸の際に被災者からプロパンガスが排出されたことや血液検査の結果等から「低酸素血症」と診断し、3日後、意識不明のまま死亡した。
 元請業者の作業者は、現場に到着した被災者を見ているが、他の場所で作業を行っており、次に同作業者が発見したときには、ガス臭がする家屋の床下部分で倒れていた。その間に被災者を見ていた者はいない。被災者を救出後、元請業者が被災者が倒れていた場所を調べたところ、供給管との継手のところからガスが漏れており、継手をつかむと接続部分が抜けてしまった。被災者は、配管工事中に継手の不具合を発見し、その交換作業中に被災したものと考えられる。

原因

(1) ガスを遮断しないで作業を行ったこと。
 (ガスを遮断する専用工具があるが、事務所に置いたままになっていた。)
(2) 換気を行わなかったこと。
(3) 社内の作業規定では、2人作業となっていたのに単独作業を行ったこと。
 (日頃一緒に作業している者が、当日の午前中に急きょ他のガス漏れ工事に行ってしまった。)

対策

(1) ガスを遮断して作業を行うこと。
(2) 作業現場に向かう前に、工具や継手等の部材の確認を行うこと。
(3) ガスが漏れる可能性がある作業においては、酸素濃度を十分に保つため、換気を行うこと。
(4) 作業に伴う危険性を作業者に十分認識させるとともに、作業前点検を含む作業規定の見直しとその徹底を図ること。
(5) ガス配管工事は、作業規定に定められているとおり、2人作業で行うよう徹底すること。