厚揚げを製造中の一酸化炭素中毒
業種 | その他の食料品製造業 | |||||
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事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.704
発生状況
本災害の発生した食品製造会社は、豆腐および豆腐加工品(厚揚げ、油揚げ等)を製造している。厚揚げは、生豆腐を自動油揚げ機の送入口に並べ、揚がった厚揚げを、取り出して包装することによって、製造されている。
当該作業場は、図に示すように、広さが約20m2で、自動油揚げ機が置かれている。また、換気設備として、局所排気装置および換気扇2台が設置されている。
災害発生当日、作業者Aが生豆腐を自動油揚げ機に投入し、作業者Bが揚がった厚揚げを取り出していた。2名は、通常よりも1時間早い出勤で、ほかに作業を行っている者はいなかった。2名は、局所排気装置も換気扇も稼働させず、窓も閉めたまま作業していた。作業開始約50分後、Aが、生豆腐を投入しながら突然倒れた。厚揚げを取り出していたBは、驚いてAにかけ寄ろうとしたところ、気分が悪くなりその場にしゃがみ込んでしまった。その直後に早めに出勤してきたほかの作業者らにA、Bは発見された。A、Bは急性一酸化中毒と診断され、両名とも3日間休業した。
原因
[1] 作業標準が作成されておらず、安全衛生教育が実施されていないこと。[2] 安全衛生推進者をはじめとする安全衛生管理体制が整っていないこと。
[3] 事業者、工場長、作業者の一酸化炭素の有害性についての認識が極めて低いこと。
対策
[1] 自動油揚げ機を稼働するときは必ず換気扇、局所排気装置を稼働し、窓を開けるなど換気に十分気をつけること。[2] 作業標準を作成し、関係する作業者に徹底させること。
[3] 安全衛生推進者を選任し、安全衛生管理体制を整備すること。
[4] 一酸化炭素の有害性について、安全衛生教育を徹底すること。
[5] 作業者の健康保持増進のための定期健康診断、また局所排気装置の稼働状態を良好に保つための定期点検を欠かさないこと。