マンション改修工事現場で塗装中有機溶剤中毒
業種 | その他の建築工事業 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | その他の建築工事 | ||||
災害の種類 | 中毒 | |||||
被害者数 |
|
|||||
発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.700
発生状況
本災害は、マンションの改修工事において、風通しが悪い地下にある階段の踊り場付近で、壁面に仕上材の吹付け作業を行っていたところ、塗装工1名が急性有機溶剤中毒で倒れ、さらにこれを救助しようとした同僚も同じく急性有機溶剤中毒により、意識障害を起こしたもの。災害のあった現場は4階建で19戸が入居済みの賃貸マンションであった。マンションの北西角には階段があり、階段は地下1階から地上4階まで続いていた。階段の西側は抱き足場が仮設され、外側をシートで養生してあった。1階から地下への階段は、下に10段下りたところで左に折れてさらに4段下りると地下室前階段踊り場がある。
マンションの外壁塗装が本件工事の内容である。塗装の工程は「下地調整、下塗主材吹き、仕上材塗」で、東面→北面→西面→南面の順に作業を行っていた。仮設足場は西面階段付近のみ抱き足場で、ほかの面は枠組足場が設置されていた。
原因
(1) 塗装業にあたり局所排気装置等を設けず、かつ、全体換気装置、送気マスクまたは有機ガス用防毒マスクを使用しなかったこと。(2) 閉所において有機溶剤の飛散の多い、吹付け塗装をしたこと。
(3) 有機溶剤作業主任者が選任されておらず、有機溶剤の有害性について知識がなかったこと。
対策
(1) 局所排気装置等を設けること。これが困難なときには、全体換気を設け、有機溶剤用防毒マスク等を使用すること。(2) 塗料はできるだけ有害性のないものを使用すること。
(3) 有機溶剤作業主任者を選任し、その職務を励行させるとともに、有機溶剤の有害性を指揮にあたる作業者に教育すること。