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労働災害事例

脱脂洗浄したチューブの乾燥中爆発が発生

脱脂洗浄したチューブの乾燥中爆発が発生
業種 鋳物業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) その他の炉窯等
災害の種類(事故の型) 爆発
被害者数
死亡者数:− 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.690

発生状況

配管継手のほか建築設備用圧力タンク、膨張タンクを製造している事業場で災害が発生した。
 災害が発生したのは、実験室においてステンレス製フレキシブルチューブの耐食性試験の準備作業を行っていたときのことである。これは顧客からの苦情や要望に応えるための改良・開発の一貫として行われたものである。
 準備作業は、まずフレキシブルチューブ(外径20mm、内径15mm、長さ600mmのU字型で30本あった)の内部脱脂洗浄から始まった。洗浄には、実験室にあったエチルアルコール(500cc入り試薬ビン、純度99.5%)を用い、50ccのエチルアルコールをチューブの中に入れ、両端をゴム製キャップで止めて指で押さえながら振って行うものである。
 洗浄したチューブは、乾きにくいということで、たまたま、実験室にあった恒温器に入れ乾燥することにした。この恒温器は、リレーの交換処理が行われ、試運転のため設定温度95℃で約1時間の昇温テストの最中であった。
 恒温器は、このとき94℃を指示しており、乾燥のためには都合がいいということでチューブ30本全部を入れ乾燥していたところ、しばらくして爆発が起こり、近くにいた作業者が爆発により飛散した恒温器の前面扉に当たり被災した。

原因

臨時・簡単な作業であったため、安全を考慮した作業計画・方法を事前に検討していなかった。

対策

[1] 臨時・簡単な作業であるからといって、軽視せずに、安全を考慮した作業計画・方法を事前に検討し作業者に周知しておくこと。
[2] 化学物質等を使用する場合には、その危険有害性を事前にチェックし、その特性に応じた保管、使用方法等の管理を徹底すること。
[3] 危険物を取り扱う場所・設備では、換気を十分に行うとともに、使用する電気機器は防爆構造のものとすること。
[4] 危険物を取り扱う作業者には、その危険性、安全な取扱方法等に関する安全衛生教育を実施すること。[5] 試験・研究部門では、種々の薬品、機器などを使用して行う多様な作業が多いと考えられることから、よりきめ細かな安全管理を行うこと。