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ガソリンスタンド解体工事において、地下のガソリンタンクの洗浄作業中に爆発

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発生状況
 この災害は、ガソリンスタンド解体工事において、地下に設置してあるガソリンタンクを撤去するためにタンク内を洗浄中、発生したものである。
 災害発生当日の朝、工事現場のガソリンスタンドには、工事を請け負ったZ社の職長Aおよび作業者BとCの3人が集まり、Aが当日の作業予定を説明した後、電動ファンで送風しながら作業を開始した。午前中はバキューム車によるタンク内のガソリンの残油の吸引・抜き取りを行い、午後は、タンク内への鉱物油洗浄剤(第4類第2石油類)の吹き付けによる洗浄を行った。
 この洗浄作業は、Bがエアライン送気マスクを使用して、持ち込んだはしごを使ってタンク内に入り、吹き付け機でタンク内に洗浄剤を吹き付けて行った。タンク内に吹き付けられた洗浄剤は、午前中に使用したバキューム車のホースで吸引した。このとき、Aはタンク上部のマンホール内で、吸引ホースと送風用の電動ファンのダクトを取り扱い、Cは地上にいてAを補助するほかエンジン式発電機と電動ファンのスイッチの操作を行っていた。
 洗浄とバキューム車での吸引が終わり、Aが、吹き付け機と吸引ホースを地上に出し、Bが余分な洗浄剤をウエスで拭き取っていたところ、突然、爆発が起こった。2人は病院に搬送されたが、Aは爆発の衝撃で死亡し、またBは火傷を負い入院した。
 当日は、午前中から、タンク上部のマンホールに設置された電動ファンによる送風が行われていたが、タンクの開口部が一つしかなく、換気が十分に行われていなかった。そのため、タンクとマンホールの内部にガソリンや洗浄剤の可燃性蒸気が滞留していて、これに鉄製はしごとタンクとの衝撃による火花が点火源となって引火し爆発したものである。なお、AとBは、Z社が支給した帯電防止作業服と静電気帯電防止用安全靴を使用していた。
 Z社では、可燃性蒸気が存在する場所において爆発災害を防止するために実施すべき可燃性蒸気の濃度測定、換気、点火源となるものの排除等を盛り込んだ作業手順書は作成していなかった。また、作業者に対して、可燃性蒸気の危険性や爆発防止に関する安全衛生教育を実施していなかったため、作業者の知識が不足していた。なお、Z社は当該現場に可燃性蒸気の濃度測定装置を持ち込んでいたが、Aら3人はこれを使用していなかった。
原因
 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1  電動ファンによる換気が不十分であったこと
 電動ファンによる送風が行われていたが、タンクに一つだけ設けられている開口部からの送風で、タンク内の換気が十分に行われていなかった。
2  作業中に可燃性蒸気の濃度測定が行われていなかったこと
 Z社は現場には可燃性蒸気の濃度測定装置を持ち込んでいたが、Aら3人はこれを使用していなかった。
3  タンク内で可燃性蒸気の点火源となる火花が発生するはしごを使用していたこと
 当日の作業でタンク内に設置されたはしごは、火花が発生しないように処理されたものではなかった。
4  作業手順書を作成していなかったこと
 Z社では、可燃性蒸気が存在する場所における作業で、爆発災害を防止するための、可燃性蒸気の濃度測定、換気、点火源となるものの排除等の事項を盛り込んだ作業手順書を作成していなかった。
5  換気の効果や可燃性蒸気の危険性についての十分な知識が作業者になかったこと
 Z社では、作業者に対して、可燃性蒸気の危険性や爆発防止に関する安全衛生教育を実施していなかったため、作業者の知識が不足していた。
対策
 同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  換気が不十分となりやすい構造のタンク内の通風、換気については、ファンの能力、換気ホースの配置場所、換気時間等について検討し、十分な換気を行うこと
2  作業前はもとより、作業中も可燃性ガスや蒸気の濃度を測定し、爆発下限界より低いことを確認すること
3  火花の出ない工具や金属製でない道具を使用し、火花が出るおそれのある工具等の使用を避けること
4  換気、測定および安全な作業方法等を盛り込んだ作業手順書を作成し、作業者に安全な作業方法を徹底すること
5  可燃性蒸気の危険性、換気および濃度測定の方法等について、作業者に対し安全衛生教育を行うこと
業種 建築設備工事業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 爆発性の物等
災害の種類(事故の型) 爆発
建設業のみ 工事の種類 建築設備工事
災害の種類 ガス等の爆発
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 充電部分の防護なし、不十分
発生要因(人) 無意識行動
発生要因(管理) 不意の危険に対する措置の不履行
NO.101150
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