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新造船の舵箱内壁の塗装後、舵箱開口部の閉塞板の溶接作業中、塗料溶剤の蒸気が爆発

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発生状況
 この災害は、造船工場の浮き桟橋に係留していた建造中の新造船の溶接作業中に発生したものである。
 建造中の新造船は、災害が発生した日の前々日に、舵装置が装備されているデッキと船底部の間の空間部分である舵箱内の壁面を塗装する作業が行われ、塗装作業後、舵箱内を乾燥するため8時間ほど換気し、換気後、舵箱内の甲板部に設けられた2ヶ所の舵箱内への出入り口に閉塞板を載せガムテープで止めていた。翌日、舵箱内の壁面の塗装の手直しのため、1時間ほど手直しの塗装作業が行われ、前日同様数時間ほど舵箱内を換気し、出入り口に閉塞板を載せガムテープで止めた。
 災害が発生した日、エンジンの調整、エンジンファーナーおよび甲板部に設けられた工事用の開口部を閉鎖するための溶接、ボルト締めなどの作業が行われることとなった。
 被災者は、舵箱部の開口部の閉塞板を止めていたガムテープをはがし取り、閉塞板を開口部に3ヶ所をアーク溶接により仮付けしたとき、突然、舵箱内で爆発が起こり、仮付けした閉塞板が飛び、被害者の頭部を直撃し、脳挫傷により死亡したものである。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1  舵箱内の塗装後の換気は、甲板部に設けられた2ヶ所の開口部に送風機を置き、送排気を行うものであったが、舵箱内には補強板、仕切り板等が設けられるなど複雑な構造であったため、全体を十分に換気することができなかったこと。
2  舵箱内の壁面の塗装後に、換気不十分のまま閉止したことから、塗料に混合されていた引火性の有機溶剤の蒸気が舵箱内に滞留していたこと。
3  閉塞板を溶接するため、止めていたガムテープを取り外したことにより、舵箱内に空気が入り込み爆発性混合気を生成したこと。
4  塗装作業後の舵箱内の引火性の蒸気の有無を確認することなしに、溶接作業を行ったこと。
5  親企業による請負業者に対する連絡調整が不十分であったため、舵箱内の塗装が行われた後、引火性の蒸気の滞留の状況が確認されていなかったこと。
6  親企業の請負業者に対する統括管理を行う管理体制が確立されていなかったこと。
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  密閉された塗装が行われた後のタンク内等の引火性ガスが残留して爆発が生ずるおそれのある場所については、作業開始前に十分な換気を行うこと。
2 引火性のガスが滞留しているおそれのある場所でアーク溶接などの点火源となるおそれのある機器を使用するときは、ガス検知器による引火性ガスの有無を確認すること。
3  特定元方事業者およびすべての関係請負人が参加する協議組織を設置し、特定元方事業者と関係請負人相互間の連絡調整を行うこと。
4  建造中の船舶で溶接などの火気を使用する作業を行う作業員に対して、塗装作業が行われている場所または塗装作業が行われた場所に隣接して行われる作業中の爆発火災の危険性およびその防止対策についての安全教育を実施すること。
5  特定元方事業者である親企業は、統括安全衛生責任者を選任し、その者に、協議組織の設置および運営、作業間の連絡および調整、作業場所の巡視、関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導および援助など労働災害を防止するために必要な統括管理を行わせること。
業種 造船業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 引火性の物
災害の種類(事故の型) 爆発
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.100834
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