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ろう付け溶接を行うため、種火用トーチに着火したところ溶接設備が爆発し全身火傷

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発生状況  この災害は、ろう付け溶接を行うため、種火用トーチに着火したところ溶接設備が爆発し、外国人労働者が全身火傷したものである。
 災害が発生した事業場は、リヤカーの製造等を行うものであるが、近年はスーパー等で使用する陳列棚や売場案内スタンドを主に製造している。
 被災者は、災害発生当日朝8時に出勤し、ロングスタンドのろう付け溶接を行うよう社長の指示を受け、8時30分から一人で溶接作業の準備にとりかかった。
 準備作業は、ろう付け用吹管が取り付けられたガスセーバー(ガス節約器)にガスホース(赤)の一方を取り付け、もう一方をベーパータンク(ガス混合機)に接続した。次に、酸素ボンベから酸素ホース(黒)をベーパータンクに接続し固定した。ベーパータンクは、その内部に溶接部の酸化物除去等のための溶剤フラックスが入れられてあった。なお、アセチレンボンベからベーパータンクへの接続は行われていなかった。
 8時45分頃、被災者は酸素ボンベのバルブとベーパータンクの開・閉のバルブを開け、ガスセーバーに付属の種火用トーチにライターで着火したところ爆発した。炎はガスホース内をベーパータンク方向にガスホースを破裂させて逆火し、ホース途中の逆火防止補助器を通ってベーパータンクに達したものである。
 爆発の炎が被災者の衣服に引火し全身火傷を負った。
原因  この災害は、ろう付け溶接を行うため、種火トーチに着火したところ溶接設備が爆発したものであるが、その原因としては、次のようなことが考えられる。
1  ガス溶接の無資格者が作業を行ったこと
 被災した外国人労働者は、在留資格が短期滞在で就労資格はなく、ガス溶接技能講習を修了していなかった。また、ろう付け溶接は過去に一度社長より教えを受けただけで、一人作業は初めてであった。
2  ろう付け溶接設備の接続方法を誤ったこと
 溶接設備は、前回行った焼入れ溶接のままであるため、ろう付け溶接用吹管に接続し直さなければならなかった。
 被災者はベーパータンクにアセチレンガスホースを接続し、ガスセーバーに酸素ホースを接続しなければならないのをベーパータンクに酸素ホースを接続し、ガスセーバーに付属の種火用トーチに着火したため、ベーパータンクに残留したアセチレンガスに逆火し爆発した。
3  ベーパータンクに接続した逆火防止補助器が効力を発揮しなかったこと
 逆火防止補助器は、通常状態での燃焼炎の逆流は防止できるが、高濃度のエアを含む混合ガスではフラッシュバックは防げない仕様であり、また、着火前にベーパータンク内の混合ガスを放出しなければならないのに行わなかった。
対策  この災害は、ろう付け溶接を行うため、種火トーチに着火したところ溶接設備が爆発し 発生した炎により全身火傷したものであるが、同種災害防止のためには、次のような対策 の徹底が必要と考えられる。
1  ガス溶接作業にはガス溶接技能講習 修了者を就かせること
 就業制限業務には有資格者を就かせるとともに作業内容について十分な教育を実施する必要がある。
2  ガス溶接作業マニュアルを作成し、関係者は周知徹底すること
 ガスセーバーに酸素ホースおよび酸素ボンベを接続するところを、ベーパータンクに接続するなど接続方法を誤ったものである。
 また、アセチレンボンベをベーパータンクに接続しなかった。未熟な知識、経験により作業を開始したものであるが、爆発火炎の防止のためには、溶接設備の準備を含め作業マニュアルを作成し、それに基づく作業の徹底が必要である。
3  安全管理体制を整備し、安全作業基準を徹底させること
 ベーパータンクの使用にあたって、作業開始前に逆火を防止するためのタンク内の混合ガスを放出することなど安全作業基準の見直しを行い、教育訓練を通じて関係者に周知徹底する。
業種 その他の金属製品製造業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) ガス溶接装置
災害の種類(事故の型) 爆発
被害者数
死亡者数:− 休業者数:1人
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物) 不適当な工具、用具の使用
発生要因(人) 錯誤など
発生要因(管理) 機械、装置等を指定外の方法で使う
NO.100547
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