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溶解アルミニウムをインゴットケースに移す作業中、インゴットケース内の雨水により水蒸気爆発が発生

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発生状況  この災害は、自動車部品製造工場において溶融アルミニウムをインゴットケースに移す作業中、インゴットケース内の雨水により水蒸気爆発を起こしたものである。
 この工場では、鋳造部門は構内下請X社が請負って昼夜連続作業で行っていた。
 災害発生当日、午前8時から鋳造機を使用して作業を行っていたが、午後2時頃になって鋳造機の調子が悪くなったので、一時、鋳造作業を中止することとした。鋳造機の故障時には鋳造機と連結している溶融炉で融解させていたアルミニウムは炉からインゴットケース(70cm×15cm×9cm)に移し換えて一時的に保管することになっており、責任者Aら3名でこの作業を始めた。この日は時々小雨が降っていて、工場の出入り口のひさし付近に置いてあったインゴットケースは、中に雨水が少し溜まっていたので、雨水を出してから、7個を溶融炉近くまで台車で運び、床に並べたのち、柄杓で溶融炉から溶融アルミを順番に入れていった。4ケースまで満杯にし、5ケース目に溶融アルミを流し込んだ時、突然爆音とともに溶融アルミが周囲に飛び散った。そのため、付近にいた3人の作業者は、高温の溶融アルミを浴び火傷を負った。
原因  この災害は、自動車部品製造工場において、溶融アルミニウムをインゴットケースに移す作業、インゴットケース内の雨水により水蒸気爆発を起こしたものであるが、その原因としては次のようなことが考えられる。
1 溶融アルミニウムのような溶融金属は、水と接触すると、水が爆発的に膨張するいわゆる水蒸気爆発を引き起こすことを作業者が十分に認識していなかったこと
 特に少量の水でも大きな爆発現象を示すことを知らなかった。
2 溶融アルミニウムを入れるインゴットケース中の水の有無を作業の前に十分点検しなかったこと
 インゴットケースが工場出入り口に近い屋外に置いていたため、雨水が少し溜まっていた。一応、排水したが十分でなかった。
3 高温の溶融金属を取り扱っているにもかかわらず、耐熱用の防護服、保護眼鏡、保護手袋を着用していなかったこと
4 親会社による統括安全管理体制が不十分であったこと
 鋳造機の故障等による非定常作業における作業手順が決められていなかった。また、親会社の作業者が現場にいなかった。
対策  この災害は、自動車部品製造工場において、溶融アルミニウムをインゴットケースに移す作業中、インゴットケース内の雨水により水蒸気爆発を起こしたものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 親会社による統括安全管理体制を確立し溶融アルミニウムのような高温溶融金属を取り扱う作業等危険性の高い作業の作業手順書の作 成し、安全管理を徹底すること
2 溶融アルミのような溶融金属は、水と接触すると、水が爆発的に膨張するいわゆる水蒸気爆発を引き起こすことを作業者に教育しておくこと
 特に少量の水との接触でも大きな爆発現象を示すことを知らせておく必要がある。
3 インゴットケースのような溶融金属を入れる容器は、雨水や作業用水が入らないような場所に保管しておき、また、溶融金属の鋳込み作業などの前には、容器内部のほか作業場近くの床などに水が滞留していないことを確認しておく必要がある。
4 高温の溶融金属を取り扱う場合は、耐熱用の防護服、保護眼鏡、保護手袋を着用するようにする。
業種 非鉄金属鋳物業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) その他の危険物、有害物等
災害の種類(事故の型) 爆発
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:3人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 安全の不確認(以前の)
発生要因(人) リーダーシップ
発生要因(管理) 確認しないで次の動作をする
NO.100389
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