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パラクロロアニリンを反応釜に仕込む作業で中毒

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発生状況 この災害は、有機工業製品製造工場において、医薬品中間体を製造する原料のパラクロロアニリン(PCA)を反応釜に仕込む作業を行っていた作業者がPCA中毒で倒れたものである。
 災害発生当日の午後3時頃から、被災者Aは通常の作業服に保護帽、保護眼鏡、ゴム製の長手袋を着用し、酸性ガス用防毒マスクを使用して班長Bとともに、ビニール袋に詰めてファイバードラムに入れてあるチップ状のPCAを反応釜に仕込む作業を始めた。
作業方法は手持ちスコップを用いてPCAをビニール袋からすくい出して反応釜に投入し、PCAの残りが少なくなると2人でファイバードラムを持ち上げて傾け、直接反応釜の投入口に残りのPCAを投入していた。
30分程して班長Bが現場を離れたので、被災者が1人で作業を続け、ビニール袋のPCAが残り少なくなったとき、ビニール袋をドラムから取り出し、PCAを投入しようとして反応釜に誤ってビニール袋を取り落とした。Aは保護眼鏡を外して中を見て袋を取り出したとき、釜内の液の飛沫が顔にかかった。Aは洗顔後、作業を続け、午後4時40分頃に所定量の投入を済ませ、作業者Cに引き継いだが、30分後、ロッカー室前で意識を失って倒れた。
原因 この災害は、有機工業製品製造工場において、医薬品の中間体を製造する原料のパラクロロアニリン(PCA)をファイバードラムから反応釜に仕込む作業を行った作業者がPCA中毒で倒れたものであるが、その原因としては次のようなことが考えられる。
1 PCA蒸気に対して有効でない酸性ガス用の吸収缶が取り付けられている防毒マスクを着用してPCAを取り扱かったこと
2 被災者は保護眼鏡、ゴム製長手袋は着用していたが、着衣などの汚染を防止する防護衣を着用しないでPCAを取り扱ったこと
3 作業方法が適切でなかったこと
PCAが入っていたビニール袋を直接投入口にあてがい釜内に流し込もうとして袋ごと落とし、これを手で取り出す際に反応釜内の液の飛沫を浴びた。
4 作業者の衛生教育が不十分であったこと
被災者は新入社員であり、一応新入社教育は行われていたが、急性毒性物質であるPCAの取り扱い作業に適した防毒マスクの吸収缶の選定方法について、労働衛生教育が不十分であった。
対策 この災害は、有機工業製品製造工場において、医薬品中間体を製造する原料のパラクロロアニリン(PCA)をファイバードラムから反応釜に仕込む作業を行っていた作業者がPCA中毒で倒れたものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 PCAの取り扱いに際して呼吸器から体内への摂取の防止と併せ、固体、溶液および蒸気が皮膚に接触することを防止するための方法を検討し、基準を作成して作業者に周知徹底すること
2 PCAをファイバードラムから反応釜に手作業で投入する作業方法を止め、囲い式フード内で投入用の容器に移し替えてから反応釜に投入するなどばく露の機会やそのレベルを極力少なくする作業方法とすること
3 PCAを取り扱う際には有機ガス用吸収缶を装着した防毒マスクを着用し、また、皮膚や着衣への付着を防止するのに有効な不浸透性の防護衣を着用すること
4 化学物質の危険性、対策の必要性の理解、関係作業者に対して実施している具体的対策の内容等について教育、訓練を行うこと
5 安全衛生管理体制を整備し、安全衛生管理を徹底すること
業種 無機・有機化学工業製品製造業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) その他保護具を指定していない
発生要因(人) 近道反応
発生要因(管理) 保護具の選択、使用方法の誤り
NO.100368
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