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アンモニアボンベの交換作業で中毒

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発生状況 この災害は、焼入鋼帯製造工場において、焼入に使用するアンモニアのボンベ交換作業中、作業者2名が漏出したアンモニアを吸入して急性中毒となったものである。
 災害発生当日、班長Aは、他の3 名の作業者とともに、3 番方(0.00〜8.00) の勤務につき、通常の作業を行ったが、40分程するとアンモニアボンベが空になったことを知らせるブザーが鳴ったので、Aは屋外のボンベ置場に行き、予備のボンベに切り替え、空のボンベの切り離し作業を行った。切り離し作業はボンベと配管を接続しているフレキシブルホースの配管側のコックと元栓を締め、次いでフレキシブルホースとボンベの接続部のナットを緩めてホース内に残留しているガス抜きを行った後、ホースを外す手順で行うが、Aはホースのガス抜きに時間がかかるのでその間、工場に戻り鋼帯をつなぐための点溶接を行っていたが、アンモニア臭がするので、ボンベ置場に行くとボンベ付近がアンモニア臭で充満していた。 あわてて、緩めた接続部をレンチで締めようとしが、反対に回したので、接続部が外れてガスが勢い良く噴き出した。班長の帰りが遅いので、作業者2名がボンベ置場に行ったところ、しゃがみこんだAを発見し、救出して病院に運んだ。
原因 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 ボンベの元栓を締め忘れたこと
班長は、フレキシブルホースのガス抜きをするとき、ボンベの元栓を締めたつもりでいたが、実際には締め忘れていたため、ボンベの残留アンモニアが緩めたナットの個所から外部に漏出したものである。
2 作業手順が作成されていなかったこと
ボンベの切り替えは、班長が行っていたため、作業手順書のようなものは作成されておらず、班長の判断で実施されていた。
3 アンモニアの有害性について教育がされていなかったこと
班長をはじめ作業者は、アンモニアの爆発危険性については知っていたが、人体に対する有害性については十分に教育されておらず、救助作業を行った作業者を含め中毒になった。
4 特定化学物質等作業主任者の職務を行っていないこと
特定化学物質等作業主任者には、被災者である班長を選任していたが、同人はその職務を行っていなかった。
対策 同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 安全な作業を行うための手順を明確に定め、それを遵守すること
アンモニアは、特定化学物質第三類の有害な物質として指定されており、その取扱には十分な注意が必要であることから、安全な作業のための手順書を策定し、関係者に徹底することが必要である。
また、それが遵守されているか否かについて、安全衛生推進者等が確認することも必要である。
2 防毒マスク等の保護具を備え付けておくこと
この災害のような事態が発生し、緊急の作業を行う場合に備えて取り扱い物質に対応した防毒マスク等の保護具を備え付けておくともに、その使用方法を教育することが必要である。
3 バルブには開閉方向を明示しておくこと
バルブの操作を誤らないように、バルブには開閉方向を明示しておくとともに、操作にあたっては「指差呼称」等を行い誤った方向に操作しないようにすることが重要である。
業種 その他の鉄鋼業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:2人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 区画、表示の欠陥
発生要因(人) 危険感覚
発生要因(管理) 保護具を使用していない
NO.100367
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