捺梁(なっせん)に使用する型を2階から簡易リフトで1階に降す作業中搬器ではさまれる

業種 | 染色整理業 | |||||
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事業場規模 | 16~29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | エレベータ、リフト | |||||
災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 設計不良 | |||||
発生要因(人) | 無意識行動 | |||||
発生要因(管理) | 不意の危険に対する措置の不履行 |
No.100358
発生状況
この災害は、染色工場において捺染(なっせん)に使用する「型」をエレベーターで1 階に下ろす作業行中に発生したものである。災害発生当日、被災者は、午前中は自分の仕事であるデザイン関係の作業を行っていたが、昼食後の最初の時間に屋上の保管庫から捺染(なっせん)に使用する横85cm、たて170cm 、幅4cm 、重量約10kgの「型」2 枚をエレベーターで1 階に下ろす作業を行うことになり階段で屋上に上った。
午後1 時50分頃、1 階で他の作業者がエレベーターを使用するため操作ボタンを押したが、搬器が降りてこないので不審に思い階段を利用して屋上まで行ったところ、エレベーターの搬器囲いの上端と昇降路の出入り口の扉との間に首がはさまっている被災者を発見した。
この作業者は、直ちに事務所に連絡し、救急車が来て被災者が救出され病院に移送されたが、災害発生から11日後に死亡した。
なお、この作業は、当初は別の作業者が行うことになっていたが、被災者が「自分が屋上から下ろす」と申し出て作業を行ったものである。
原因
この災害は、染色工場において捺染(なっせん)に使用する「型」をエレベーターで1 階に下ろす作業中にエレベーターの搬器の上端と昇降路の出入り口の扉との間に作業者がはさまれたものであるが、その原因としては、次のことが考えられる。1 工場としてエレベーターを運転する場合の合図を定めずに、労働者に使用させていたこと
2 エレベーター昇降路の屋上出入口の扉の高さが110cmと低かったため、扉の上から昇降路の中をのぞき込めるような構造のものであったこと
3 エレベーターの毎年および月次の定期自主検査、毎日の作業開始前の点検等を全く実施していなかったこと
4 安全管理体制が整備されておらず、また、労働者に対する安全衛生教育等が実施されていなかったこと
対策
この災害は、染色工場において捺染(なっせん)に使用する「型」をエレベーターで1階に下ろす作業中にエレベーターの搬器の上端と昇降路の出入り口の扉との間に作業者がはさまれたものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。1 昇降路の出入口の扉は、その上部或いは下部から昇降路の中に身体の一部が入らないような構造とすること
2 あらかじめエレベーターの操作に際しての合図方法を定め、関係労働者に周知徹底すること
3 1 年以内に1 回および1 月以内に1 回の定期自主検査、作業開始前の点検を実施し、不具合な個所について確実に補修等を実施すること
4 安全管理体制を整備し、労働者に対する安全衛生教育の実施、職場の安全点検等を実施すること