住宅の屋根瓦等をトラックに積込み作業中に熱中症となる
業種 | 一般貨物自動車運送業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 高温・低温環境 | |||||
災害の種類(事故の型) | その他 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業環境の欠陥(部外の) | |||||
発生要因(人) | 身体機能 | |||||
発生要因(管理) | 荷などの持ち過ぎ |
No.100294
発生状況
この災害は、木造二階建て住宅の増築工事において、解体した瓦、屋根材をダンプトラックに積み込む作業中に熱中症により死亡したものである。災害発生当日、被災者は、4 名の同僚とともに工事現場に赴き、午前8 時30分より作業を開始した。
屋根の上には2 名が上り、瓦や屋根材を引き剥がして袋詰めにして昇降機を用いて地上に降ろす作業に従事し、被災者は他の同僚1 名とともに地上にいて屋根から降りてきた廃材(1袋が約15Kg)を自らが運転するダンプトラックに積み込む作業に従事した。
この作業は、真夏の炎天下で行われていたため、途中、午前10時から10時40分までの間は作業者全員で木陰で休憩をとっていた。 再び作業を開始して約1時間後の午前11時40分頃から被災者は気分が悪くなり、同僚に身体の調子が悪いと訴えながらトラックの荷台上にうずくまりやがて意識を失った。
被災者の異常に気付いた屋根上の同僚達が駆けつけてきて被災者をトラックから降ろそうとしたが、体重が重すぎて降ろすことができなかったので、ベニヤ板で直射日光を遮った後、救急車を呼んで病院に搬送したが蘇生せずに死亡した。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。1 炎天下において作業を行ったこと
2 炎天下における作業にもかかわらず適当な休息を与えること等の作業管理を行っていなかったこと
3 作業者の健康管理を行っていなかったこと
4 緊急時の連絡要領、応急処置等についての教育がなされていなかったこと
対策
この災害は、木造二階建て住宅の増築工事において、解体した瓦、屋根材をダンプトラックに積み込む作業中に熱中症により死亡したものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。1 作業中に水分や塩分を補給すること
2 作業環境の改善と休憩場所の確保を行うこと
3 断続的な作業等作業管理を適正に行うこと
4 通気性の良い作業服装をさせること
5 健康管理と健康教育を十分に行うこと
6 安全衛生管理体制を整備し、的確な管理を行うこと