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電気炉の一部が溶損、溶鋼が漏出し水蒸気爆発

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発生状況 この事故は、鉄筋コンクリート用の棒鋼、丸鋼、異形棒鋼等を生産している工場の電気炉で発生したものである。
 事故の発生した電気炉は、製鋼用の炉蓋旋回式炉頂挿入型アーク炉で、公称60トンの容量である。
 事故発生当日は、作業員5名で操業にとりかかり、午後10時頃に電気炉に通電し、電気炉に原料である鉄くずを挿入し溶解作業を開始した。溶解作業を開始して約90分後の午後11時29分頃に溶解、精錬を終了し出鋼しようとした際、電気炉の一部が溶損し穴が開き、ここから鋼湯(温度約1,650℃)が漏出した。
 漏出した鋼湯は、電気炉の外側を通っていた水冷用のジャケット配管に触れ、その水管を溶損したため、鋼湯と水冷用の水が接触し次々と水蒸気爆発を引き起こしたものである。
 幸い、作業者は、電気炉が溶損し穴の開く前に、炉壁の一部が赤変しているのに気付き、危険を感じ、操作盤室に退避したため大事には至らず、被害は爆風により操作盤室のガラスの一部を破損したものである。
原因 この事故は、電気炉内の高温の鋼湯が炉壁の一部を溶損したため、鋼湯が漏出し、これが電気炉の外側を通っていた水冷ジャケットの配管を溶損し、鋼湯と水が接触し水蒸気爆発を引き起こしたものである。
 炉壁が溶損した原因としては、前回の出鋼の後に吹き付け補修を行ってから約2.5日間そのまま放置していたため、炉内の耐火材の焼き付けが不十分で剥離し易い状態にあったこと。
 また、そこに操業再開後の最初のスクラップ(鉄くず)装入した時の衝撃により、吹き付けた耐火材が脱落し、炉壁耐火材の厚みが一部確保されていない状態となっていたものと推定される。
 その後、その状態のまま操業を続けたため、精錬時間の経過とともに溶鋼スラグが耐火レンガを侵食し、その一部が外被に達し、外被鉄板及び冷却水配管を破損し、冷却水と接触し水蒸気爆発が起こったものである。
 また、連休後の操業再開にあたって、炉内の点検、安全確認が行われておらず、前回の炉内耐火材の焼き付けが不十分であることの確認がなされていないことが原因としてあげられる。
対策 これまでも鉄鋼業等においては、溶融高熱物等の取り扱い中の爆発、災害、火傷等の災害が多く発生している。
 特に、大きな災害は、この事故にみられるように溶融した高熱の鉱物と水との接触によって引き起こる水蒸気爆発である。
 水蒸気爆発は、鋳造作業中の冷却水との接触、高熱の鉱滓の水処理中、高熱の鉱物をピット内で取り扱い中ピット内に滞留していた水との接触、溶解炉等に原材料の金属くずと水が混入したまま投入した場合等に多く発生している。
 今回のように、電気炉そのものの耐火壁を溶融した高熱物が突き破り、直接外側の冷却水と接触して水蒸気爆発を起こすことは、比較的珍しい事故といえる。
 このような事故の防止のためには、次のような緒対策を確立することが必要である。
1 電気炉の補修方法の抜本的見直し、改善
 [1] 補修の点検基準
[2] 補修方法の改善
2 補修の管理体制の明確化
3 補修にあたる作業者への特別の教育
4 異常時の作業標準の設定
業種 製鉄・製鋼・圧延業
事業場規模 100〜299人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 炉、窯
災害の種類(事故の型) 爆発
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 整備不良
発生要因(人) 危険感覚
発生要因(管理) 機械装置を不安定な状態にして放置する
NO.1056
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