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浴室の塗装作業中の有機溶剤中毒

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発生状況 建築後約10年経過した個人住宅の外壁、塀、浴室等の塗装改修工事に下請けのA塗装店の作業者であるBとCが従事していた。
 当日は午前中2人で外壁の吹き付け塗装作業に従事した。午後になり、浴室の塗装作業も行うことになり、経験年数の長いCの指示によりBが1人で浴室へ行き、Cはそのまま外壁の吹き付け塗装作業を行った。
 浴室内の気積は4.00m3である。
 Bは浴室内の塗装の不必要な部分の養生をするため、窓、扉、タイル等の部分をビニールで覆い、マスキングテープで止めた。養生後、Bは、あらかじめモルタルをかき落とした浴室内の天井・壁への下塗りシーラー剤の塗装作業に従事した。
 下塗りシーラー剤は、有機溶剤キシレン5〜10%、アセトン5〜10%、トルエン20〜30%、酢酸エチル5〜10%含有するものであった。
 下塗りシーラー剤は、外壁の塗装等他の作業に使用されたものが残っていたため、そのシーラー剤を、容器に小分けして、浴室内へ持ち込み、ローラー及びハケを使用して塗装した。
 塗装を必要とする面は、見取り図の浴室内の天井、壁のモルタルかき落とし面で、その全面積を算出すると6.87m2であった。
 30分程過ぎたころ、Bは「臭い」と言いながら、目を赤く充血させ、有機溶剤に酔った状態で建物の外へ出て来た。Cと一緒に10分程度の休憩を取った後、再び1人で建物内へ入った。
 Bは再び浴室内において、シーラー剤塗布の作業に従事し、有機溶剤中毒のため、浴室内で倒れたものと推測される。
 Bによるシーラー剤の塗付面積は、見取図のとおりで、算出すると5.80m2であった。
 Bが再び浴室に入ってから約1時間10分後に同僚CがBの塗装時間が長いため不審に思い、浴室へ見に行った。浴室はドアが閉じられており、中に入ると、浴室内でBが倒れているのを発見した。
 CがBを浴室から台所まで引っぱり出したが、Bは意識が無く、Cは口からよだれを出す状況で、至急、病院へ運ばれたがBは2時間後に死亡した。
原因 (1) 浴室のすきまを養生シートで覆い、通風がほとんどない状態であるにもかかわらず、換気装置による換気を行わなかったこと。
(2) 有機ガス用防毒マスクを使用しなかったこと。
(3) 有機溶剤作業主任者の選任をしなかったこと。
(4) 作業者に対する安全衛生教育がなされなかったこと。
対策 (1) 有機溶剤作業主任者を選任し、換気装置、保護具の管理、作業方法の決定などの指揮を行わせること。
(2) あらかじめ使用する有機溶剤の量を把握し、十分な換気能力のある換気装置を設置し、使用すること。
(3) 有効な呼吸用保護具を使用すること。
(4) 作業者に対し有機溶剤取扱業務及び有機溶剤についての安全衛生教育を実施すること。
業種 その他の建築工事業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
建設業のみ 工事の種類 その他の建築工事
災害の種類 中毒
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)
NO.829
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