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労働災害事例

修理中の機械に触れて感電

修理中の機械に触れて感電
業種 その他の輸送用機械等製造業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) その他の電気設備
災害の種類(事故の型) 感電
被害者数
死亡者数:− 休業者数:1人
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.492

発生状況

Aは甲工業(株)に勤務する新人の機械工である。仕事の内容は、コの字形に配置された5台の旋盤と2台のボール盤によるワークの加工である。ワークはAが担当する7台の機械で順に加工されるようになっており、Aはある機械で加工が終了したワークを次の機械に取り付けて起動ボタンを押すという作業を順番に行っている。Aは、このほかにも機械の日常点検、刃物の交換や調整、潤滑油の交換などの簡単な保守・点検を担当するとともに、通常の作業中は切り粉の廃除、故障のチェック等を行い、機械が故障した場合には上司であるB班長に連絡することになっていた。
 被災当日Aは、担当している旋盤のうちの1台が切削サイクルの途中で停止したのを発見した。戻しボタン(このボタンを押すと、旋盤は加工途中であっても、ただちに原点復帰することになっている)を押しても反応がなかったため、制御盤を見ると電源ランプが消燈していた。Aが勝手に制御盤を開けたりヒューズを交換したりすることは禁じられていたため、作業を中止して、B班長を呼んだ。B班長は電気保全を担当している施設課へ行って保全工のCに修理を依頼した。Cは入社2年目である。
 Cはただちに前記の旋盤の所へ行き、制御盤を開けたところ、制御回路のヒューズが切れているのを発見した。Cはすぐにヒューズを交換して、Aに再び起動ボタンを押すように指示した。旋盤を当初異常なく動き始めたが、先程停止したところまで加工が進んだところでヒューズが溶断して再び停止した。Cは地絡事故か短絡事故であると判断し、旋盤の電源側の配電ボックスのナイフスイッチを切り、「スイッチ入れるな」の表示をした上で調査を始めた。
 調査の結果、配線の一部を外して絶縁テープを巻いてある箇所があり、絶縁が不十分だったためであると判断して修理をし、電源を再投入しもう一度動かしてみた。だが、結局同じところで止ってしまった。Cは修理時間も長びいていたためあせり始めていた。
 そのときAが、「旋盤が止まる直前に、火花を出したリミットスイッチがあった」といったため、Cは電源を切らないままリミットスイッチのカバーを外してしまった。そして、リミットスイッチの新品を詰所へ取りに行くとAとB班長に告げて詰所へ戻り、B班長も上司への報告のため現場を離れた。なお、Cは「修理中」の札を機械に下げておいた。
 Aは、修理中であることは分かっていたが、制御盤の電源ランプが消えているのを見て電源が来ていないものと思い込み、リミットスイッチに触れて感電し、負傷災害となったものである。

原因

[1] 電源ランプは実際には切れており、点燈するはずがない状態であった。
[2] Aは、入社時に作業についての簡単な注意を受けただけで、雇入れ時の教育を受けていなかった。そのため、機械の故障で修理中のときに機械に手を触れると危険な場合があることが理解できていなかった。
[3] Cは、通常、機械の修理のための原因調査のときは電源が投入された状態で行うこともあると教えられており、修理中の表示をしておけば現場を離れるときに電源を入れたままにしておいても、一般の作業者がそれに触れたりしないことが当然であると考えていた。
 以上から、作業者に対する安全衛生教育が不十分であったことが主な原因といえる。

対策

作業者は人間として感違いや不注意が避けられないだけに、適切な教育・作業指導が必要である。