平成29年度実施の職場見学会をご欄いただけます。
あんぜんプロジェクトの平成29年度第2回職場見学会を、2018年2月20日に東レ株式会社千葉工場にて実施しました。
日 時 | 平成 30 年 2 月 20 日(火) 13:00 ~ 16:00 |
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場 所 | 東レ株式会社 千葉工場 あんぜんプロジェクト掲載ページ |
内 容 | ① 東レグループおよび東レ千葉工場における、安全衛生活動の取り組み紹介 ② 工場見学 ③ 意見交換(質疑応答) |
東レ株式会社千葉工場は、39年間無災害継続を達成し、平成29年度「安全衛生に係る優良事業場、団体又は功労者に対する厚生労働大臣表彰」の奨励賞、2017年日本化学工業協会日化協安全最優秀賞を受賞しました。
今回、あんぜんプロジェクトメンバー6社から10名にご参加いただき、約3時間にわたって、安全衛生活動の取り組み紹介や現場見学、また意見交換などを実施しました。
最初に、東レグループおよび東レ千葉工場について、工場長から全体概要と安全への取り組みに関する概要をご説明いただきました。
次に、東レ千葉工場の安全管理体制と安全活動への取り組みについて、環境保安課長からご説明をいただきました。
続けて、環境保安課の方から掛長・主任層を核とした安全活動事例のご説明をいただきました。
- トヨラック技術室・品質保証課 | : | ONG(お願いします)活動 (先輩・上司にも相互注意できる職場環境の醸成) |
- トヨラック生産課 | : | 災害連絡書を活用した意識向上活動、KY能力向上活動、3S活動の活性化 |
- 工務保全課 | : | 災害連絡書の読み込み、過去の災害連絡書の読み込み・報告、安全基本ルールと各自の安全考動の指差呼称 |
最後に、工務保全課長から工事安全への取り組みについてご説明をいただきました。
バスに乗車し、中央道路を進みながら、構内のご説明をお聞きしました。横断歩道などの各所に、安全考動に対する注意喚起の標識や表示があります。 | |
バース |
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東京湾に面した埠頭があります。原料を積んだ船が着岸し、パイプでタンクヤードの大きなタンクに原料を流し込みます。このタンクは浜タンクと呼ばれ、東レ千葉工場で使用する主原料3種類を貯蔵しています。大きなタンクに入った原料は、ここからパイプで工場内各所のタンクに流し込まれます。 また、この埠頭には東レ千葉工場の最終排水口もあり、自動排水分析計、監視カメラ2台などで常時監視しています。環境保全の仕組みとして、万が一、場内で廃液が流出したときは、工場内側でバル-ンを膨らませ廃液を堰き止めるとともに地下のプールで貯蔵できるようになっています。 |
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安全展示室 |
工務棟 |
安全展示室は2013年に設置されました。 プラント装置等のカットモデルなどを展示し、若い世代の教育に使用しています。千葉工場の過去災害事例も展示し、発生した災害を風化させずに教訓として役立てています。 参加各社の皆さんも、展示物に熱心に見入ったり、事例について活発に質問をしていました。 |
今どこで工事が行われているかがすぐに分かるように工場平面図を用いて、壁に掲示されています。ファイルを開いたり、パソコンを起動したりしなくても、構内で工事が行われている場所が一目瞭然です。 |
見学前に工務保全課長からご説明いただいた「化学物質安全シート」や「グリーンシート」の実物を工事許可を出す場所で見せていただきました。 | |
純水製造装置、消火設備 |
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東レ千葉工場では、東レ製のUF膜装置やRO膜装置を使用して工業用水を純水にしています。東レの工場の中で最も大量の純水を製造できる装置の前で、浄水・純水装置についてご説明いただきました。 消火設備は赤色で統一しており一目で区別が付くようになっています。 |
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重合工程 |
PRTR対象物質自主削減対策(第8期) |
原料を混ぜ合わせて加熱し、ABS樹脂をスパゲティーのように長く伸ばします。この後、冷却・乾燥を経て細かく切断し、ペレットにします。 製造工程は自動化されていますが、「立入禁止」など、安全に関する注意喚起が各所に大きく分かりやすく表示されています。この工程の一部は騒音管理区域なので、耳栓を着用して見学しました。 |
東レ千葉工場では、2001年5月から第1期PRTR対象物質自主削減対策として蓄熱式燃焼脱臭装置を設置し、現在では第8期までの蓄熱式燃焼脱臭装置が稼動しています。 ※ PRTR (Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出制度) |
総務棟玄関 |
トヨラック生産課事務所前掲示板 |
総務棟の玄関には、東レ千葉工場が受賞した各種の表彰状や記念の盾などが展示されています。平成29年度厚生労働大臣奨励賞もありました。 また、東レ千葉工場で生産している製品とその紹介なども展示されています。 |
掲示板には、全員の安全宣言、工場長安全メッセージ、安全活動報告、災害連絡書など、安全に関する掲示物がいつでも見られるように貼られています。更新したものはその日付も目立つように書かれており、常に最新情報とする工夫もされていました。 |
過去からの検討結果の蓄積も壁に掲示されています。 若い世代は実際の災害に遭遇していないため、過去に千葉工場で発生した災害について取り上げ、現場教育に活用しています。 また、東レグル-プ国内外の他事業所で発生した類似災害を周知し、速報版と詳細版で徹底的に原因を究明し、課長、安全推進委員および課員が一緒になって対策を検討しています。 |
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中央道路 |
安全記念樹 |
中央道路には、安全理念、安全行動指針、安全方針、工場長安全メッセージ、無災害記録表、完全ゼロ災記録表など、安全に関するさまざまな掲示があります。 | 歴代工場長が植樹した記念樹がすくすくと成長しています。 |
見学終了後、参加各社から東レ千葉工場に質問する形式で、安全活動に関する質疑応答を行いました。 | |
参加者との質疑応答 |
Q | 当社でも安全活動を行っているが、なかなか災害が減少しない。ゼロ災を継続している秘訣のようなものがあれば教えていただきたい。 |
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A | 全員が意識を高く持つことが必要である。
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Q | 災害が減少すると、危険に対する感受性が低下してくるのではないかと思われる。危険に対する感受性低下をどのように防止すればよいか。 |
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A | 工場長、部署長、掛長・主任層が常に安全に関することを繰り返し熱く語り、注意喚起し続けることが重要である。特に管理職は率先垂範する必要がある。 |
Q | 当社でも安全活動を実施し、今年からKYを開始したが、表面的なもので終わっているように感じている。東レ千葉工場では、実際に作業ごとにKYを行っているのか。また、KYにはどのように取り組めばよいか。 |
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A |
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Q | 災害対策の深掘りのポイントは何か。 |
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A | 類似災害を防ぐために、東レグループでは、昨年から、発生した災害について経験豊富で詳細な知識のある人が原因と対策を考える「着眼点」を設定した上で類似災害防止を検討するという方式を採用している。千葉工場では着眼点は工場長と環境の課長・掛長・主任で設定している。また、災害が発生した場合は原因と対策とともに、必ず横展開してグループ内で情報共有する。 |
Q | 「5S」はよく耳にするが、「6S」の最後の「S」は何を指しているのか。 |
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A | 「しっかり」を指している。したがって、「6S」とは「5S」+「しっかり」で、「整理・整頓・清掃・清潔・躾・しっかり」となる。 |
参加者からは、以下のような声が聞かれました。 | |
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閉会に当たり、工場長より以下のようなお話をいただきました。 | |
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東レ千葉工場は、ABS樹脂「トヨラック」の生産工場として、構内に多くの危険物や潜在危険の起因物があります。トップダウン活動とボトムアップ活動の融合による徹底した安全管理をもって、ゼロ災継続が実現していることを実感した見学会でした。参加各社は、東レ千葉工場が行っている安全基盤の整備と安全文化の醸成、そして安全な人の育成について強い感銘を受け、自社での取り組みへの大きな手がかりを得たようです。「安全は全てに優先する」を組織が一丸となって実践し続けることの重要性を確認し、本日の見学会は閉会となりました。 |
あんぜんプロジェクトの今年度第1回職場見学会を、2017年11月29日にアサヒビール株式会社神奈川工場にて実施しました。
日 時 | 平成 29 年 11 月 29 日(水) 13:45 ~ 17:00 |
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場 所 | アサヒビール株式会社 神奈川工場 あんぜんプロジェクト掲載ページ |
内 容 | ①工場見学 ・一般見学 ・現場見学 ②5Sを中心とした取組の紹介、質疑応答 |
アサヒビール株式会社神奈川工場は、2002年に竣工し、生産量は年間約17万KLで約41万㎡(12万5千坪)という緑豊かな広大な敷地の中にあり、グループ会社・協力会社含めて318人が勤務しています。ビールはとことん自動化された設備で徹底した品質管理のもと仕込・発酵・熟成・ろ過・パッケージングまでの一連の生産工程を経て作られています。
今回、あんぜんプロジェクトメンバーは、13社から22名の方々に参加いただき、約3時間にわたって工場見学や5Sの取組紹介などを実施しました。
工場見学案内スタッフの説明で、まず一般の方のコースを見学しました。
はじめに |
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映写室でアサヒビール神奈川工場の紹介ビデオを見て、製造工程の概要や工場独自の取り組みを理解します。 | 一般見学コースでは、各所で大きなガラス窓から製造現場を一望することが出来るようになっています。工場見学案内スタッフからパネルやモニターなどを使った説明を受けます。 |
仕込室 |
原料展示・ろ過 |
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仕込室では、大きな釜で麦芽やホップなどの原料を煮込み、1回の仕込で350ミリリットル缶 約36万本分のビールのもととなる麦汁を作っています。 | ビールの原料である麦芽やホップの実物を触ったり香りを嗅いだりした後、ろ過工程の説明へ進みます。ろ過されたビールは、透き通った黄金色になります。 | ||
発酵・熟成 |
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発酵・熟成工程では、容量500キロリットルの屋外発酵熟成タンク45本が設置されています。外気に左右されることなく、熟成したビールは0℃に近い温度で管理します。 | 隣のエリアにはノンフロン冷凍設備や原料水などのユーティリティーのタンクも見えます。エンジニアリング部の原動部門が365日24時間体制で運転管理しています。 | ||
缶詰 |
びん詰 |
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ビールを自動的に缶へ詰める工程です。1分間に1500本も充填することが出来ます。そのスピードに参加者からは驚きの声があがっていました。 | びん詰工程です。市場から回収されてきたリターナブルびんを自動的に選別して洗浄した後にビールを詰める工程です。1分間に600本充填できます。缶製品や樽製品に比べてびん製品の需要は年々少なくなっているそうです。 | ||
缶のふたをビールが酸化しないように素早く巻き締める工程です。新鮮なビールを充填するために欠かす事の出来ない設備であり、こちらも完全に自動化されています。 | |||
ふたを巻き締める工程では異常が発生した場合、機械が自動で止まりオペレーターに知らせる仕組みとなっています。 |
環境への取組や製品紹介 |
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アサヒグループの環境への取り組みやグループ各社の製品について紹介しています。 神奈川工場は「環境創造工場」を目指し、数十種類にごみを分別して再資源化を行っています。また敷地内にビオトープを設け、5月下旬から6月上旬にかけて蛍の鑑賞会も開催されており、地域の森林保全活動などにも取り組んでいます。 |
最後に品質管理室を見学します。ビールの味、香り、泡立ち、色などを分析して管理しています。徹底的に自動化された工場でも最終確認は機械ではなく人が行っており、人の手無くしては美味しいビールを作る事は出来ないそうです。
工場総務ご担当者、および現場ご担当者の案内で、物流倉庫と醸造棟エリアを見学しました。
物流倉庫 |
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ロボットでパレットに積み付けられた製品は無人フォークリフトにより決められた場所に積み上げられます。無人フォークリフトは全て自動制御で運転されています。走行エリアはフェンスで仕切られ稼働中の立入りは禁止されています。緊急時にフェンス内に入る時は扉に設置された進入許可申請ボタンを押して入るルールになっておりそれにより走行が停止する仕組みになっています。このボタンを押し忘れた場合でも無人フォークリフトに取付けられた人感センサーにより止まる仕組みになっています。また、走行中はメロディを流すことで周囲に注意喚起をしています。 | |
醸造棟1階(貯酒タンク下部) |
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発酵タンクではビールの温度コントロールやタンクや配管の洗浄に至るまで全て自動化されています。そのため発酵中のビールの分析用サンプルを取ることや点検業務以外の目的でこのエリアに入ることは殆どありません。タンク下は、低温空調されていますが夏場の外気の温湿度が高い場合はビール配管に結露が発生するため、床にたれた結露水で作業員が滑り転倒しないように足元の注意を喚起するステッカーが要所要所に貼られています。 |
工場見学の後は、神奈川工場パッケージング部での5Sの取り組みについて説明いただき、質疑応答を行いました。
アサヒビールにおける5Sの取り組みについて |
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アサヒビールでは、「工場の6つの使命(PQCDMS)を支えるものは5Sです」との考え方のもと、5S活動を推進しています。PQCDMSとは、「P (Productivity) 生産性」「Q (Quality) 品質」「C(Cost) 原価」「D (Delivery) 納期」「M (Morale) モラール」「S (Safety) 安全」という、工場における基本的かつ重要な6項目です。 | |||||||||||||
■いつもキレイな職場に事故はなし
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■整理・整頓の重要性
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【体感シート①】乱雑な状態 【体感シート②】整理された(要・不要に分別した)状態 【体感シート③】整頓された状態 |
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<ゲームの結果> ①→②→③の順に、つけ終わるまでの時間が短くなる。③は「対象を使用する順番に並べた場合」に該当し、あっという間に○をつけ終えることができる。 |
■パッケージング部の5Sへの取組
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<整理>
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■正しい5S実践の成果
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■5S成功のポイント
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網羅性 現場の隅々まで目を配る。 |
継続性 100分の活動を1回行うよりも、1分の活動を100回行う。 |
参加者との質疑応答 |
Q | 5S活動の実践に当たり、全員に共通認識を持ってもらうために、最初に取り組んだことは何か。 |
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A | 本物の5S活動を目指して、全員参加のための役割分担と部長の率先垂範を促した。
5Sレベルの高い他社ではベンチマークで定着するのに10年程要するとお話しを聞いた。我々が本物の5S活動を目指して取組み始めて5~6年経つがまだまだ課題もあり伸び代もあると感じている。 |
Q | 職場で無意識に行動してしまったり、安全に対する感度が鈍ってしまったりして、ケガが発生することがある。このような事態を未然に防ぎたい。安全に対する感度を高めるために、どのような取り組みを行っているか。 |
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A |
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Q | 5S実施の結果、労災は全く発生しなくなったのか。 |
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A |
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参加者からは、以下のような声が聞かれました。 | |
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ビールの製造ラインは、仕込工程、発酵熟成工程、ろ過工程、パッケージング工程まで、ほぼ完全に自動化されていました。ラインで人の姿を見かけることはほとんどありませんでしたが、見えないところで従業員が5S活動に徹底して取り組み、きれいで安全な職場環境を実現していることが分かりました。無人のラインの安全性を支える5S活動の重要性が参加各社に伝わった職場見学会でした。