リスク低減措置の検討を行う場合、法令に定められた事項がある場合には、それを必ず実施するとともに、リスクの高いものから優先的に検討を行うことになります。
その検討・実施にあたっての安全衛生対策の優先順位は以下のとおりです。
危険作業をなくしたり、見直したりして、仕事の計画段階からの除去又は低減の措置をとります。
機械・設備の防護板の設置・作業台の使用などの設備的対策を行います。
教育訓練・作業管理等の管理的対策を行います。
保護手袋など個人用保護具を使用します。
リスク低減措置の原則は、まず危険作業をなくしたり、見直したりすることでリスクを減らすことを検討することです。それらが難しいときは、設備的対策を検討し、さらに管理的対策を検討します。個人用保護具は最後の対策です。
次に大切なことは「リスク低減措置実施後の検証」です。目的どおりのリスクに下がったかどうか検証することは、リスクアセスメントの精度向上につながります。しかし、現状の技術上の制約等により、対応が困難な場合は、リスクが残り「残留リスク」となります。「残留リスク」については、直ちに、作業者に対して「決めごとを守るべき理由」「どんなリスクから身を守るか」等どのような残留リスクがあるかを周知し、「暫定措置」を実施し、設備改善等の恒久対策の検討・実施は、次年度の安全衛生管理計画などに反映させて、計画的に、解決を図ることが大切です。(別表3参照)