職場のあんぜんサイト

安全データシート
プロパン
作成日2006年04月29日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: プロパン
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03-1234-5678
緊急時の電話番号: 03-1234-5678
FAX番号: 03-1234-5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 液化石油ガスとして燃料用に用いられるほか,冷媒としても用いられる。化粧品原料(清浄用化粧品、頭髪化粧品、基礎化粧品、メークアップ化粧品、芳香化粧品、日焼け・日焼け止め化粧品、爪化粧品)
食品添加物;製造用剤

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 区分1
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 区分外
高圧ガス 液化ガス
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 分類対象外
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 分類対象外
自己発熱性化学品 分類対象外
水反応可燃性化学品 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 区分外
健康に対する有害性 急性毒性(経口) 分類対象外
急性毒性(経皮) 分類対象外
急性毒性(吸入:ガス) 区分外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
急性毒性(吸入:粉じん、ミスト) 分類対象外
皮膚腐食性・刺激性 区分外
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 分類できない
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 分類できない
生殖細胞変異原性 分類できない
発がん性 分類できない
生殖毒性 分類できない
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露)
区分3(麻酔作用)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露)
分類できない
吸引性呼吸器有害性 分類対象外
環境に対する有害性 水生環境急性有害性 分類できない
水生環境慢性有害性 分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル: 炎 ガスボンベ 感嘆符
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 極めて可燃性・引火性の高いガス
加圧ガス;熱すると爆発するおそれ
眠気又はめまいのおそれ
注意書き: 【安全対策】
熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
ガスを吸入しないこと。
【応急措置】
漏洩ガス火災:漏洩が安全に停止されない限り消火しないこと。安全に対処できるならば着火源を除去すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
【保管】
日光から遮断し、容器を密閉して換気の良いところで施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国/地域情報:

3.組成、成分情報
物質
化学名又は一般名: プロパン (Propane)
別名: (Dimethylmethane)
化学式: C3H8
化学特性 (化学式又は構造式):
CAS番号: 74-98-6
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
(2)-3
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 95%以上

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合: 皮膚を速やかに洗浄すること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
目に入った場合: 水で数分間、注意深く洗うこと。
眼の刺激が持続する場合、気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
飲み込んだ場合: 口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 吸入:し眠、意識喪失
皮膚に触れた場合:凍傷
眼に触れた場合:凍傷
最も重要な兆候及び症状:

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:二酸化炭素、粉末消火剤
大火災:散水、噴霧水
使ってはならない消火剤: 棒状注水
特有の危険有害性: 容易に発火するおそれがある。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
破裂したボンベが飛翔するおそれがある。
火災によって刺激性、又は毒性のガスを発生するおそれがある。
極めて引火性/可燃性の高いガス
特有の消火方法: 漏洩が安全に停止されない限り消火しないこと。
安全に対処できるならば着火源を除去すること。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
ガスの滞留しない場所で風上より消火し、漏洩防止処置を施す。
移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
漏洩部や安全装置に直接水をかけてはいけない。凍るおそれがある。
消火活動は、有効に行える十分な距離から行う。
周辺設備等の輻射熱による温度上昇を防止するため、水スプレーにより周辺を冷却する。
周辺及び漏洩状況から判断して消火すると危険が増すと考えられるときは火災の拡大延焼を防止するため周辺に噴霧散水しながら容器内のガスが無くなるまで燃焼させる。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器を含め完全な防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性の高い、不浸透性の保護衣を着用する。
風上に留まる。
低地から離れる
密閉された場所に立入る前に換気する。
ガスが拡散するまでその区域を立入禁止とする。
環境に対する注意事項: 情報なし
回収、中和: 情報なし
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
可能ならば、漏洩している容器を回転させ、液体でなく気体が放出するようにする。
蒸発を抑え、蒸気の拡散を防ぐため散水を行う。
下水溝、通気装置あるいは閉鎖場所から蒸気が拡散するのを防ぐ。
漏出物を取扱うとき用いる全ての設備は接地する。
この物質は蒸発させてもよい。
二次災害の防止策: すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
漏洩物又は漏洩源に直接水をかけない。
ガスが拡散するまでその場所を隔離する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項: 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
容器は丁寧に取り扱い、衝撃を与えたり、転倒させない。
使用後は、バルブを完全に閉め、口金キャップを取り付け、保護キャップを付ける。
漏洩すると、発火、爆発する危険性がある。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
ガスを吸入しないこと。
目や口に入ると刺激を受けることがあり、使用の際には十分気を付けること。
容器の取り付け、取り外しの作業の際は、漏洩させないよう、十分注意する。
多量に吸入すると、窒息する危険性がある。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 専用の高圧ガス容器に保管する。
容器は保安上使用開始後1年以内に、速やかに販売事業者に返却すること(高圧ガス保安協会指針)。
保管条件: 熱、火花、裸火のような着火源から離して保管すること。-禁煙。
着火源から離して保管すること。
換気の良い場所で保管すること。
酸化剤、酸素、爆発物、ハロゲン、圧縮空気、酸、塩基、食品化学品等から離して保管する。
容器は直射日光や火気を避け、40℃以下の温度で保管すること。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
施錠して保管すること。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
容器包装材料: 高圧ガス保安法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 設定されていない。
ACGIH(2005年版) TLV-TWA 1000ppm
設備対策: 防爆仕様の局所排気を設置する。
保護具
呼吸器の保護具: 適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具: 保温用手袋を着用すること。
眼の保護具: 眼、顔面用の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具: 適切な保護衣を着用すること。
衛生対策: 取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 無色の圧縮液化ガス 14)
臭い: 無臭 14)
pH: データなし
融点・凝固点: -189.7℃(融点) 14)
沸点、初留点及び沸騰範囲: -42℃(沸点) 14)
引火点: -104℃ 29)
爆発範囲: 下限 2.1vol%、上限 9.5vol% 14)
蒸気圧: 840kPa (20℃) 14)
蒸気密度(空気 = 1): 1.6 14)
比重(密度): 0.5853 (-45℃/4℃) 43)
溶解度: 62.4mg/L (25℃)(水) 18)
エーテル、エタノールに可溶 31)
オクタノール/水分配係数: log Pow = 2.35 14)
自然発火温度: 450℃ 14)
分解温度: データなし
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  データなし
粘度: 0.0081mPa・s (20℃) 16)
GHS分類
可燃性・引火性ガス: 空気との混合物が13%以下で引火性がある。
UNRTDG クラス2.1に分類されている。
極めて可燃性・引火性の高いガス(区分1)
高圧ガス: -50℃を超える温度で部分的に液体である。
(臨界温度は96.81℃ 2) で、-50℃を超えている。)
加圧ガス;熱すると爆発するおそれ(液化ガス)

10.安定性及び反応性
安定性: 高温の表面、火花又は裸火により発火する。
危険有害反応可能性: 酸素に富む物質(強酸化剤)と接触する場合、激しい反応により発火又は爆発が起こりうる。
避けるべき条件: 高温の物体、火花、裸火。
混触危険物質: 強酸化剤
危険有害な分解生成物: 火災時の燃焼により、一酸化炭素、二酸化炭素などの有害ガスが発生する。

11.有害性情報
急性毒性: 経口 情報なし
経皮 情報なし
吸入(ガス) モルモット LC50 >55000ppm/2H 10)
皮膚腐食性・刺激性: ヒトで皮膚刺激性を検討したところ反応はnegligibleであった 10)
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性: 情報なし
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:情報なし
皮膚感作性:情報なし
生殖細胞変異原性: in vitro 試験のデータのみ 10)
発がん性: データなし
生殖毒性: 情報なし
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
ヒトへの影響として麻酔作用を示す 10)
眠気及びめまいのおそれ(区分3)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
情報なし
吸引性呼吸器有害性: 常温で気体であり、分類対象外である。

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: 情報なし
水生環境慢性有害性: 情報なし

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 高圧ガスを廃棄する場合は、高圧ガス保安法一般高圧ガス保安規則の規定に従うこと。
汚染容器及び包装: 高圧ガスの容器を廃棄する場合は、製造業者等専門業者に回収を依頼すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 1978
Proper Shipping Name: PROPANE
Class: 2.1
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 1978
Proper Shipping Name: Propane
Class: 2.1
国内規制
陸上規制情報 高圧ガス保安法の規定に従う。
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 1978
品名: プロパン
クラス: 2.1
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 1978
品名: プロパン
クラス: 2.1
特別の安全対策 移動、転倒、衝撃、摩擦などを生じないように固定する。
運搬時には容器を40℃以下に保ち、特に夏場はシートをかけ温度上昇の防止に努める。
火気、熱気、直射日光に触れさせない。
鋼材部分と直接接触しないようにする。
重量物を上乗せしない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令
労働安全衛生法: 危険物・可燃性のガス
(施行令別表第1第4号)
高圧ガス保安法: 液化ガス
(法第2条3)
船舶安全法: 高圧ガス
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法 : 高圧ガス
(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
1) ICSC (2000)
2) Merck (Access on Jun 2005)
3) IMDG (2004)
4) ホンメル (1991)
5) SRC:KowWin (2005)
6) HSDB (Access on Jun 2005)
7) Lange (14th, 1992) p5.92
8) PATTY (4th, 1994)
9) IUCLID (2000)
10) ACGIH (7th, 2001)
11) RTECS (Access on Aug 2005)
12) HSFS (2000)
13) SITTIG (4th, 2002)
14) ICSC (J) (2003)
15) Chapman (2005)
16) Lange (14th, 1992) p5.119
17) GESTICS (2005)
18) Howard (1997) p52
19) Weiss (2nd, 1986)
20) DFGOT vol.10 (1998)
21) Verschueren (4th, 2003)
22) CERIハザードデータ集 (2000)
23) IARC 60 (1994)
24) SIDS (2004)
25) ECETOC TR48 (1992)
26) ATSDR (2002)
27) CaPSAR (1999)
28) SIAR (1997)
29) Sax (8th, 1992) p1553-1554
30) 日本産業衛生学会誌 (2005)
31) 有機化合物辞典 (1985) p878
32) IRIS (2005)
33) 環境省リスク評価第2巻 (2003)
34) ALGY学会(感)物質リスト(案)
35) EHC 55 (1985)
36) EU-AnnexI(2005)
37) 混触危険Hb (第2版, 1997) p141
38) NICNAS (2000)
39) U.S. NTP (2005)
40) IARC 60 (1994)
41) J Occup Health 45:137-139 (2003)
42) Eur Respr J. 25(1):201-204 (2005)
43) HODOC (2nd, 1989) p3568
44) NTP DB (Access on Sep 2005)
45) ケミカル総合DB (日本ケミカルデータベース株式会社)
46) IARC 65 (1996)
47) 溶剤ポケットブック (1996)
48) Ullmanns (E) (5th, 1995) A10: p45-47
49) IRIS (Access on Aug 2005)
50) CERI・NITE有害性評価書No.40 (2004)
51) 既存化学物質安全性点検データ
52) CERI・NITE有害性評価書 No.36 (2005)
53) NFPA (12th, 1997) p49-76
災害事例
(1) 国道の横断歩道橋脚に、LPガスタンクローリーが激突横転し、タンクの安全弁が折損し、LPガスが噴出、爆発・火災が起きた。
(2) ガスストーブ用のプロパンガスが漏れている箇所を捜そうと、マッチを点火して地下室の配管を点検していたとき、漏れて地下室に滞留していたプロパンガスが引火爆発した。
(3) 船倉のサンドブラスト作業を行うため、エアラインマスクを使用したが、マスクの接続を誤って隣設のLNG、プロパンの混合ガスのコックに接続し1名死亡した。