安全データシート
赤りん
作成日2006年04月15日
改定日2006年08月31日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: 赤りん
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03-1234-5678
緊急連絡電話番号: 03-1234-5678
FAX番号: 03-1234-5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: マッチ(側薬)、軽金属の脱酸、リン青銅の原料、医薬品、農薬などの原料及び製造

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性: 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 分類対象外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 区分2
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 区分外
自己発熱性化学品 区分外
水反応可燃性化学品 区分外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 区分外
健康に対する有害性: 急性毒性(経口) 区分外
急性毒性(経皮) 分類できない
急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
急性毒性(吸入:粉じん) 分類できない
急性毒性(吸入:ミスト) 分類対象外
皮膚腐食性・刺激性 分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 分類できない
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 区分外
生殖細胞変異原性 分類できない
発がん性 分類できない
生殖毒性 分類できない
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露)
分類できない
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露)
分類できない
吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境に対する有害性: 水生環境急性有害性 分類できない
水生環境慢性有害性 分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル: 炎 感嘆符 健康有害性  
注意喚起語: 警告
危険有害性情報: 可燃性固体
注意書き: 【安全対策】
静電気による引火を防止すること。
熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。
防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。
保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
【応急措置】
火災の場合には適切な消火方法をとること。
国/地域情報:

3.組成、成分情報
物質
化学名又は一般名: 赤りん (Red phosphorus)
別名:  
化学式: P
化学特性 (化学式又は構造式):  
CAS番号: 7723-14-0
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
なし
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 情報なし

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合: 皮膚を速やかに洗浄すること。
皮膚刺激が生じた場合、気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
目に入った場合: 水で数分間、注意深く洗うこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
飲み込んだ場合: 口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 毒性はほとんどない。不特定の経路で人に対して毒性あり。
最も重要な兆候及び症状:

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:二酸化炭素、粉末消火剤、砂、土、一般の泡消火剤
大火災:散水、噴霧水、通常の泡消火剤
使ってはならない消火剤: 情報なし
特有の危険有害性: 摩擦、熱、火花及び火炎で発火するおそれがある。
フレアー燃焼効果により速やかに燃焼するおそれがある。
爆発したり、爆発的な激しさで燃焼するおそれがある。
消火後再び発火するおそれがある。
火災によって刺激性、毒性、又は腐食性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法: 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器を含め完全な防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
風上に留まる。
低地から離れる。
環境に対する注意事項: 環境中に放出してはならない。
河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
回収、中和: 少量の場合、漏洩物は清潔な帯電防止工具を用いて集め、清潔な乾燥した容器に入れ、ゆるく覆いをし、後で廃棄処理する。
大量の場合、水で湿らせ、防護囲いをし、後で廃棄処理する。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策: すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
床面に残るとすべる危険性があるため、こまめに処理する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項: 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
粉じん、ヒュームを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 保管場所は壁、柱、床を耐火構造とし、かつ、はりを不燃材料で作ること。
保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。
保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
保管条件: 熱、火花、裸火のような着火源から離して保管すること。-禁煙。
酸化剤から離して保管する。
冷所、換気の良い場所で保管すること。
容器を密閉して保管すること。
施錠して保管すること。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
容器包装材料: 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 設定されていない。
ACGIH(2005年版) 設定されていない。
設備対策: 防爆の電気・換気・照明機器を使用すること。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
取扱いについては全体換気装置を設置した場所で行う。
保護具
呼吸器の保護具: 換気が不十分な場合は、適切な呼吸保護具を着用すること。
手の保護具: 適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具: 眼、顔面用の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具: 適切な顔面用の保護具を着用すること。
衛生対策: 取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 赤茶色ないしは暗赤色又は紫色の粉末 2)
臭い: データなし
pH: データなし
融点・凝固点: 590℃ (4300kPa)(融点) 2)
沸点、初留点及び沸騰範囲: 416℃(昇華)(沸点) 2)
引火点: データなし
爆発範囲: データなし
蒸気圧: 13Pa (193.6℃) 2)
蒸気密度(空気 = 1): 4.77 20)
比重(密度): 2.34 2)
溶解度: 不溶 2)
オクタノール/水分配係数: 該当しない
自然発火温度: 202℃ 3)
分解温度: データなし
臭いのしきい(閾)値: データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): 該当しない
燃焼性(固体、ガス):  データなし
粘度: 該当しない
GHS分類   
可燃性固体: UNRTDG クラス4.2 PG III に分類されている。
可燃性固体(区分2)

10.安定性及び反応性
安定性: 空気中で自然発火しない。
酸化物にさらしたり摩擦すると低温で発火する。
危険有害反応可能性: 塩素酸カリウムとの混合物は低温でも発火する。
避けるべき条件: 摩擦、衝撃、熱
混触危険物質: 塩素酸カリウム、クロロスルホン酸、酸化剤、酸化物、マグネシウムパークロレイト 

11.有害性情報
急性毒性: 経口 ラット LD50 >15000mg/kg 26) 
  区分外とした
経皮 データなし
吸入(蒸気) データなし
吸入(粉じん、ミスト) データなし
皮膚腐食性・刺激性: ウサギを用いたPatch-testで24時間適用によっても非刺激性であったとの記述がある 26) が、Priority1の出典に明確に有害性を否定する情報がないことから、分類できないとした。
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性: ウサギの眼刺激性試験では刺激性なしとの記述はあるが 26) 、ヒトへの影響として眼を刺激するとの記述 51) があり、データ不足のため分類できないとした。
呼吸器感作性: データなし
皮膚感作性: モルモットで皮膚感作性が認められなかったとの記述がある 26) が、Priority1の出典に明確に有害性を否定する情報がないことから、分類できないとした。
生殖細胞変異原性: データなし
発がん性: データなし
生殖毒性: データなし
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
データなし
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
データなし
吸引性呼吸器有害性: データなし

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: データがなく分類できない
水生環境慢性有害性: データがなく分類できない

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装: 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 1338
Proper Shipping Name: PHOSPHORUS, AMORPHOUS
Class: 4.1
Packing Group: III
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 1338
Proper Shipping Name: Phosphorus, amorphous
Packing Group: 4.1
Class: III
国内規制
陸上規制情報 消防法の規定に従う。
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 1338
品名: 赤りん(無定形のもの)
クラス: 4.1
容器等級: III
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 1338
品名: 赤りん(無定形のもの)
クラス: 4.1
容器等級: III
特別の安全対策 危険物は当該危険物が転落し、又は危険物を収納した運搬容器が落下し、転倒もしくは破損しないように積載すること。
危険物又は危険物を収納した容器が著しく摩擦又は動揺を起こさないように運搬すること。
危険物の運搬中、危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれがある場合には、災害を防止するための応急措置を講ずると共に、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること。
移送時にイエローカードの保持が必要。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。

15.適用法令
労働安全衛生法: 危険物・発火性の物
(施行令別表第1第2号)
消防法: 第2類可燃性固体、赤りん
(法第2条第7項危険物別表第1)
船舶安全法: 可燃性物質類・可燃性物質
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法: 可燃性物質類・可燃性物質
(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
1) ICSC (2005)
2) ホンメル (1991)
3) Weiss (2nd, 1986)
4) HSDB (2002)
5) 危険物DB (2nd, 1993)
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7) ACGIH (2001)
8) DFGOT vol.7 (1996)
9) RTECS (2003)
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12) Howard (1997) p76
13) UNRTDG (13th, 2004)
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22) BUA 1130 (1997)
23) TOXCENTER (Access on Feb 2005)
24) Sax (11th, 2004)
25) ECETOC TR66 (1995)
26) IUCLID (2000)
27) IARC (Suppl.7, 1987)
28) ACGIH (7th, 2004)
29) RTECS (Access on Aug 2005)
30) 産衛学会勧告 (2005)
31) IARC 23 (1980)
32) IRIS (1997)
33) EHC 75 (1987)
34) EHC(J) 164 (1996)
35) Renzo (3rd, 1986)
36) 溶剤ポケットブック (1997)
37) Lange (16th, 2005)
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39) 環境省リスク評価第1巻 (2002)
40) 混触危険ハンドブック (第2版, 1997)
41) ATSDR (2005)
42) BSDB (2005)
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44) J Occup Health 45:137-139 (2003)
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46) DFGOT vol.20 (2005)
47) NICNAS (2000)
48) EU Annex I (2005)
49) Lide (85th, 2004)
50) EU-RAR (2004)
51) HSDB (Access on Jun 2005)
52) ICSC (J) (2000)
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54) ESIS Data Base (2005)
55) Dean (15th, Ed.)
56) ATSDR (1997)
57) CERI・NITE有害性評価書 No.57 (2005)
58) CERI・NITE有害性評価書 No.37 (2004)
59) NFPA (12th, 1997)
60) 有機化合物辞典 (1985)
61) SIDS (2005)
62) IPCS (2004)
63) HSFS (1999)
64) 有機化学辞典 (1985)
65) IRIS (1981)
66) NTP TR517 (2004)
67) 農薬登録申請資料 (1973)
68) 農薬登録申請資料 (1990)
69) Handbook of pesticide toxicology (1991)
70) SITTIG (4th, 2002)
71) 神奈川県化学物質安全情報提供システム (kis-net)
72) HODOC (2nd, 1989)
災害事例
(1) 殺鼠剤製造作業中、赤りん中に含まれている黄リン蒸気にさらされ、黄りん中毒を起こした。