職場のあんぜんサイト

安全データシート
重クロム酸
作成日 2008年10月29日
改訂日
1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称重クロム酸 (Dichromic acid)
製品コード20B1253
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
緊急時の電話番号03-1234-5678
FAX番号03-1234-5678
メールアドレス    
推奨用途及び使用上の制限酸化剤、メッキ、触媒、写真、顔料、皮なめし、染料、染色剤、金属表面処理(クロメート)
 

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日2007/3/15 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用
物理化学的危険性火薬類 分類対象外
 可燃性・引火性ガス 分類対象外
 可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
 支燃性・酸化性ガス類 分類対象外
 高圧ガス 分類対象外
 引火性液体 区分外
 可燃性固体 分類対象外
 自己反応性化学品 分類対象外
 自然発火性液体 区分外
 自然発火性固体 分類対象外
 自己発熱性化学品 区分外
 水反応可燃性化学品 区分外
 酸化性液体 分類できない
 酸化性固体 分類対象外
 有機過酸化物 分類対象外
 金属腐食性物質 分類できない
健康に対する有害性急性毒性(経口) 分類できない
 急性毒性(経皮) 分類できない
 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
 急性毒性(吸入:粉じん) 分類対象外
 急性毒性(吸入:ミスト) 分類できない
 皮膚腐食性・刺激性 区分1A-1C
 眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分1
 呼吸器感作性 区分1
 皮膚感作性 区分1
 生殖細胞変異原性 区分2
 発がん性 区分1A
 生殖毒性 分類できない
 特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) 区分1(腎臓 肝臓 呼吸器系 )
 特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) 区分1(肝臓 腎臓 呼吸器系 )
 吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境に対する有害性水生環境急性有害性 分類できない
 水生環境慢性有害性 分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル腐食性健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
 吸入するとアレルギー、ぜん(喘)息又は呼吸困難を起こすおそれ
 アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ
 遺伝性疾患のおそれの疑い
 発がんのおそれ
 肝臓、呼吸器系、腎臓の障害
 長期又は反復ばく露による肝臓、呼吸器系、腎臓の障害
注意書き
 【安全対策】
 使用前に取扱説明書を入手すること。
 すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
 指定された個人用保護具を使用すること。
 取扱い後はよく手を洗うこと。
 保護手袋、保護衣を着用すること。
 保護眼鏡、保護面を着用すること。
 ミスト、ヒューム、蒸気、スプレーの吸入をしないこと。
 換気が十分でない場合には、適切な呼吸用保護具を着用すること。
 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
 【応急措置】
 皮膚又は毛に付着した場合、直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぎ又は取り除くこと。皮膚を流水又はシャワーで洗うこと。
 皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。
 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
 眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 飲み込んだ場合、口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
 吸入した場合、呼吸が困難な場合には、新鮮な空気のある場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
 飲み込んだ場合、皮膚(または髪)に付着した場合、吸入した場合、眼に入った場合は、ただちに医師に連絡すること。
 眼に入った場合、ただちに医師に連絡すること。
 呼吸に関する症状が出た場合には、医師に連絡すること。
 皮膚に付着した場合、皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。
 ばく露した場合:医師に連絡すること。
 ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
 【保管】
 施錠して保管すること。
 【廃棄】
 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国・地域情報
 

3.組成及び成分情報
化学物質
化学名又は一般名重クロム酸
別名二クロム酸、Bichromic acid
分子式(分子量)H2Cr2O7(218.00)
化学特性(示性式又は構造式)示性式又は構造式:20B1253
CAS番号:13530-68-2
官報公示整理番号(化審法・安衛法)化審法:
安衛法:
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし
濃度又は濃度範囲100%
 

4.応急措置
吸入した場合医師に連絡すること。
 呼吸が困難な場合には、新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
 呼吸に関する症状が出た場合には、医師に連絡すること。
 気分が悪い時は、医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。
 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
 皮膚に付着した場合、皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。
 気分が悪い時は、医師に連絡すること。
 多量の水と石鹸で洗うこと。
 直ちに医師に連絡すること。
目に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 気分が悪い時は、医師に連絡すること。
 直ちに医師に連絡すること。
 眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
 気分が悪い時は、医師に連絡すること。
 医師に連絡すること。
予想される急性症状及び遅発性症状データなし
最も重要な兆候及び症状データなし
応急措置をする者の保護データなし
医師に対する特別注意事項データなし
 

5.火災時の措置
消火剤水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類
使ってはならない消火剤棒状放水
特有の危険有害性火災によって刺激性、腐食性及び/又は毒性のガスを発生するおそれがある。
 不燃性であり、それ自身は燃えないが、加熱されると分解して、腐食性及び/又は毒性の煙霧を発生するおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ火災区域から容器を移動する。
 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。
 

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具および緊急措置直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
 関係者以外の立入りを禁止する。
 作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
 立ち入る前に、密閉された場所を換気する。
環境に対する注意事項環境中に放出してはならない。
回収・中和乾燥した土、砂あるいは不燃性物質で吸収し、あるいは覆って容器に移す。
 不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。
 掬い取るか、適切な吸収材によって水表面から除去する。分散剤を使用してはならない。
封じ込め及び浄化方法・機材物質を吸込み又は掃き取って廃棄用容器に入れること。
二次災害の防止策可燃物(木、紙、油等)は漏洩物から隔離する。
 

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項使用前に使用説明書を入手すること。
 すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
 取扱い後はよく手を洗うこと。
 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
 眼に入れないこと。
 皮膚と接触しないこと。
 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
接触回避データなし
保管
技術的対策特別に技術的対策は必要としない。
混触危険物質データなし
保管条件容器を密閉して冷乾所にて保存すること。
 施錠して保管すること。
容器包装材料データなし
 

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度クロムとして0.05mg/m3
許容濃度(ばく露限界値、生物学的ばく露指標)
日本産衛学会(2007年版)クロムとして0.05mg/m3 (六価)
ACGIH(2007年版)クロムとして0.05mg/m3 (Water soluble VI compounds)            
設備対策この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
 高熱取扱いで、工程でミストが発生するときは、空気汚染物質を管理濃度・許容濃度以下に保つために換気装置を設置する。
 高熱取扱いで、工程でガスが発生するときは、空気汚染物質を管理濃度・許容濃度以下に保つために換気装置を設置する。
 高熱取扱いで、工程でミストが発生するときは、換気装置を設置する。
 高熱取扱いで、工程でガスが発生するときは、換気装置を設置する。
 空気中の濃度を制御するには、一般適正換気で十分である。
 特別な換気要求事項はない。
 本製品を貯蔵又は使用する設備は、眼洗浄施設及び安全シャワーを設置したほうがよい。
保護具
呼吸器の保護具適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣を着用すること。
衛生対策取扱い後はよく手を洗うこと。
 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
 

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状液体
データなし
臭いデータなし
pHデータなし
融点・凝固点データなし
沸点、初留点及び沸騰範囲データなし
引火点データなし
自然発火温度データなし
燃焼性(固体、ガス)データなし
爆発範囲データなし
蒸気圧データなし
蒸気密度データなし
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし
比重(密度)データなし
溶解度データなし
オクタノール・水分配係数データなし
分解温度データなし
粘度データなし
粉じん爆発下限濃度データなし
最小発火エネルギーデータなし
体積抵抗率(導電率)データなし
 

10.安定性及び反応性
安定性法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる
危険有害反応可能性データなし
避けるべき条件データなし
避けるべき条件データなし
危険有害な分解生成物データなし
 

11.有害性情報
急性毒性 
経口データなし
経皮データなし
吸入吸入(ガス):GHSの定義における液体。
 吸入(蒸気):データなし
 吸入(ミスト):データなし
皮膚腐食性・刺激性クロム酸の皮膚の影響として「刺激性あるいは腐食性」を示すとの記述(IRIS(1998), DHP(13th, 2002))があること、ならびに類似化合物の二クロム酸カリウム(ID262, CAS: 7778-50-9)が区分1に分類されていることから、区分1A−1Cとした。なお、本データからの細区分は困難である。
眼に対する重篤な損傷・刺激性高水溶性の六価クロム化合物はヒトの眼を損傷するとの記述(EU-RAR, 2002)、ならびに皮膚腐食性(区分1)から、区分1とした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性呼吸器感作性:本物質自身に関する報告はないが、日本産業衛生学会において、クロム及びクロム化合物を「第2群(人間に対しておそらく感作性があると考えられる物質)」に、日本職業・環境アレルギー学会特設委員会において、クロムを呼吸器感作性がある物質に分類していることから、本物質は呼吸器感作性を有すると考え、区分1とした。  
皮膚感作性:本物質自身に関する報告はないが、日本産業衛生学会において、クロム及びクロム化合物を「第1群(人間に対して明らかに感作性がある物質)」に分類していることから、本物質は皮膚感作性を有すると考え、区分1とした。
生殖細胞変異原性本物質のデータはないが、高水溶性六価クロム化合物については、in vivoにおける変異原性知見が示されている(NTP RoC(11th, 2005), IARC49(1990), EU-RAR (2005))ことから、区分2とした。なお、二クロム酸カリウム(ID262, CAS: 7778-50-9)は優性致死試験陽性から区分1Bに、重クロム酸ナトリウム(ID260、CAS: 10588-01-9、二クロム酸ナトリウム)はin vivo小核試験等の陽性から区分2に分類されている。
発がん性六価のクロム化合物として、NTP(2005)でK(Chromium hexavalent (VI) compounds)、IARC(1990)でgroup 1(Chromium (VI))、EPA(1986)でA(Chromium (VI), Inhalation route)と分類されていることから、区分1Aとした。
生殖毒性データなし。なお、六価のクロム化合物の生殖毒性については、二クロム酸カリウム(ID262、CAS: 7778-50-9、区分1Bに分類)を参照のこと。
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)本物質のデータはないが、Priority 1の文書中、水溶性六価クロム化合物は肝臓、腎臓、呼吸器に影響を与えるとある(ACGIH-TLV(2005))ことから、区分1(呼吸器系、腎臓、肝臓)とした。
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)本物質のデータはないが、Proiority 1の文書中、水溶性六価クロム化合物は肝臓、腎臓、呼吸器に影響を与えるとあること(ACGIH-TLV(2005))から、区分1(呼吸器系、腎臓、肝臓)とした。
吸引性呼吸器有害性データなし
 

12.環境影響情報
水生環境急性有害性データ不足のため分類できない。
水生環境慢性有害性データ不足のため分類できない。
 

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
 

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報IMOの規制に従う。
航空規制情報ICAO/IATAの規制に従う。
UNNo.1755
ProperShippingName.chlomic acid, solution
Class8
 (注意:物質純度に応じて、複数の国連番号あり)
国内規制
陸上規制情報毒劇法の規制に従う。
海上規制情報船舶安全法の規制に従う。
航空規制情報航空法の規制に従う。
 
特別安全対策移送時にイエローカードの保持が必要。
 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
 重量物を上積みしない。
 

15.適用法令
労働安全衛生法特定化学物質第2類物質、管理第2類物質(特定化学物質等障害予防規則第2条第1項第2,5号)
 作業環境評価基準(法第65条の2第1項)
 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
 特定化学物質特別管理物質(特定化学物質等障害予防規則第38条3)
毒物及び劇物取締法劇物(法第2条別表第2)(政令番号:2-48)
大気汚染防止法優先取組物質 (中央環境審議会答申)
水質汚濁防止法有害物質(法第2条、令第2条、排水基準を定める省令第1条)
 生活環境汚染項目(法第2条、施行令第3条、排水基準を定める省令第1条別表第2)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第1種指定化学物質、特定第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1、施行令第4条)(政令番号:1-69)
船舶安全法腐食性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)
航空法酸化性物質類・酸化性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)
港則法危険物・腐食性物質(法第21条2、則第12条、昭和54告示547別表二ロ)
労働基準法疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条・別表第1の2第4号1・昭53労告36号)
 がん原性化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第7号)
 

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。