| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | 酸化銅(I) | ||
| 化学品の英語名称 | Copper (I) oxide | ||
| 製品コード | R06-C-117-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 船底塗料・漁網防汚塗料・窯業用釉薬・フェライト・銅合金・農薬原料,電子部品材料(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和6年度(2024年度)、ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) ※一部、平成20年度(2008年度)、ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分4 | |
| 急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト) | 区分4 | ||
| 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(全身)、区分3(気道刺激性) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 平成20年度(2008年度)、ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 危険 | ||
| 危険有害性情報 | 飲み込むと有害 吸入すると有害 重篤な眼の損傷 全身の障害 呼吸器への刺激のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
| 応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 口をすすぐこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 漏出物を回収すること。 | ||
| 保管 | 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | 酸化銅(I) | ||
| 慣用名又は別名 | 亜酸化銅 | ||
| 英語名 | Copper (I) oxide | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | Cu2O (143) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 1317-39-1 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | 1-297 | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で安静にさせる。医師に連絡すること。 気分が悪い時や呼吸に関する症状が現れた場合は、医師の診察/手当てを受けること。 意識がないが呼吸がある場合は、横向きに安定した姿勢で寝かせ、低体温症から保護する。 呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。 皮膚に付着した部分を流水またはシャワーで洗い流したのち、水と石けん(鹸)で丁寧に洗浄する。 すべての場合に刺激が現れたり、大量の接触に続いている場合: 治療を手配すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合は医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。 直ちに医師に連絡すること。 意識がある場合は、コップ1〜2杯の水を飲ませる。 自然嘔吐の場合は、嘔吐物が呼吸器に侵入するのを防ぐため、頭を胸より低くし、うつぶせの姿勢にする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 急性: 粘膜への刺激性および組織損傷の影響。本物質は眼に対して、腐食性を示す。 本物質は、気道および消化管を刺激する。 フュームを吸入すると、金属フューム熱を引き起こすことがある。 高濃度でばく露すると、腎臓および肝機能障害を引き起こすことがある。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 慢性: 粉じん粒子への反復または長期のばく露により、肺が冒されることがある。肝臓の機能障害の可能性がある。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 不燃性である。他の使用する物質に応じて、火災および爆発防止対策を選択すること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 特有の消火方法 | 流出水が排水システムに入らないようにすること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 周囲を換気し、こぼれた場所を洗浄する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 環境への放出を避けること。 容器とパイプラインにラベルを貼ること。 水、排水、下水、または地中への浸透を防ぐ。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 個人用保護具:空気中濃度に応じた粒子用フィルター付マスク、安全ゴーグルおよび保護手袋。 この物質を環境中に放出してはならない。 こぼれた物質を密閉容器内に収集する。 湿らせてもよい場合は、粉じんを避けるために湿らせてから掃き入れる。 漏出物を回収すること。 廃棄物を流し台に置かないこと、ゴミ箱に入れないこと。 収集容器にはラベルを貼ること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する 粉じんを発生させないこと。避けられない粉じんの発生は、定期的に収集すること。 掃除中に粉じんを起こさないこと。 清掃にブロワーを使用しないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 作業場を清潔で乾燥した状態に保つように注意すること。 容器を開けたままにしないこと。 補充、移し替え、または開放使用のためには、十分な換気を確保する必要がある。 こぼれないようにすること。 ラベルの付いた容器にのみ注入すること。 粉じんを発生させないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 接触回避 | 感染性、放射性、爆発性の物質 ガス 自然発火性物質 水と接触した可燃性ガスを放出する物質 硝酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムを含有する製剤 有機過酸化物および自己反応性物質 危険な化学反応が起こりうる物質と一緒に保管しない。 アルミニウムとの接触禁止。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 衛生対策 | この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 眼、皮膚、衣類への接触を避けること。眼に入った場合は、影響を受けた眼を洗い流す。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 使用後は手を洗うこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 アルミニウムから離しておく。 排水溝のない場で貯蔵する。 容器にはラベルを貼付すること。 できるだけ元の容器に保管すること。 密閉すること。 乾燥した場所に保管すること。 物質は空気に敏感なため、空気/酸素から保護する。 湿気から保護すること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | - | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | (吸入性粉じん) 2 mg/m3 (総粉じん) 8 mg/m3 (第3種粉じん) | |||
| ACGIH (2024年版) | TLV-TWA:1 mg/m3 (Copper, dusts and mists, as Cu) 0.2 mg/m3 (Copper, fume, as Cu) | |||
| 設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器または局所換気装置を使用する。 作業場をでの洗浄設備を設置する。 洗眼設備を設置し、標識を付ける。 作業場をの換気を良好に保つこと。 床に排水溝を設置しない。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 緊急時には、呼吸保護具を着用する。 フィルター装置の使用限界を超える濃度、体積18%未満の酸素濃度、または不明な状況では、絶縁装置を使用すること。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 手の保護具 | 耐性のある保護手袋の使用を推奨する。 置換削除必要に応じて適切な不浸透性の保護手袋を使用すること。 ポリクロロプレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、FKM、およびポリ塩化ビニルは、未溶解の固形物から保護するための手袋材料として適している。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 眼の保護具 | 必要に応じて安全眼鏡、保護面、安全ゴーグルなどの眼用保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 身体の保護リスクに応じて、適切な防護服または適切な化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 固体 | ||
| 色 | 黄色〜赤茶色 | ||
| 臭い | データなし | ||
| 融点/凝固点 | 1,232 ℃ (GESTIS (2024)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
| 可燃性 | 不燃性 (GESTIS (2024)) | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | データなし | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | > 1,800 ℃ (GESTIS (2024)) | ||
| pH | データなし | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:不溶 (GESTIS (2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
| 蒸気圧 | データなし | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 6 g/cm3 (25℃) (GESTIS (2024)) | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 不燃性。 アルミニウムと接触すると、火災および爆発の危険性がある。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 混触危険物質 | 接触すると爆発の危険性: 過ギ酸 以上、GESTIS参照。 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | ラットの試験でLD50値は470mg/kg bw(EHC 200(1998))、1340mg/kg bw(OECD TG 401)(IUCLID(2000))といずれも区分4に該当している。 | |||
| 経皮 | ラットの試験でLD50値は>2000mg/kg bw(OECD TG 402 GLP)(IUCLID(2000))はJIS分類基準の区分に該当しない(国連分類基準の区分5)である。 | |||
| 吸入: ガス | GHS定義における固体である。 | |||
| 吸入: 蒸気 | データなし。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | ラットの試験でLC50値はca.5mg/L(OECD TG 403 GLP)(IUCLID(2000))、>50mg/L(OECD TG 403 GLP)(IUCLID(2000))のデータがあるが、危険性の高い区分4とした。(飽和蒸気圧濃度は5.7×10-7mg/L以下である。) | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ウサギの試験(OECD TG 404 GLP)でnot irritating(IUCLID(2000))の結果から、区分に該当しないとした。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)より区分1とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した(2024年度)。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n= 3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG405、GLP:原体0.1 g、非洗浄、観察期間:21日間)では、眼刺激性影響が認められた(24/48/72hの3匹全体(個体別)の平均スコア:角膜混濁 2.0(2.0/2.0/2.0)、虹彩病変 1.0(1/1/1)、結膜発赤 2.7(2.7/2.7/2.7)、結膜浮腫 2.3(2/3/2))。結膜への影響は7日後にも2例で、角膜混濁は21日後も1例で持続していた。また、1例で回復した虹彩炎の再燃が21日後にみられた。ECHA RACにより影響の一部は非可逆的であると判断された(RAC Opinion (2014)、ECHA CHEM (Accessed Aug. 2024))。 【参考データ等】 (2)ウサギ(n= 9)を用いた眼刺激性試験(OECD TG405、GLP:原体0.1 g、洗眼群3匹、非洗眼群6匹、観察期間17日間)において、非洗眼群の24/48/72hの6匹全体の平均スコアは角膜混濁 0.4、虹彩スコア 0、結膜発赤 0.9、結膜浮腫 0.9で、観察期間内に回復性がみられた(同上)。 (3)ウサギ(3匹(原体)+3匹(希釈液))を用いた眼刺激性試験(OECD TG405、GLP:原体0.1 g、又は10%水溶液 0.1 mL、10日間観察)において、原体適用群の24/48/72hの3匹全体の平均スコアは角膜混濁0、虹彩スコア0、結膜発赤2、結膜浮腫1.6で、結膜刺激影響と角膜混濁は10日後まで持続してみられた(同上)。 (4)EUでは Eye Dam. 1に分類されている(CLP分類(Accessed Aug. 2024))。 | |||
| 呼吸器感作性 | データなし。 | |||
| 皮膚感作性 | モルモットのMaximization test(OECD TG 406)で not sensitizing の結果(IUCLID(2000))があるが、他に区分に該当しないとするだけのデータがなくデータ不足により分類できないとした。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | データなし。 | |||
| 発がん性 | データなし。 | |||
| 生殖毒性 | 疫学情報として、電気的な銅の精錬作業者にsexual impotenceが観察された(DFGOT Vol. 22(2006))、子宮内で使用される銅で製作された医療器具が未分化胚芽細胞の発生及び着床阻害の可能性(DFGOT Vol. 22(2006))の報告があるが、金属銅か酸化銅によるものかの記述はない。これらのデータでのみでは酸化銅(I)毒性の評価には情報不足で分類できない。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 銅の精錬または銅の溶接工程で銅ヒュームの吸入による上気道刺激で悪寒、筋肉痛ともなう典型的な金属ヒューム熱を引き起こす可能性があり、銅ヒューム熱になった多数の作業者の血清中の平均銅濃度は1.26mg/lであった(HSDB(2003))。電気トーチによる真鍮パイプの切断作業者に金属ヒューム熱を引き起こし、症状は発熱、呼吸困難、悪寒、頭痛、吐き気であった(HSDB(2003))。銅ヒュームの吸入は上気道を刺激し、インフルエンザ様の症状を示す金属ヒューム熱を引き起こし、症状としては発熱、悪寒、咳、疲労感などがあり、白血球の上昇(後遺症がなく、通常は」早期に回復する)が認められる(HSDB(2003))。これらの疫学情報には、銅酸化銅(I)が原因との具体的な記述はないが、銅ヒューム中には銅酸化銅(I)の存在も推定されることから、区分1(全身)、区分3(気道刺激性)とした。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | ラットの14週の吸入試験で0.004mg/L/6H のばく露で血清成分(e.g. TP, bilirubin, cholesterol)の変化及び赤血球数の変化が観察され(RTECS(2008))、ガイダンス値区分1の範囲で血液への影響が疑われるが詳細情報は記載されていない。これらの試験データ以外に適切な情報がなく、データ不足で分類できない。 | |||
| 誤えん有害性* | データなし。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)での48h-EC50=0.026mg/L(EHC 200 1998)であることから、区分1とした。 | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 金属化合物であり、急速分解性は無いと考えられ、急性分類が区分1であることから、区分1とした。 | ||
| 残留性・分解性 | - | ||
| 生態蓄積性 | - | ||
| 土壌中の移動性 | - | ||
| オゾン層への有害性 | - | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 3077 | |||
| 品名(国連輸送名) | 環境有害物質、固体、他に品名が明示されていないもの | |||
| 国連分類 | 9 | |||
| 副次危険 | - | |||
| 容器等級 | III | |||
| 海洋汚染物質 | 該当する | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 該当しない | |||
| 航空規制情報 | 該当しない | |||
| 陸上規制情報 | 該当しない | |||
| 特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 171 | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【379 銅及びその化合物】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年4月1日以降) 【22 銅及びその化合物】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【379 銅及びその化合物】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9) 【22 銅及びその化合物】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | - | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 水道法 | 水質基準(平15省令101号) 【35 銅及びその化合物】 | |||
| 水質汚濁防止法 | 指定物質(法第2条第4項、施行令第3条の3) 【53 銅及びその化合物】 | |||
| 大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) 【128 銅及びその化合物】 | |||
| 下水道法 | 水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)【29 銅及びその化合物】 | |||
| 船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
| 16.その他の情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||