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安全データシート
酸化ベリリウム
作成日 2008年10月28日
改訂日
1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称酸化ベリリウム (Beryllium oxide)
製品コード20B0485
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
緊急時の電話番号03-1234-5678
FAX番号03-1234-5678
メールアドレス    
推奨用途及び使用上の制限電子工業材料(半導体) 触媒 原子炉 セラミックス原料
 

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日H18.8.22 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用
物理化学的危険性火薬類 分類対象外
 可燃性・引火性ガス 分類対象外
 可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
 支燃性・酸化性ガス類 分類対象外
 高圧ガス 分類対象外
 引火性液体 分類対象外
 可燃性固体 区分外
 自己反応性化学品 分類対象外
 自然発火性液体 分類対象外
 自然発火性固体 区分外
 自己発熱性化学品 区分外
 水反応可燃性化学品 区分外
 酸化性液体 分類対象外
 酸化性固体 分類できない
 有機過酸化物 分類対象外
 金属腐食性物質 分類できない
健康に対する有害性急性毒性(経口) 分類できない
 急性毒性(経皮) 分類できない
 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
 急性毒性(吸入:粉じん) 分類できない
 急性毒性(吸入:ミスト) 分類対象外
 皮膚腐食性・刺激性 区分2
 眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分2A
 呼吸器感作性 分類できない
 皮膚感作性 分類できない
 生殖細胞変異原性 分類できない
 発がん性 区分1A
 生殖毒性 区分2
 特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) 区分1(呼吸器 )
 特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) 区分1(呼吸器 血液系 )
 吸引性呼吸器有害性 区分2
環境に対する有害性水生環境急性有害性 分類できない
 水生環境慢性有害性 分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル感嘆符健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報皮膚刺激
 強い眼刺激
 発がんのおそれ
 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
 呼吸器の障害
 長期又は反復ばく露による血液系、呼吸器の障害
 飲み込み、気道に侵入すると有害のおそれ
注意書き
 【安全対策】
 使用前に取扱説明書を入手すること。
 すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
 適切な保護手袋を着用すること。
 適切な保護眼鏡、保護面を着用すること。
 適切な個人用保護具を使用すること。
 粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
 取扱い後はよく手を洗うこと。
 【応急措置】
 飲み込んだ場合、無理に吐かせないこと。
 飲み込んだ場合、直ちに医師に連絡すること。
 皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。
 皮膚に付着した場合、皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを求めること。
 皮膚に付着した場合、汚染された衣類を脱ぐこと。
 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
 眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 眼に入った場合、眼の刺激が持続する場合は医師の診断、手当てを受けること。
 ばく露した場合:医師に連絡すること。
 ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
 【保管】
 施錠して保管すること。
 【廃棄】
 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国・地域情報
 

3.組成及び成分情報
化学物質
化学名又は一般名酸化ベリリウム
別名
分子式(分子量)BeO  (25.011)
化学特性(示性式又は構造式)示性式又は構造式:20B0485
CAS番号:1304-56-9
官報公示整理番号(化審法・安衛法)(1)-94
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし
濃度又は濃度範囲100%
 

4.応急措置
吸入した場合気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚に付着した場合多量の水と石鹸で洗うこと。
 皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。
 汚染された衣類を脱ぐこと。
 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
目に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。
 無理に吐かせないこと。
 直ちに医師に連絡すること。
予想される急性症状及び遅発性症状吸入 : 咳、息切れ、咽頭痛。症状は遅れて現われることがある。
 皮膚 : 発赤。
 眼 : 発赤、痛み。
最も重要な兆候及び症状大量の短期ばく露により生ずる急性肺炎の症状は3日経過するまで現われない。
応急措置をする者の保護データなし
医師に対する特別注意事項データなし
 

5.火災時の措置
消火剤水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類
使ってはならない消火剤棒状放水
特有の危険有害性不燃性であり、それ自身は燃えないが、加熱されると分解して、腐食性及び/又は毒性の煙霧を発生するおそれがある。
 消火水は汚染を引き起こすおそれがある。
特有の消火方法移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。
 

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具および緊急措置作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
 関係者以外の立入りを禁止する。
 密閉された場所に立入る前に換気する。
環境に対する注意事項環境中に放出してはならない。
回収・中和漏洩物を掃き集めて密閉できる空容器に回収し、後で廃棄処理する。
封じ込め及び浄化方法・機材水で湿らせ、空気中のダストを減らし分散を防ぐ。
二次災害の防止策プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。
 

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項使用前に使用説明書を入手すること。
 すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
 取扱い後はよく手を洗うこと。
 粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
 飲み込みを避けること。
 皮膚と接触しないこと。
 眼に入れないこと。
 排気用の換気を行うこと。
接触回避データなし
保管
技術的対策特別に技術的対策は必要としない。
混触危険物質データなし
保管条件容器を密閉して保管すること。
 施錠して保管すること。
容器包装材料データなし
 

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度0.002mg/m3(Beとして)
許容濃度(ばく露限界値、生物学的ばく露指標)
日本産衛学会(2007年版)0.002mg/m3(Beとして)
ACGIH(2007年版)TWA (0.002 mg/m3) (Beとして) STEL (0.01 mg/m3) (Beとして)
設備対策この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
 ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。
保護具
呼吸器の保護具適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣を着用すること。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
 取扱い後はよく手を洗うこと。
 

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状固体(結晶)
白色
臭いデータなし
pHデータなし
融点・凝固点2530℃ : NITE総合検索 (Access on Aug. 2008)
沸点、初留点及び沸騰範囲約3000℃ : NITE総合検索 (Access on Aug. 2008)
引火点データなし
自然発火温度データなし
燃焼性(固体、ガス)不燃性 : ICSC (2004)
爆発範囲データなし
蒸気圧データなし
蒸気密度データなし
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし
比重(密度)3.01 : NITE総合検索 (Access on Aug. 2008)
溶解度水に不溶 (20℃): ICSC (2004)
 0.02mg/L (30℃) : NITE総合検索 (Access on Aug. 2008)
オクタノール・水分配係数データなし
分解温度データなし
粘度データなし
粉じん爆発下限濃度データなし
最小発火エネルギーデータなし
体積抵抗率(導電率)データなし
 

10.安定性及び反応性
安定性法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる
危険有害反応可能性データなし
避けるべき条件加熱、粉じんの拡散
混触危険物質データなし
危険有害な分解生成物加熱すると、有毒なヒュームを生じる。
 

11.有害性情報
急性毒性 
経口データなし
経皮データなし
吸入吸入(ガス):GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
 吸入(蒸気):データなし
 吸入(粉じん):データなし
皮膚腐食性・刺激性HSDB (2006) のヒト疫学事例に「皮膚と眼にやけどを起こす」とあり、ICSC (2000) に「発赤」とあることから、皮膚に刺激性を示すと考えられ、区分2とした。
眼に対する重篤な損傷・刺激性HSDB (2006) のヒト疫学事例に「皮膚と眼にやけどを起こす」とあり、ICSC (2000) に「発赤、痛み」とあることから、眼に刺激性を示すと考えられ、区分2Aとした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性呼吸器感作性:データなし 
皮膚感作性:  データなし
生殖細胞変異原性データ不足 (in vivoデータなし) のため分類できない。 なお、ベリリウム化合物の生殖変異原性については、ID487、硫酸ベリリウム、CAS:7787-56-6も参照のこと。
発がん性NTP (2005) でK (Beryllium (CAS 7440-41-7) and Beryllium Compounds)、IARC (1993) で1 (BERYLLIUM AND BERYLLIUM COMPOUNDS) に分類されていることから、区分1Aとした。 
生殖毒性ATSDR (2002)、CICAD 32 (2001)の記述から、親動物の一般毒性についての記述はないが、胎児に奇形や死亡がみられていることによる。
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)実験動物については、「肺の間質での単核球の増加や肺胞中隔の肥厚を特徴とする炎症像が明らかとなった。....II型細胞または肺胞上皮細胞への細胞障害性を示している」(ATSDR (2002))、「いくつかの肉芽病巣がラット肺に見られた」(EHC 106 (1990))等の記述があることから、呼吸器が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(呼吸器)とした。
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)ヒトについては、「5人の工場労働者は胸部異常陰影、非乾酪化肉芽、呼吸器線維化を示した」、「5人の工場労働者は一貫してBeLPT試験で異常が認められ肉芽形成より慢性ベリリウム症と診断された」(ATSDR (2002))、「疫学調査で、フッ化、硫化、塩化、酸化、水酸化ベリリウム、及び金属ベリリウム粉じんばく露による急性呼吸器症状であることが明確に証明された(EHC 106 (1990))、「肺生検標本に肉芽を証明することで慢性ベリリウム症と診断した」、「労働者には画像上の肺門腺症や、生検標本で証明される非乾酪化肉芽症及び線維化症や一酸化炭素拡散能の減少をともなう一般的な慢性ベリリウム症が見られた」(IRIS (1998))等の記述、実験動物については、「鬱血、肺気腫、及び肺炎が認められた(弱い症状としては・・・、大球性貧血・・・等が見られた」、「肺の炎症と線維化が見られた」(ATSDR (2002))等の記述があることから、呼吸器、血液系が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(呼吸器、血液系)とした。
吸引性呼吸器有害性「粉じんを吸入すると、化学肺炎を起こすことがある」(ICSC (J) (2000))との記載がある。 「技術指針中の「なお、金属製粉体なども吸入により化学性肺炎を起すことがあり、ICSCカードを参考にすれば、重要データに「粉じん/ヒュームを吸入すると、化学性肺炎を起こすことがある」と記載してあるので区分2とした。
 

12.環境影響情報
水生環境急性有害性データがなく分類できない。
水生環境慢性有害性データがなく分類できない。
 

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
 

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報IMOの規制に従う。
航空規制情報ICAO/IATAの規制に従う。
UNNo.1566
ProperShippingName.Beryllium compound, n.o.s.
Class6.1
国内規制
陸上規制情報該当しない
海上規制情報船舶安全法の規制に従う。
航空規制情報航空法の規制に従う。
 
特別安全対策移送時にイエローカードの保持が必要。
 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
 重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号154
 

15.適用法令
労働安全衛生法特定化学物質第1類物質(特定化学物質等障害予防規則第2条1項第1号) (政令番号:6)
 作業環境評価基準(法第65条の2第1項) (政令番号:27)
 製造許可が必要な物質(政令第17条別表第3) (政令番号:1-6)
 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、法第56条第1項、政令第17条別表第3)(政令番号:1-6)
 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法57条1、法56条1項のもの、令17条・別表第3)(政令番号:1-6)
 特定化学物質特別管理物質(特定化学物質等障害予防規則第38条3)
大気汚染防止法優先取組物質 (中央環境審議会答申)(政令番号:190)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第1種指定化学物質、特定第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1、施行令第4条)(政令番号:1-294)
船舶安全法毒物類・毒物
航空法毒物類・毒物
港則法毒物類・毒物
労働基準法疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条・別表第1の2第4号1・昭53労告36号)
 

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。