| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | ブチルアルデヒド | ||
| 化学品の英語名称 | Butyraldehyde | ||
| 製品コード | R06-C-082-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 合成樹脂原料,2-エチルヘキシルアルコール原料,ゴム加硫促進剤(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和6年度(2024年度)、ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) ※一部、平成20年度(2008年度)、ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) | ||
| 物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分2 | |
| 健康に対する有害性 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | |
| 発がん性 | 区分1B | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(呼吸器) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 平成20年度(2008年度)、ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分3 | |
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 危険 | ||
| 危険有害性情報 | 引火性の高い液体及び蒸気 強い眼刺激 発がんのおそれ 呼吸器の障害 水生生物に有害 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地しアースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
| 応急措置 | 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 | ||
| 保管 | 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 重合する可能性がある | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | ブチルアルデヒド | ||
| 慣用名又は別名 | ブタナール | ||
| 英語名 | Butyraldehyde | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | C4H8O (72) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 123-72-8 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | 2-494 | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で安静にさせる。医師に連絡すること。 意識がないが呼吸がある場合は、横向きに安定した姿勢で寝かせ、低体温症から保護する。 気道/呼吸器疾患の刺激が発生した場合:できるだけ早く、グルココルチコイド吸入スプレーを吸入する。 呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。 気分が悪い時や呼吸に関する症状が現れた場合は、医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 自分自身を保護しながら、被害者を危険源から遠ざける。 皮膚に付着した部分を流水またはシャワーで洗い流したのち、水と石けん(鹸)で丁寧に洗浄する。 長時間のばく露後、または刺激を感じた場合: 治療を手配すること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 眼に入った場合 | まぶたを大きく広げて流水で少なくとも10分間、患部を洗眼する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 意識がある場合は、コップ1~2杯の水を飲ませる。 無理に吐かせないこと。 自然嘔吐の場合は、嘔吐物が呼吸器に侵入するのを防ぐため、頭を胸より低くし、うつぶせの姿勢にする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 急性: 本物質は、眼、皮膚および気道を刺激する。 以上、ICSC参照。 | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 水噴霧、乾燥消火剤、泡消火剤、二酸化炭素。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(一酸化炭素と二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 特有の消火方法 | 周囲の容器を水スプレーで冷却する。 可能であれば、容器を危険区域から移動する。 加熱すると圧力が上昇し、破裂や爆発の危険がある。 着火(発火)源を遮断する。 バックファイアに注意すること。 燃え尽きるまで待つ 爆発証明済みの機器のみを使用すること。 下水道への侵入による爆発の危険性。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 個人用保護具を着用すること(「個人用保護具」の章を参照)。 影響を受ける周囲に警告する。 周囲を換気し、こぼれた場所を洗浄する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 環境への放出を避けること。 閉じた装置のみを使用すること。 容器とパイプラインにラベルを貼ること。 水への危険性が低い。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | この物質を環境中に放出してはならない。 こぼれた物質を密閉容器内に収集する。 残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる。 地域規則に従って保管・処理する。 ハロゲンフリー有機溶剤およびハロゲンフリー有機物質の溶液の回収容器に入れる。 収集容器にはラベルを貼ること。容器は換気の良い場所に保管すること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 二次災害の防止策 | 火花を発生しない安全な用具を使用する。 | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 火花を発生させない工具を使用すること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 容器を接地しアースをとること。 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 作業場を所を清潔に保つこと。 この物質は、作業に必要な量を超えて持ち込まない。 容器を開けたままにしないこと。 補充または移し替えには、排気口付きの漏れ防止機器を使用すること。 圧縮空気と一緒に輸送したり、圧縮空気を使用して輸送したりしない。 不活性ガスでパージする設備を設ける。 しぶきを避ける。 ラベルの付いた容器にのみ注入すること。 静電気放電に対する予防措置を講じること。 蒸気と空気の混合物は爆発性である。 発火源(電気機器、裸火、熱源、火花など)から距離を置くこと。 空の容器には注意すること。発火した場合、爆発の可能性がある。 ガスや蒸気が発火源が存在する他の部屋に流入することを避ける必要がある。 充填、取り出し、取り扱い時に圧縮空気を使用してはならない。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 接触回避 | 感染性、放射性、爆発性の物質 ガス。 可燃性固体物質または貯蔵クラス4.1Bの減感作物質 自然発火性物質 水と接触した可燃性ガスを放出する物質 硝酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムを含有する製剤 有機過酸化物および自己反応性物質 以上、GESTIS参照。 | ||
| 衛生対策 | この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 濡れた服は着替え、完全に乾くまで再利用しない。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 容器を密閉しておくこと。 冷所、暗所に保管。 排水溝のない場で貯蔵する。 容器にはラベルを貼付すること。 できるだけ元の容器に保管すること。 小さな容器は、収集浴槽付きのキャビネットに保管すること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 消防法、道路法、国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | - | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | - | |||
| ACGIH (2024年版) | - | |||
| 設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼および身体洗浄のための設備を設ける。 高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。 作業場をでの洗浄設備を設置する。 本物質を大量に取り扱う場合は、緊急用シャワーを設置すること。 密閉系、換気、防爆型電気設備および照明設備。 作業場をは換気をすること。 蒸気と空気の混合物は空気よりも重いため、床の適切な換気も確保する必要がある。 床の排水口がある場合はトラップを使用すること。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 緊急時には、呼吸保護具を着用する。 フィルター装置の使用限界を超える濃度、体積18%未満の酸素濃度、または不明な状況では、絶縁装置を使用すること。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 手の保護具 | 耐性のある保護手袋の使用を推奨する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 眼の保護具 | 必要に応じて安全眼鏡、保護面、安全ゴーグルなどの眼用保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 身体の保護リスクに応じて、適切な防護服または適切な化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 液体 | ||
| 色 | 白色 | ||
| 臭い | アルデヒド様の刺激臭 | ||
| 融点/凝固点 | -99 ℃ (SIDS (2009)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | 75.7 ℃ (101.325 kPa) (SIDS(2009)) | ||
| 可燃性 | 可燃性 (GESTIS (2024)) | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 1.9~12.5 vol% (NFPA (2010)) | ||
| 引火点 | -22 ℃ (Closed cup) (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| 自然発火点 | 218 ℃ (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| 分解温度 | データなし | ||
| pH | 6~7 (20℃、71 g/L) (GESTIS (2024)) | ||
| 動粘性率 | 0.43 mPa・s (20℃) (ECHA CHEM(2024)) | ||
| 溶解度 | 水:71,000 mg/L (25℃) (HSDB in PubChem (2024)) 水:11.8 wt% (20℃) (SIDS(2009)) エタノール、エーテル、エチルアセテート、アセトン、ベンゼン、トルエン:可溶 (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | logPow:0.8 (SIDS (2009)) | ||
| 蒸気圧 | 111 mmHg (25℃) (HSDB in PubChem (2024)) 14.4 kPa (20℃) (ECHA CHEM(2024)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 0.8 g/cm3 (20℃) (GESTIS (2024)) | ||
| 相対ガス密度 | 2.5 (空気=1) (NFPA (2010)) | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 物質は可燃性である。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 加熱等によって重合することがある。 引火性の高い液体。 蒸気は空気と爆発性の混合物を形成する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 避けるべき条件 | 発火源(火気、加熱、高温、静電気、火花など)に近づけないこと。 | ||
| 混触危険物質 | 接触すると爆発の危険性: 硫酸 物質は危険な反応をする可能性がある: アミン、強塩基、強酸化剤、発煙硫酸、硝酸、クロロスルホン酸、静電気、発火の危険性。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災の場合、有害物質(一酸化炭素と二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | ラットのLD50値2490、2500、4160、5890、5900 mg/kg 体重(IUCLID,2000)に基づき、区分に該当しないとした。 | |||
| 経皮 | ウサギのLD50値5730μL/kg(比重換算値4584 mg/kg)(PATTY 5th vol.5,2001)により、JISにおける区分に該当しないとした。また国連分類基準では区分5に相当する。 | |||
| 吸入: ガス | GHSの定義における液体である。 | |||
| 吸入: 蒸気 | 飽和蒸気圧濃度は、蒸気圧111mmHg(換算値 14796Pa, 25℃)(HSDB,2003)より換算すると約146495 ppmとなる。ラットの30分吸入試験におけるLC50値が60000 ppm(PATTY 5th vol.5,2001)であり、飽和蒸気圧濃度の90%より低く「ミストがほとんど混在しない蒸気」として区分した。LC50値60000 ppmを4時間に換算すると21213 ppmとなり、区分に該当しない。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | データなし。 | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | IUCLID(2000)におけるウサギを用いた二つの試験(いずれもOECD TG404、GLP)で「刺激性なし」および「軽度の刺激性(slightly irritating)」とあり、JIS分類基準の区分に該当しない(国連分類の区分3)とした。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ヒトで、労働現場でのブチルアルデヒドによる角膜損傷が起きたが完全に回復した(HSDB,2003)とあり、IUCLID(2000)におけるウサギを用いた試験(OECD TG405、GLP)で「軽度の刺激性(slightly irritating)」とあるため区分2とした。 | |||
| 呼吸器感作性 | データなし。 | |||
| 皮膚感作性 | データなし。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | 体細胞 in vivo 変異原性試験であるマウスの末梢血小核試験(食品健康影響評価,2007)において陰性であるため区分に該当しないとした。なおin vitroでは、二つのエームス試験で陰性(PATTY 5th vol.5,2001 ; 食品健康影響評価,2007)、CHO細胞を用いた細胞遺伝学試験で陰性(IUCLID,2000)、ヒトのリンパ球を用いた姉妹染色分体交換試験で陰性(IUCLID,2000)、ヒト肝細胞を用いた不定期DNA合成試験で陰性(IUCLID,2000)であり、HGPRT試験で陽性(IUCLID,2000)、CHO細胞を用いた姉妹染色分体交換試験で陽性(IUCLID,2000)、CHL/IU細胞を用いた染色体異常試験で陽性(食品健康影響評価,2007)、ラット肝細胞を用いた不定期DNA合成試験で弱陽性(PATTY 5th vol.5,2001)である。 | |||
| 発がん性 | 【分類根拠】 ヒトでは本物質単独ばく露による発がん性の報告はない。動物試験では、(1)よりラットの雌雄に鼻腔の悪性腫瘍の発生増加が認められている。1種のみの試験結果であるが、信頼性の高い試験結果において、雌雄ともに悪性腫瘍の発生増加が認められたことから区分1Bとした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した(2024年度)。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた104週間吸入ばく露試験(OECD TG451、GLP:300~3,000 ppm)において、3,000 ppmで雌雄に鼻腔の扁平上皮がんの発生増加が認められ、さらに雄に希少の鼻腔腫瘍(腺扁平上皮がん、癌肉腫及び肉腫(NOS) が各1匹)に、雌に鼻腔の扁平上皮乳頭腫が1匹に認められた(厚労省委託がん原性試験結果 (2022))。 【参考データ等】 (2)ブチルアルデヒドへのばく露は、労働者の呼吸上皮がんの発生と高温調理に関連した肺がんとの間の関連性に関与している可能性がある。しかし、労働者はより反応性が高い他のアルデヒドにも共ばく露されていた可能性があることから、本物質単独作用かは不明である(Patty 6th. (2012))。 | |||
| 生殖毒性 | データなし。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | ヒトで「粘膜や上部気道に極めて有害」(PATTY 5th vol.5,2001)とあり、げっ歯類の吸入試験(PATTY 5th vol.5,2001)において6000ppm(17.7mg/l:蒸気)以上で「気管支の浮腫と肺胞水腫」がみられるため区分1(呼吸器)とした。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | ラットを用いた90日間強制経口投与試験(食品健康影響評価,2007)において「300 mg/kg 体重/日投与群で前胃/腺胃の境界縁または前胃に軽度の扁平上皮過形成が認められた。」および「1,200mg/kg体重/日投与群で前胃/腺胃における潰瘍性病変が、雄の300mg/kg体重/日以上の投与群及び雌の600mg/kg体重/日以上の投与群の鼻腔に炎症が観察された。」との記述があり、NOAELをそれぞれ100 mg/kg体重、150 mg/kg体重(雄)・300 mg/kg体重(雌)としている。このNOAEL値は、ガイダンス値の上限と一致またはガイダンス値の範囲外であるので区分に該当しない(経口)に該当するが、他経路のデータが十分でなくデータ不足で分類できないとした。 | |||
| 誤えん有害性* | データなし。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | 魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50が13.4 mg/L(AQUIRE, 2008)から区分3とした。 | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 急性毒性区分3であるが、急速分解性があり(良分解性、BODによる分解度:100%(既存点検, 1979))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow= 0.88(SRC, 2005))ことから、区分に該当しないとした。 | ||
| 残留性・分解性 | 化審法分解度試験:良分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
| 生態蓄積性 | - | ||
| 土壌中の移動性 | - | ||
| オゾン層への有害性 | - | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 1129 | |||
| 品名(国連輸送名) | ブチルアルデヒド | |||
| 国連分類 | 3 | |||
| 副次危険 | - | |||
| 容器等級 | II | |||
| 海洋汚染物質 | 該当しない | |||
| MARPOL73/78附属書Ⅱ及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当する | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う | |||
| 航空規制情報 | 航空法の規定に従う | |||
| 陸上規制情報 | 消防法、道路法の規定に従う | |||
| 特別な安全上の対策 | 消防法、道路法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 129P | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)【1724 ブチルアルデヒド】(令和7年4月1日以降) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)【1724 ブチルアルデヒド】(令和7年4月1日以降) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)(令和7年4月1日以降) 危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号) 【4の2 その他の引火点零下30℃以上0℃未満のもの】 変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達) 【ブチルアルデヒド】 | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | - | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 消防法 | 第4類 引火性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) 【2 第一石油類非水溶性液体】 | |||
| 海洋汚染防止法 | 有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1) 【(378) ブチルアルデヒド】 | |||
| 船舶安全法 | 引火性液体類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
| 港則法 | その他の危険物・引火性液体類(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
| 道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2) | |||
| 悪臭防止法 | 特定悪臭物質(施行令第1条)【9 ノルマルブチルアルデヒド】 | |||
| 16.その他の情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ-タシ-ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||