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安全データシート
N,N−ジメチルアセトアミド
作成日2002年12月22日
改定日2006年9月11日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: N,N−ジメチルアセトアミド
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03−1234−5678
緊急連絡電話番号: 03−1234−5678
FAX番号: 03−1234−5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 反応溶媒(脱離反応)、精製溶媒、樹脂溶媒、塗料はく離剤、医薬品関係(難溶化合物の溶剤)

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 分類対象外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 区分4
可燃性固体 分類対象外
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 区分外
自然発火性固体 分類対象外
自己発熱性化学品 分類できない
水反応可燃性化学品 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
人健康有害性 急性毒性(経口) 区分5
急性毒性(経皮) 区分5
急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気) 区分3
急性毒性(吸入:粉じん) 分類対象外
急性毒性(吸入:ミスト) 区分3
皮膚腐食性・刺激性 区分3
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分2B
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 分類できない
生殖細胞変異原性 区分外
発がん性 区分外
生殖毒性 区分1B
特定標的臓器・全身毒性 区分3(麻酔作用)
(単回ばく露)
特定標的臓器・全身毒性 区分1(肝臓)
(反復ばく露)
吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境有害性 水生環境急性有害性 区分外
水生環境慢性有害性 区分外
ラベル要素
絵表示又はシンボル: どくろ 健康有害性
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 可燃性液体
飲み込むと有害のおそれ(経口)
皮膚に接触すると有害のおそれ(経皮)
吸入すると有毒(蒸気)
軽度の皮膚刺激
眼刺激
生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
眠気及びめまいのおそれ
長期又は反復ばく露による肝臓の障害
注意書き: 【安全対策】
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
炎及び高温のものから遠ざけること。
個人用保護具や換気装置を使用し、ばく露を避けること。
保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
【応急措置】
火災の場合には適切な消火方法をとること。
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易に外せる場合には外して洗うこと。
ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚刺激があれば、医師の診断、手当てを受けること。
【保管】
容器を密閉して涼しく換気の良い場所で施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国・地域情報

3.組成、成分情報
化学物質
化学名又は一般名: N,N-ジメチルアセトアミド(N,N-Dimethylacetamide)
別名: 酢酸ジメチルアミド(Acetic acid dimethylamide)
DMA(Acetyl dimethylamide)
Dimethyl acetamide;
化学式: C4H9NO
化学特性(化学式又は構造式): 化学式又は構造式
CAS番号: 127-19-5
官報公示整理番号 (2)-723
(化審法・安衛法):
分類に寄与する不純物及び安定化添加物:
濃度又は濃度範囲

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合: 皮膚を速やかに洗浄すること。
医師の手当、診断を受けること。
目に入った場合: 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
医師の手当、診断を受けること。
飲み込んだ場合: 口をすすぐこと。
医師の手当、診断を受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 吸入: 頭痛、吐き気、嘔吐。
皮膚: 吸収される可能性あり、発赤、頭痛、吐き気、嘔吐。
眼: 蒸気が吸収される、痛み、発赤。
経口摂取: 胃痙攣、下痢、頭痛、吐き気、嘔吐。
アルコール飲料の使用により有害作用は増大する。
最も重要な兆候及び症状:
応急措置をする者の保護: 救助者は、状況に応じて適切な保護具を着用する。
医師に対する特別な注意事項: データなし。

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、散水、耐アルコール性泡消火剤
大火災:散水、噴霧水、耐アルコール性泡消火剤
使ってはならない消火剤: 棒状注水
特有の危険有害性: 加熱により容器が爆発するおそれがある。
火災によって刺激性、腐食性又は毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法: 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
引火点が極めて低い:散水以外の消火剤で消火の効果がない大きな火災の場合には散水する。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
風上に留まる。
低地から離れる。
密閉された場所に立入る前に換気する。
環境に対する注意事項: 環境中に放出してはならない。
河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
回収、中和: 少量の場合、乾燥土、砂や不活性吸収物質で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。
大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いて回収する。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策: すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気・全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項: 使用前に使用説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
火気注意。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
取扱い後はよく手を洗うこと。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。 
保管
技術的対策: 保管場所は壁、柱、床を耐火構造とし、かつ、はりを不燃材料で作ること。
保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。
保管場所の床は、床面に水が浸入し、又は浸透しない構造とすること。
保管場所の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適切な傾斜をつけ、かつ、適切なためますを設けること。
保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。 
保管条件: 炎及び熱表面から離して保管すること。
混触危険物質から離して保管する。
容器を密閉して換気の良い冷所で保管すること。
施錠して保管すること。
容器包装材料: 消防法で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 未設定
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 10ppm(皮) 36mg/m 3 (皮)
ACGIH (2005年版) TLV-TWA 10ppm(skin)
設備対策: 空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行なうこと。
密閉された装置、機器、防爆型電気設備又は局所排気装置を使用しなければ取扱ってはならない。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
保護具
呼吸器の保護具: 適切な呼吸器保護具を着用すること。
ばく露の可能性のあるときは、送気マスク、空気呼吸器、又は酸素呼吸器を着用する。
手の保護具: 適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具: 適切な眼の保護具を着用すること。
保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型)
皮膚及び身体の保護具: 適切な顔面用の保護具、保護衣を着用すること。
衛生対策: この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
ばく露の程度によっては、定期健診は必要。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 無色液体 1)
臭い: 特異臭 1)
pH: データなし
融点・凝固点: -20℃(融点) 1) , 2) , 9)
沸点、初留点及び沸騰範囲: 166℃(沸点) 9)   165℃(沸点) 1)
引火点: 63℃(密閉式) 2)   70℃(開放式) 1) , 9)
爆発範囲: 1.8 (100℃)- 11.5 (160℃) voL% 1) , 9)
蒸気圧: 0.33 kPa (20℃) 1)  176Pa 2)
蒸気密度(空気 = 1): 3.011) ,2)
比重(密度): 0.94 (20℃(比重)) 1) , 9)
溶解度: 水に混和。 1) , 3)  エーテル エステル ケトン 芳香族化合物に易溶。 15)
オクタノール/水分配係数: log Pow = -0.796 (25℃) 2)   log Pow = -0.77 1)
自然発火温度: 490℃ 1) , 3)   400℃ 2)
分解温度: データなし
臭いのしきい(閾)値 47ppm 20)
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  可燃性
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性:
加熱すると分解し、非常に有害なヒュームを生成する。
危険有害反応可能性: 強酸化剤及び塩素系炭化水素と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。
鉄の存在で四塩化炭素及び他のハロゲン化合物と反応する。
避けるべき条件: 加熱、混触危険物質、プラスチックとの接触。
混触危険物質: 強酸化剤、鉄・ハロゲン化合物。
危険有害な分解生成物: 燃焼により、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物などを発生する。

11.有害性情報
急性毒性: 経口 ラットによる試験の報告が多数あり 6) その平均値が4263mg/kgであるので区分5に分類した。
飲み込むと有害のおそれ(経口)
経皮 ウサギによる試験の報告があり 6) 、いずれも2100-3600mg/kgの範囲にあるので区分5に分類した。
皮膚に接触すると有害のおそれ(経皮)
吸入(蒸気) ラットによる試験の報告があり 6) 、4時間吸入のppmに換算した平均値が約1100ppmであるので、区分3に分類した。
吸入すると有毒(蒸気)
吸入(ミスト) データなし
皮膚腐食性・刺激性: ヒトでは、刺激性なし(not irritating) 2) とされているが、ウサギでは、軽度(mild) 7) あるいは刺激性なし(not irritating) 2) である結果が得られている。モルモットでは、重度(strong)、マウスでは投与量によるが 僅かに刺激性(slight irritation)から 刺激性なし(no irritation)の結果が得られている 2) 。これらのデータを総合して軽度の刺激性と判断して区分3に分類した。
軽度の皮膚刺激
眼に対する重篤な損傷・刺激性: ヒトでは、僅かに刺激性(slightly irritating) とされている 2) が、ウサギを用いた試験のほとんどにおいて軽度(mild)で可逆的な刺激性を示している 2) , 9) , 10) ので区分2Bに分類した。
眼刺激
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:ヒト及びモルモットにおいて感作性なしとする記述がある 2) , 10) ので区分外に分類した。
生殖細胞変異原性: 労働者の調査で染色体異常の増加は認められなかった 2) 。 又、ラット、マウスを用いた優性致死試験、ラットを用いた遺伝毒性試験など、いくつかの in vivo 試験において陰性のデータがある 2) ので、区分外に分類した。
発がん性: ラット、ハムスター、マウスを用いた幾つかの試験において発がん性がみられないとの報告がある 2) 。 又、ACGIHがA4 (Not Classifiable as a Human Calcinogen) に分類していることから区分外とした。
生殖毒性 ウサギを用いた試験において、母獣が妊娠中に飲み水あるいは胃管により経口投与された胎児に臓器や骨格の形成に異常が見られる 2) , 9) こと、母獣が妊娠中に吸入ばく露によりDMAを投与された胎児にも同様な臓器や骨格の形成に異常が見られる 2) 。又、EUはDMAを生殖毒性カテゴリー2 (May cause harm to unborn child)に分類していることから、区分1Bに分類した。
生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
動物種が特定されない哺乳類において区分1の吸入ばく露ガイダンス値の範囲内で肝臓に影響があるとする報告がある 7) が、分類根拠としてはデータが不十分である。ヒトにおいて、めまい、し眠、虚弱などを起こすことがあるとされている 9) ので区分3(麻酔作用)に分類した。
眠気及びめまいのおそれ
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
DMAを扱う職場に長期に従事した作業者に肝臓への影響が見られている 9) が、ラットを用いた吸入ばく露試験において区分2のガイダンス値の範囲で肝臓に対する影響が見られる 2) , 9) こと、及びマウスを用いた吸入試験において区分2のガイダンス値の範囲で肝臓への影響がみられる 10) ことから区分2(標的臓器:肝臓)に分類した。
長期又は反復ばく露による肝臓の障害
吸引性呼吸器有害性: データなし

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 > 500mg/L 2) から、区分外とした。
水生環境慢性有害性: 難分解性でなく(水溶解度 = 1.00x106 mg/L) 21) 急性毒性が低いことから、区分外とした。

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上、処理を委託する。
燃焼法 可燃性溶剤とともにアフタバーナ及びスクラバ付き焼却炉の火室で、焼却する。
汚染容器及び包装: 空容器を廃棄する時は、内容物を完全に除去した後に処分する。
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務を委託すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 非危険物
航空規制情報 非危険物
国内規制
陸上規制情報 消防法の規定に従う。
海上規制情報 非危険物
航空規制情報 非危険物
特別の安全対策 危険物は当該危険物が転落し、又は危険物を収納した運搬容器が落下し、転倒もしくは破損しないように積載すること。
危険物又は危険物を収納した容器が著しく摩擦又は動揺を起こさないように運搬すること。
危険物の運搬中危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれがある場合には、災害を防止するための応急措置を講ずると共に、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること。輸送前に容器が密閉されているか、又、液やガスの漏れがないかを確認する。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を通知すべき有害物
(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
(政令番号 第284号)
消防法: 第4類引火性液体、第二石油類水溶性液体
(法第2条第7項危険物別表第1)

16.その他の情報
参考文献
1) ICSC (J) (1993)
2) SIDS (2001)
3) ホンメル (1991)
4) Chapman (CD-ROM ver. 13.2 2005)
5) Merck (13th, 2001)
6) IUCLID (2000)
7) RTECS (2004)
8) Gangolli (2nd, 1999)
9) ACGIH (2001)
10) PATTY (5th, 2001)
11) Howard (1997)
12) HSDB (2005)
13) PM (13th, 2003)
14) HSFS (2005)
15) 化学物質の危険・有害性便覧 中央災害防止協会 1992
16) GHS分類結果(JCIA・NITE)
17) 日化協「緊急時応急措置指針、容器イエローカード(ラベル方式)」
18) 日化協「化学物質法規制検索システム」(CD-ROM) (2005)
19) 日本ケミカルデータベース(株)「化学品総合データベース」(2005)
20) Amoore,J.E. and Haulata,E. Jouranal of Applied Toxicology, 3(6) 272 (1983)
災害事例
データなし