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安全データシート
ジクロロテトラフルオロエタン(別名CFC‐114)
作成日2002年03月12日
改定日2006年04月04日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: ジクロロテトラフルオロエタン(別名CFC‐114)
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03-1234-5678
緊急時の電話番号: 03-1234-5678
FAX番号: 03-1234-5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 小型冷凍機用冷媒、エアゾール用噴射剤、消火剤、絶縁性流体、溶剤、半導体エッチングガス。

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 区分外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 区分外
高圧ガス 液化ガス
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 分類対象外
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 分類対象外
自己発熱性化学品 分類対象外
水反応可燃性化学品 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
健康に対する有害性 急性毒性(経口) 分類対象外
急性毒性(経皮) 分類対象外
急性毒性(吸入:ガス) 区分外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
急性毒性(吸入:粉じん、
ミスト)
分類対象外(粉じん)
急性毒性(吸入:粉じん、
ミスト)
分類対象外(ミスト)
皮膚腐食性・刺激性 区分外
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分外
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 分類できない
生殖細胞変異原性 区分外
発がん性 区分外
生殖毒性 分類できない
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露)
区分外(心臓血管系)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露)
区分外(血液、肺、肝臓)
吸引性呼吸器有害性 分類対象外
環境に対する有害性 水生環境急性有害性 分類できない
水生環境慢性有害性 分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル: ガスボンベ
注意喚起語: 警告
危険有害性情報: 高圧ガス;熱すると爆発するおそれ
注意書き:  
【安全対策】 データなし
【応急措置】 データなし
【保管】 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。
【廃棄】 データなし
国/地域情報:

3.組成、成分情報
物質
化学名又は一般名: ジクロロテトラフルオロエタン (Dichlorotetrafluoroethane)
別名: テトラフルオロジクロロエタン (Tetrafluorodichloroethane)
1,2‐ジクロロ‐1,1,2,2‐テトラフルオロエタン (1,2-Dichloro-1,1,2,2-tetrafluoroethane)
フレオン114 (Freon 114)
  (CFC-114)
化学式: C2Cl2F4
化学特性(化学式又は構造式): 化学式又は構造式
CAS番号: 76-14-2
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
(2)-94
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 99%以上

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合: 気分が悪い時は、医師に連絡すること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
目に入った場合: 水で数分間、注意深く洗うこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合: 口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 液への接触で凍傷を、高濃度ばく露では酸素欠乏症状がある。
最も重要な兆候及び症状:
応急措置をする者の保護: 現場では保護マスク等を着用し、ガスを吸入しないようにする。

5.火災時の措置
消火剤: 粉末消火剤、二酸化炭素、散水、噴霧水、一般の泡消火剤。
特有の危険有害性: 加熱により容器が爆発するおそれがある。
破裂したボンベが飛翔するおそれがある。
熱すると爆発のおそれ(加圧ガスを含有する場合)。
特有の消火方法: 火災の種類に応じて適切な消火剤を用いる。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
損傷したボンベは専門家だけが取り扱う。
火災をおさえる。消火が必要であれば、注水又は水噴霧が推奨される。
容器内に水を入れてはいけない。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器を含め完全な防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性の高い、不浸透性の保護衣を着用する。
風上に留まる。
低地から離れる。
密閉された場所に立入る前に換気する。
ガスが拡散するまでその区域を立入禁止とする。
環境に対する注意事項: 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
回収、中和: 少量の場合、乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。
大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、ポンプで汲み取る。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
可能ならば、漏洩している容器を回転させ、液体でなく気体が放出するようにする。
蒸発を抑え、蒸気の拡散を防ぐため散水を行う。
この物質は蒸発させてもよい。
二次災害の防止策: 漏洩物又は漏洩源に直接水をかけない。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項: 容器は丁寧に取り扱い、衝撃を与えたり、転倒させない。
容器の取り付け、取り外しの作業の際は、漏洩させないよう、十分注意する。
使用後は、バルブを完全に閉め、口金キャップを取り付け、保護キャップを付ける。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 容器は保安上使用開始後1年以内に、速やかに販売事業者に返却すること(高圧ガス保安協会指針)。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管条件: 容器は直射日光や火気を避け、40℃以下の温度で保管すること。
容器包装材料: 高圧ガス保安法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 設定されていない。
ACGIH(2005年版) TLV-TWA 1000ppm A4
設備対策: 特別な換気装置は必要としない。
特別な制御は不要。
保護具
呼吸器の保護具: 換気が不十分な場合は、適切な呼吸保護具を着用すること。
手の保護具: 保温用手袋を着用すること。
眼の保護具: 眼、顔面用の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具: 適切な保護衣を着用すること。
衛生対策: 取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 無色の圧縮液化ガス 14)
臭い: 無臭 14)
pH: データなし
融点・凝固点: -94℃(融点) 14)
沸点、初留点及び沸騰範囲: 4.1℃(沸点) 14)
引火点: データなし
爆発範囲: データなし
蒸気圧: 268kPa(25℃) 14)
蒸気密度(空気 = 1): 5.89(計算値) 14)
比重(密度): 1.473kg/L(液体、20℃) 4)
溶解度: 非常に微量(0.013wt.%)(水) 4)
データなし
オクタノール/水分配係数: 2.8 14)
自然発火温度: データなし
分解温度: データなし
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  該当しない
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 高温面や炎の接触により分解し、有毒ガス(塩化水素、フッ化水素)を生成する。
危険有害反応可能性: 化学的に活性な金属、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、及び粉末のアルミニウム、マグネシウム、亜鉛と反応する。
避けるべき条件: 高温、炎。
混触危険物質: ナトリウム、カリウム、カルシウム、及び粉末のアルミニウム、マグネシウム、亜鉛。
危険有害な分解生成物: 塩化水素、フッ化水素等の有害ガスが発生。

11.有害性情報
急性毒性: 経口 情報なし(気体)
経皮 情報なし(気体)
吸入(ガス) ラット LC50 700000ppm/30M 8)
吸入(ガス) ラット LC50 720000ppm/30M 8)
吸入(ガス) ラット LC50 750000ppm/30M 8)
皮膚腐食性・刺激性: ラットでは局所的な炎症が見られるが濃度が不明 10)、ラビットの皮膚に40%濃度でスプレー投与した結果で刺激性が観察されていない 35) ,10)。また、モルモットの背中に直接スプレーした試験結果でも刺激性は観察されていない 35)
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性: ウサギの眼にスプレーによるデータで炎症が見られるが、眼球には影響がない 10)
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:データなし
生殖細胞変異原性: ヒトのデータはないが、サルモネラ菌の試験でネガティブとなっている 10) ,8) ,35)
発がん性: 動物実験で発ガン性が認められないという報告 8) ,10) もある。分類評価機関のACGIHでA4となっている。
生殖毒性: 情報なし
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
動物、ヒトへの心臓血管系の症状が現れているか高い投与量であり、又は死亡なしの結果もある。
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
全ての試験において、ガイダンス値をはるかに超えている。
吸引性呼吸器有害性: データなし

12.環境影響情報
情報なし

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 高圧ガスを廃棄する場合は、高圧ガス保安法一般高圧ガス保安規則の規定に従うこと。
汚染容器及び包装: 高圧ガスの容器を廃棄する場合は、製造業者等専門業者に回収を依頼すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 1958
Proper Shipping Name: 1,2-DICHLORO-1,1,2,2-TETRAFLUOROETHANE
Class: 2.2
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 1958
Proper Shipping Name: 1,2-Dichloro-1,1,2,2-tetrafluoroethane
Class: 2.2
国内規制
陸上規制情報 高圧ガス保安法の規定に従う。
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 1958
品名: 1,2-ジクロロ-1,1,2,2-テトラフルオロエタン
クラス: 2.2
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 1958
品名: 1,2-ジクロロ-1,1,2,2-テトラフルオロエタン
クラス: 2.2
特別の安全対策 移動、転倒、衝撃、摩擦などを生じないように固定する。
火気、熱気、直射日光に触れさせない。
鋼材部分と直接接触しないようにする。
重量物を上乗せしない。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
高圧ガス保安法: 液化ガス
(法第2条3)
化学物質排出把握管理促進法
(PRTR法):
第1種指定化学物質
(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)
(政令番号第112号)
オゾン層保護法: 特定物質議定書付属書AのグループI(施行令第1条)
船舶安全法: 高圧ガス
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法 : 高圧ガス
(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
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54) NITE初期リスク評価書No.16 (2005)
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