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安全データシート
一酸化二窒素
作成日2002 年11月27日
改定日2006年 5月 27日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: 一酸化二窒素
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03−1234−5678
緊急連絡電話番号: 03−1234−5678
FAX番号: 03−1234−5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: そのまま、又は酸素と混ぜて歯科及び外科、産婦人科の麻酔用に多く用いられる。また漏えい検知用、冷媒、原子吸光のキャリアガスにも用いられる。食品添加物(ホイップクリーム類の起泡剤)

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性/引火性ガス 区分外
可燃性/引火性エアゾール 分類対象外
支燃性/酸化性ガス類 区分1
高圧ガス 圧縮ガス
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 分類対象外
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 分類対象外
自己発熱性化学品 分類対象外
水反応可燃性化学品 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
健康に対する有害性 急性毒性(経口) 分類対象外
急性毒性(経皮) 分類対象外
急性毒性(吸入:ガス) 分類できない
急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
急性毒性(吸入:粉じん、
ミスト)
分類対象外
皮膚腐食性・刺激性 区分外
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 分類できない
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 分類できない
生殖細胞変異原性 分類できない
発がん性 区分外
生殖毒性 区分1A
特定標的臓器・全身毒性 区分3(麻酔作用)
(単回ばく露)
特定標的臓器・全身毒性 区分1(血液、神経系、肝臓、腎臓)
(反復ばく露)
吸引性呼吸器有害性 分類対象外
環境に対する有害性 水生環境急性有害性 分類できない
水生環境慢性有害性 分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル: 円上の炎 ガスボンベ 健康有害性 感嘆符
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 発火又は火災助長のおそれ;支燃性/酸化性物質
高圧ガス;熱すると爆発するおそれ
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
眠気及びめまいのおそれ
長期又は反復ばく露による血液、神経系、肝臓、腎臓の障害
注意書き: 【安全対策】
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
減圧バルブにはグリース及び油を使わないこと。
個人用保護具や換気装置を使用し、ばく露を避けること。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
ガスを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
可燃物から遠ざけること。
【応急措置】
火災の場合には、安全に対処できるならば漏洩を止めること。
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
【保管】
日光から遮断して容器を密閉して換気の良い場所で施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国/地域情報:

3.組成、成分情報
物質
化学名又は一般名: 一酸化二窒素(Dinitrogen monoxide)
別名: 亜酸化窒素(Nitrous Oxide)
笑気(Laughing Gas)
化学式: N2O
化学特性(化学式又は構造式):
CAS番号: 10024-97-2
官報公示整理番号 (1)-486
(化審法・安衛法):
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 情報なし

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
皮膚に付着した場合: 皮膚を速やかに洗浄すること。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
目に入った場合: 水で数分間注意深く洗うこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
飲み込んだ場合: 口をすすぐこと。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
医師に連絡すること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 吸入した場合:多幸感、し眠、頭痛、息切れ、意識喪失。
皮膚に液体が付着した場合:凍傷
眼に入った場合:液体が眼に入った場合、凍傷。発赤、痛み。
最も重要な兆候及び症状:

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、
大火災:散水、噴霧水、一般の泡消火剤
特有の危険有害性: それ自身は燃えないが、支燃性である。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
破裂したボンベが飛翔するおそれがある。
火災によって刺激性、毒性又は腐食性のガスを発生するおそれがある。
発火又は火災助長のおそれ
特有の消火方法: 安全に対処できるならば着火源を除去すること。
火災の種類に応じて適切な消火剤を用いる。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
消火活動は、有効に行える十分な距離から行う。
漏洩部や安全装置に直接水をかけてはいけない。凍るおそれがある。
損傷したボンベは専門家だけが取り扱う。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
火災をおさえる。消火が必要であれば、注水又は水噴霧が推奨される。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器を含め、適切な化学用保護衣を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
風上に留まる。
低地から離れる。
密閉された場所に立入る前に換気する。
ガスが拡散するまでその区域を立入禁止とする。
環境に対する注意事項: 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
回収、中和: 漏洩物の除去や廃棄処理は専門家の指示による。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
可能ならば、漏洩している容器を回転させ、液体でなく気体が放出するようにする。
蒸発を抑え、蒸気の拡散を防ぐため散水を行う。
この物質は蒸発させてもよい.
二次災害の防止策: 可燃物(木、紙、油等)は漏洩物から隔離する。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
漏洩物又は漏洩源に直接水をかけない。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気装置・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気装置、全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項: 使用前に使用説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
可燃物から遠ざけること。
減圧バルブにはグリースや油を使わないこと。
加圧ガスを含有し、熱すると爆発のおそれがある。
容器は丁寧に取り扱い、衝撃を与えたり、転倒させない。
容器の取り付け、取り外しの作業の際は、漏洩させないよう、十分注意する。
使用後は、バルブを完全に閉め、口金キャップを取り付け、保護キャップを付ける。
可燃性ガスと混合すると、発火、爆発の危険性がある。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
ガスを吸入しないこと。
眼、皮膚との接触を避けること。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
取り扱い後は手を洗う。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 容器は保安上使用開始後1年以内に、速やかに販売事業者に返却すること(高圧ガス保安協会指針)。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管条件: 専用の高圧ガス容器に保管する。
可燃物、酸化されやすい物質、重合促進剤、還元剤、ハロゲン、酸、金属微粉末から離して保管すること。
換気の良い場所で保管すること。
容器は直射日光や火気を避け、40℃以下の温度で保管すること。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
施錠して保管すること。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
容器包装材料: 高圧ガス保安法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 設定されていない。
ACGIH (2005年版) TLV-TWA 50ppm A4
設備対策: 減圧バルブにはグリース及びオイルを使用しないこと。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行なうこと。
高熱工程でガスが発生するときは、空気汚染物質を許容濃度以下に保つために換気装置を設置する。
密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用しなければ取扱ってはならない。
気中濃度を推奨された許容濃度以下に保つために、工程の密閉化、局所排気、その他の設備対策を使用する。
保護具
呼吸器の保護具: 必要に応じて適切な呼吸器保護具を使用すること。
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具: 必要に応じて適切な保護手袋を使用すること。
眼の保護具: 必要に応じて個人用の眼の保護具を使用すること。
皮膚及び身体の保護具: 必要に応じて適切な保護衣、保護面を使用すること。
衛生対策: 取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 無色の圧縮液化ガス 14)
臭い: 特徴的な臭気 14)
pH: データなし
融点・凝固点: -90.8(融点) 14)
沸点、初留点及び沸騰範囲: -88.5℃(沸点) 14)
引火点: 不燃性 14)
爆発範囲: データなし
蒸気圧: 5150kPa(20℃) 14)
蒸気密度(空気 = 1): 1.53 14)
比重(密度): 1.23(-89℃)(水=1) 14)
溶解度: 0.15g/100mL(15℃)(水) 14)
オクタノール/水分配係数: log Pow = 0.35 14)
自然発火温度: データなし
分解温度: データなし
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  データなし
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 安定である。
危険有害反応可能性: 無水亜硫酸、無定形ホウ素、ホスフィン、エーテル、アルミニウム、ヒドラジン、フェニルリチウム、炭化タングステンと激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。
この気体は300℃以上で強酸化剤であり、アンモニア、一酸化炭素、硫化水素、油、グリース、燃料と爆発性混合物を生成することがある。
避けるべき条件: 加熱。
混触危険物質: 無水亜硫酸、無定形ホウ素、ホスフィン、エーテル、アルミニウム、ヒドラジン、フェニルリチウム、炭化タングステン。
危険有害な分解生成物: 窒素酸化物、硝酸及び亜硝酸。

11.有害性情報
急性毒性: 経口 分類対象外
経皮 分類できない
吸入(ガス) 分類できない
皮膚腐食性・刺激性: 皮膚刺激性はない 20) という情報により区分外とした。
眼に対する重篤な損傷/刺激性: データなし
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:データなし
生殖細胞変異原性: in vitro 試験においてnegativeという結果 10) が出ているが、 in vivo で有効なデータがないので分類できない。
発がん性: 評価機関であるACGIHでA4 46) であるので区分外とした。
生殖毒性: 歯科医院で働いている女性労働者の症例でガス吸入による自然流産が増加した 10) ので区分1Aとした。動物実験ではラットで胚毒性、胎児毒性また骨格形成の異常が見られている。
生殖能又は胎児への悪影響のおそれ(区分1A)
特定標的臓器・全身毒性 動物及びヒトの症例で麻酔性がある 20) ので区分3とした。
(単回ばく露):
眠気及びめまいのおそれ(区分3)
特定標的臓器・全身毒性 ヒトの症例で造血系の疾患があるという情報、また麻酔薬として歯科で使われるときに職業ばく露により肝臓、腎臓及び神経系への障害が現れるという情報 10) により区分1(血液、神経系、肝臓、腎臓)とした。
(反復ばく露):
長期又は反復ばく露による血液、神経系、肝臓、腎臓の障害
吸引性呼吸器有害性: 常温気体であり、分類対象外である。

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: データ不足のため分類できない
水生環境慢性有害性: データ不足のため分類できない

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 高圧ガスを廃棄する場合は、高圧ガス保安法一般高圧ガス保安規則の規定に従うこと。
汚染容器及び包装: 高圧ガスの容器を廃棄する場合は、製造業者等専門業者に回収を依頼すること。

14.輸送上の注意
国際規制 NITROUS OXIDE
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 1070
Proper Shipping Name: NITROUS OXIDE
Class: 2.2
Sub Risk: 5.1
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 1070
Proper Shipping Name: Nitrous oxide
Class: 2.2
Sub Risk: 5.1
国内規制 亜酸化窒素
陸上規制情報 高圧ガス保安法の規定に従う。
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 1070
品名: 亜酸化窒素
クラス: 2.2
副次危険: 5.1
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 1070
品名: 亜酸化窒素(圧縮されているもの)
クラス: 2.2
副次危険: 5.1
国際規制 NITROUS OXIDE, REFRIGERATED LIQUID
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 2201
Proper Shipping Name: NITROUS OXIDE, REFRIGERATED LIQUID
Class: 2.2
Sub Risk: 5.1
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 Forbidden
国内規制 亜酸化窒素
(深冷液化されているもの)
(深冷液化されているもの)
陸上規制情報 高圧ガス保安法の規定に従う。
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 2201
品名: 亜酸化窒素(深冷液化されているもの)
クラス: 2.2
副次危険: 5.1
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 輸送禁止
特別の安全対策 移動、転倒、衝撃、摩擦などを生じないように固定する。
運搬時には容器を40℃以下に保ち、特に夏場はシートをかけ温度上昇の防止に努める。
火気、熱気、直射日光に触れさせない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
鋼材部分と直接接触しないようにする。
他の危険物や燃えやすい危険物に上積みしない。
他の危険物のそばに積載しない。
重量物を上乗せしない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
高圧ガス保安法: 圧縮ガス
(法第2条1)
船舶安全法: 高圧ガス
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法: 高圧ガス
(施行規則第194条危険物告示別表第1)(亜酸化窒素(圧縮されているもの))
(施行規則第194条危険物告示別表第1)(亜酸化窒素(圧縮されているもの))
輸送禁止(亜酸化窒素(深冷液化されているもの))

16.その他の情報
参考文献
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44) NTP DB (access on December 2005)
45) NTP RoC (11th, 2005)
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48) Ullmanns (E) (5th, 1995)
49) IRIS (Access on Aug 2005)
50) CERI・NITE有害性評価書 No.16 (2004)
51) 既存化学物質安全性点検データ
52) CERI・NITE有害性評価書 No.12 (2004)
53) NFPA(13th,2001)
54) NITE初期リスク評価書No.16 (2005)
55) ACGIH-TLV (2005)
56) Dean(15th Ed.)
災害事例
(1) 酸処理室において、製品に付着した銅銀をはく離清掃するために、希硝酸(濃度約40%)に浸漬したところ、同製品の一部が真ちゅう製であったため、酸化窒素が発生し、これを吸入し、被災した。
(2) 61%硝酸を別の容器へ移し替え作業を開始したとき、ドラム缶の鉄と反応して二酸化窒素が発生し、これを吸入し、被災した。
(3) 反応液を反応釜から分解釜に注入作業中、反応液中に含まれていた二酸化窒素ガスが漏えいし、これを吸入した労働者が被災した。