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安全データシート
3’‐イソプロポキシ‐2‐トリフルオロメチルベンズアニリド
【別名 フルトラニル】
作成日2003年 11月 26日
改定日2006年8月 15日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: 3’‐イソプロポキシ‐2‐トリフルオロメチルベンズアニリド
(別名フルトラニル)
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03−1234−5678
緊急時の電話番号: 03−1234−5678
FAX番号: 03−1234−5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 農薬(殺菌剤)

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 分類対象外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 分類できない
自己反応性化学品 分類できない
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 区分外
自己発熱性化学品 分類できない
水反応可燃性化学品 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
人健康有害性 急性毒性(経口) 区分外
急性毒性(経皮) 区分外
急性毒性(吸入:気体) 分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
急性毒性(吸入:粉じん) 区分外
急性毒性(吸入:ミスト) 分類対象外
皮膚腐食性・刺激性 区分外
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分外
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 区分外
生殖細胞変異原性 区分外
発がん性 区分外
生殖毒性 区分外
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露)
区分外
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露)
区分外
吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境有害性 水生環境急性有害性 区分2
水生環境慢性有害性 区分2
ラベル要素
絵表示又はシンボル: 環境
注意喚起語:
危険有害性情報: 水生生物に毒性
長期的影響により水生生物に毒性
注意書き: 【安全対策】
環境への放出を避けること。
【応急措置】
漏出物は回収すること。
【保管】
【廃棄】
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国・地域情報:

3.組成、成分情報
化学物質
化学名又は一般名: 3'−イソプロポキシ−2-トリフルオロメチルベンズアニリド
(3'-Isopropoxy-2-trifluoromethylbenzanlide)
別名: フルトラニル(Flutolanil)
α,α,α−トリフルオロ−3'−イソプロポキシ−o-トルアニリド(α,α,α-trifluoro-3'-isopropoxy-o-toluanilide)
化学式: C17H16F3NO2
化学特性(化学式又は構造式): 化学式又は構造式
CAS番号: 66332-96-5
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
(化審法):(3)-3925 (安衛法):4-(7)-1442
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 情報なし

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合: 水と石鹸で洗うこと。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
目に入った場合: 水で数分間注意深く洗うこと。
眼の刺激が持続する場合、気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合: 口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 情報なし
最も重要な兆候及び症状:

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、散水
大火災:散水、噴霧水、通常の泡消火剤
特有の危険有害性: 火災によって刺激性、腐食性又は毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法: 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
環境に対する注意事項: 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
環境中に放出してはならない。
回収、中和: 漏洩物を掃き集めて空容器に回収する。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策: すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
床面に残るとすべる危険性があるため、こまめに処理する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項: 飲み込みを避けること。
取扱い後はよく手を洗うこと。
皮膚との接触を避けること。
粉じん、ヒュームの吸入を避けること。
環境への放出を避けること。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管条件: 酸化剤から離して保管する。
容器包装材料: 包装、容器の規制はないが密閉式の破損しないものに入れる。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 10mg/m3
ACGIH (2005年版) 設定されていない。
設備対策: 空気中の濃度を制御するには、一般適正換気で十分である。
保護具
呼吸器の保護具: 換気が不十分な場合は、適切な呼吸保護具を着用すること。
手の保護具: 適切な手袋を着用すること。
眼の保護具: 適切な保護眼鏡を着用すること。
皮膚及び身体の保護具: 適切な保護衣を着用すること。
衛生対策: 取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 無〜白色の結晶 14)
臭い: データなし
pH: データなし
融点・凝固点: 100-107℃ 1)
沸点、初留点及び沸騰範囲: 256℃(沸点) 27)
引火点: データなし
爆発範囲: データなし
蒸気圧: 6.54x10-6 Pa (25℃) 27)
蒸気密度(空気 = 1): データなし
比重(密度): 1.32 (20℃) 37)
溶解度: 6.63mg/L(20℃)(水) 27)
ヘキサン:0.9g/L(25℃)、キシレン:29g/L(25℃)、トルエン:57g/L(25℃) 27)
オクタノール/水分配係数: log Pow = 3.77(25℃) 37)
自然発火温度: データなし
分解温度: データなし
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  データなし
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 熱、光に安定。
危険有害反応可能性: ほとんどない。
避けるべき条件: 粉じんの発生を避ける。
混触危険物質: なし。
危険有害な分解生成物: 燃焼した時、有害ガス(フッ化水素、窒素酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素)を発生する。
火災時に刺激性もしくは有毒なヒュームやガスを放出する。

11.有害性情報
急性毒性: 経口:ラット LD50 >10000mg/kg 27) から、区分外とした。
経皮:ラット LD50 >5000mg/kg 27) から、区分外とした。
吸入(粉じん):ラット LC50 >5.98mg/L 27) 及び「死亡例なし」の記述に基づき区分外とした。
皮膚腐食性・刺激性: モルモットを用いた皮膚刺激性試験により、皮膚刺激性はほとんど無いものと判断されている 27) ことに基づき区分外とした。
眼に対する重篤な損傷・刺激性: ウサギを用いた眼刺激性試験の結果、「眼瞼結膜、眼球結膜及び角膜に対し全く刺激性を示さなかった」との記述 27) に基づき区分外とした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:モルモットを用いたMagnusson-Kligman Maximisation法により、全く皮膚反応が認められていない 27) ことから区分外とした。
生殖細胞変異原性: マウスを用いた in vivo 小核試験(体細胞 in vivo 変異原性試験)による陰性結果 28) に基づき区分外とした。
発がん性: ラット及びマウスを用いた長期混餌投与による試験の結果、両動物種とも投与に起因する腫瘍発生頻度の増加は認められず 27) 、残留農薬安全性委員会で「発がん性なし」として評価済みであることに基づき区分外とした。
生殖毒性: ラットを用いた2世代繁殖試験において交配、分娩、哺育などの性機能や生殖能に影響なく 27) 投与によると思われる影響は認められていない 27) 。以上より生殖毒性を有しないものと判断されるので区分外とした。
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
ラットを用いた経口あるいは吸入(ダスト)による単回ばく露試験において、雌雄とも経口の場合10000mg/kgまでの用量で一過性の自発運動の低下のみ、吸入では5.98 mg/Lの濃度で試験物質に起因する影響が認められていない事実 27) に基づき区分外とした。
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
ラット、マウス又はイヌを用いた13週間反復経口投与試験において、ガイダンス値上限(100mg/kg/day)を上回る用量で重大な毒性影響が認められていない 28) , 21) 。また、ラット、マウス又はイヌに長期(1年半〜2年)経口投与した場合にも、ガイダンス値範囲上限を超える用量での重大な影響は認められていない 21) 。このように複数の動物種を用いた投与期間の異なる各試験において、いずれもガイダンス値範囲上限を上回る用量で重大な毒性影響を認めていない事実に基づき区分外とした。なお、さらに高用量の投与では肝臓及び甲状腺の重量増加、肝細胞の脂肪変性、空胞化などが報告されている 28) , 21)
吸引性呼吸器有害性: データなし

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: 魚類(コイ)の96時間LC50=3.21mg/L 38) から、区分2とした。
水生生物に毒性(区分2)
水生環境慢性有害性: 急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow = 3.7 55) 、急速分解性がないと推定される 54) ことから、区分2とした。
長期的影響により水生生物に毒性(区分2)

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装: 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 非危険物
航空規制情報 非危険物
国内規制
陸上規制情報 非該当
海上規制情報 非危険物
航空規制情報 非危険物
特別の安全対策 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)

16.その他の情報
参考文献
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8) Patty (4th, 1994)
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28) 農薬登録申請資料 (2005)
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31) 有機化合物辞典
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33) 環境省リスク評価第2巻 (2003)
34) ALGY学会(感)物質リスト(案)
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38) 農薬登録申請資料、2004)
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50) CERI・NITE有害性評価書 No.64 (2003)
51) 既存化学物質安全性点検データ
52) CERIハザードデータ集 (2002)
53) NFPA (2001)
54) BIOWIN
55) PHYSPROP Database(2005)
災害事例
情報なし