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安全データシート
ニコチン
作成日2002年 11月 5日
改定日2006年9月11日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: ニコチン
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03−1234−5678
緊急連絡電話番号: 03−1234−5678
FAX番号: 03−1234−5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 殺虫剤、殺菌剤

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 分類対象外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 区分外
可燃性固体 分類対象外
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 区分外
自然発火性固体 分類対象外
自己発熱性化学品 分類できない
水反応可燃性化学品 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
人健康有害性 急性毒性(経口) 区分1
急性毒性(経皮) 区分1
急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
急性毒性(吸入:粉じん) 分類対象外
急性毒性(吸入:ミスト) 分類できない
皮膚腐食性・刺激性 分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 分類できない
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 分類できない
生殖細胞変異原性 区分外
発がん性 分類できない
生殖毒性 区分2
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露)
区分1(神経系、呼吸器系、心臓血管系、消化管)、区分3(気道刺激性)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露)
分類できない
吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境有害性 水生環境急性有害性 分類できない
水生環境慢性有害性 分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル: どくろ 健康有害性
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 飲み込むと生命に危険(経口)
皮膚に接触すると生命に危険(経皮)
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
神経系、呼吸器系、心臓血管系、消化管の障害
呼吸器への刺激のおそれ
注意書き: 【安全対策】
使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
適切な保護手袋、保護衣を着用すること。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
眼、皮膚、又は衣類に付けないこと。
必要に応じて換気装置を使用し、ばく露を避けること。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
取扱い後はよく手を洗うこと。
【応急措置】
吸入した場合、被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
直ちに、すべての汚染された衣類を脱ぐこと、又は取り除くこと。
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。
皮膚に付着した場合、直ちに医師に連絡すること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
飲み込んだ場合、口をすすぐこと。
飲み込んだ場合、直ちに医師に連絡すること。
ばく露又はその懸念がある場合、医師の手当、診断を受けること。
【保管】
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務を委託すること。
国・地域情報

3.組成、成分情報
化学物質
化学名又は一般名: ニコチン(Nicotine)
別名: 1-Methyl-2-(3-pyridyl)pyrrolidine
(S)-3-(1-Methylpyrrolidin-2-yl)pyridine
化学式: C10H14N2
化学特性(化学式又は構造式): 化学式又は構造式
CAS番号: 54-11-5
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
化審法 (9)-990  安衛法 8-(1)-6758-(1)-1010
分類に寄与する不純物及び安定化添加物:
濃度又は濃度範囲

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
医師の手当、診断を受けること。
皮膚に付着した場合: 直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。
多量の水と石鹸で洗うこと。
直ちに医師に連絡すること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
目に入った場合: 水で数分間注意深く洗うこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合: 直ちに医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
予想される急性症状及び遅発性症状: 吸入:灼熱感、吐き気、嘔吐、めまい、頭痛、心臓の苦痛、腹痛、下痢、蒼白、冷汗、虚脱、痙攣。
皮膚:刺激、炎症。
眼:発赤刺激。
症状は遅くなって現れることがある。
最も重要な兆候及び症状:
応急措置をする者の保護: 救助者は、状況に応じて適切な保護具を着用する。
医師に対する特別な注意事項: 安静と症状の医学的な経過観察が必要。

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、散水
大火災:散水、噴霧水、耐アルコール性泡消火剤
使ってはならない消火剤: 棒状注水
特有の危険有害性: 極めて毒性が強い。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
火災によって刺激性、腐食性又は毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法: 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用すること。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
風上に留まる。
低地から離れる。
環境に対する注意事項: 環境中に放出してはならない。
河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
回収、中和: 漏れた液を密閉式の容器に集める。残留液を砂又は不活性吸収物質に吸収させて安全な場所に移す。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策: すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気・全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項: 使用前に使用説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
取扱い後はよく手を洗うこと。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。
保管場所の床は、床面に水が浸入し、又は浸透しない構造とすること。
保管場所の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適切な傾斜をつけ、かつ、適切なためますを設けること。
保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管条件: 熱、火花、裸火のような着火源から離して保管すること。−禁煙。
強酸化剤から離して保管する。
容器を密閉して換気の良い冷所で保管すること。
施錠して保管すること。
容器包装材料: 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 未設定
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 未設定
ACGIH (2005年版) TLV-TWA 0.5mg/m3 (skin)
設備対策: できるだけ空気中の濃度を許容濃度以下に保つために排気装置を設ける。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
保護具
呼吸器の保護具: 適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具: 適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具: 適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具: 適切な顔面用の保護具を着用すること。
しぶきの可能性がある場合は、全面耐薬品性防護服(例えば、酸スーツ)及びブーツが必要である。
衛生対策: この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 無色-淡黄色油状の液体 1) , 3) , 4)
臭い: 特異臭 1) , 3)
pH: 10.2 (0.05M) 4)
融点・凝固点: -79℃(融点) 11)     -80℃(融点) 1)
沸点、初留点及び沸騰範囲: 247℃(沸点) 1) , 4)   250℃(分解) 5)
引火点: 95℃(密閉式) 1)   23.4℃ 13)
爆発範囲: 0.7-4voL% 1)
蒸気圧: 0.006kPa (20℃) 1)  
蒸気密度(空気 = 1): 5.6 1)
比重(密度): 1.00925 (20℃/4℃)(比重) 4)   1.0(比重) 11)  1.011)
溶解度: 水と混和する。 1) , 6)
エタノール クロロホルムなど多くの有機溶剤に可溶。 2) , 6)
オクタノール/水分配係数: log Pow = 1.17 (測定値) 8)  log Pow = 1.2 1)
自然発火温度: 240℃ 1)   244℃ 14)
分解温度: 250℃ 5)
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  非該当
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 吸湿性がある。
空気にばく露すると褐色になる。
危険有害反応可能性: 強酸化剤と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。
避けるべき条件: 混触危険物質との接触。ゴム、ある種のプラスチックスを侵す。
混触危険物質: 強酸化剤。
危険有害な分解生成物: 燃焼により、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物などを発生する。

11.有害性情報
急性毒性: 経口 ヒトでの経口摂取による致死量は、50-60mg 9) 又は、40-60mg13) , 15) , 16) と概算されるとの記述があり、ヒトの経口致死量は1mg/kgを下回ると判断されることから、区分1とした。
飲み込むと生命に危険(経口)
経皮 ウサギのLD50 値:50mg/kg 17) ラットのLD50 値:140mg/kg 17) であることから、低い方のウサギのLD50 値でに基づき、区分1とした。
皮膚に接触すると生命に危険(経皮)
吸入(蒸気) データなし
吸入(ミスト) データなし
皮膚腐食性・刺激性: データ不足のため分類できない
眼に対する重篤な損傷・刺激性: データ不足のため分類できない
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:データなし
生殖細胞変異原性: マウスでの優性致死試験で陰性の結果がある 17) との記述があり、その他に in vivo での変異原性試験データがないことから、区分外とした。
発がん性: データ不足のため分類できない
生殖毒性 ラット、マウス、ウサギの妊娠期間に皮下投与又は経口投与した試験で、催奇形性は見られていないが、母獣に体重増加抑制が認められる用量で胎児に発育の遅延及び脳の未発達が観察された 9) , 17) との記述、及びラットでの妊娠・授乳期間に投与した試験では、母乳の分泌が著しく減少したため、大部分の出生仔が死亡した 17) との記述から、区分2とした。
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
ヒトの急性中毒では、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、初期に頻呼吸、血管収縮、血圧上昇、神経興奮が現れ、後に血圧低下、徐脈、呼吸抑制、頭痛、眠気、めまい、筋肉の脱力、中枢神経作用、心臓の不整律動、意識混濁などが観察される 9) , 13) , 17) との記述から、区分1(神経系、呼吸器系、心臓血管系、消化管)とした。又、気道刺激性がある 13) との記載があることから、区分3(気道刺激性)とした。
神経系、呼吸系、心臓血管系、消化管の障害
呼吸器への刺激のおそれ
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
データなし
吸引性呼吸器有害性: データなし

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: データ不足のため分類できない
水生環境慢性有害性: データ不足のため分類できない

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上、処理を委託する。
汚染容器及び包装: 空容器を廃棄する時は、内容物を完全に除去した後に処分する。
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務を委託すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 1654
Proper Shipping Name: NICOTINE
Class: 6.1
Packing Group: II
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 1654
Proper Shipping Name: Nicotine
Class: 6.1
Packing Group: II
国内規制
陸上規制情報 消防法、毒劇法の規定に従う。
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 1654
品名: ニコチン
クラス: 6.1
容器等級: II
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 1654
品名: ニコチン
クラス: 6.1
容器等級: II
特別の安全対策 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
重量物を上積みしない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
毒物及び劇物取締法 毒物
(法第2条別表第1)
消防法: 第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体
(法第2条第7項危険物別表第1)
船舶安全法 毒物類・毒物
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法 毒物類・毒物
(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
1) ICSC (J) (1997)
2) 有機化合物辞典 (1985)
3) ホンメル (1991)
4) Merck (Access on Sep 2005)
5) Weiss (2nd 1986)
6) Sax (8th, 1992)
7) RTECS (2004)
8) Howard (1997)
9) ACGIH 7th(2001)
10) Lange (14th, 1992)
11) HODOC (2nd, 1989)
12) SRC (Access on Sep 2005)
13) HSDB (Access on Sep 2005)
14) NFPA (12th, 1997)
15) SITTIG (4th, 2002)
16) DHP (13th, 2002)
17) PATTY, 4th (1994)
18) 化学物質の危険・有害性便覧 中央災害防止協会 1992
19) GHS分類結果(住化・NITE)
20) 日化協「緊急時応急措置指針、容器イエローカード(ラベル方式)」
21) 日化協「化学物質法規制検索システム」(CD-ROM) (2005)
22) 日本ケミカルデータベース(株)「化学品総合データベース」(2005)
23) Amoore,J.E. and Haulata,E. Jouranal of Applied Toxicology, 3(6) 272 (1983)
災害事例
情報なし