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安全データシート
1,1’‐ジメチル‐4,4’‐ビピリジニウム二メタンスルホン酸塩
作成日2003年 5月6日
改定日2006年 7月28日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: 1,1’‐ジメチル‐4,4’‐ビピリジニウム二メタンスルホン酸塩
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03−1234−5678
緊急時の電話番号: 03−1234−5678
FAX番号: 03−1234−5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 農薬(殺虫殺菌剤)

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 分類対象外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 区分外
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 区分外
自己発熱性化学品 区分外
水反応可燃性化学品 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 区分外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
人健康有害性 急性毒性(経口) 区分3
急性毒性(経皮) 区分3
急性毒性(吸入:気体) 分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
急性毒性(吸入:粉じん) 区分1
急性毒性(吸入:ミスト) 分類対象外
皮膚腐食性・刺激性 区分2
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分2B
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 区分外
生殖細胞変異原性 区分外
発がん性 分類できない
生殖毒性 区分外
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露)
区分1(腎臓、肝臓、呼吸器系)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露)
区分1(肺、腎臓、肝臓)
吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境有害性 水生環境急性有害性 分類できない
水生環境慢性有害性 分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル: どくろ 健康有害性
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 飲み込むと有毒(経口)
皮膚に接触すると有毒(経皮)
吸入すると生命に危険(粉じん)
皮膚刺激
眼刺激
腎臓、肝臓、呼吸器系の障害
長期又は反復ばく露による肺、腎臓、肝臓の障害
注意書き: 【安全対策】
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
呼吸用保護具を着用すること。
保護手袋、保護衣を着用すること。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
粉じんを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
【応急措置】
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易に外せる場合には外して洗うこと。
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。
衣類にかかった場合、直ちに、すべての汚染された衣類を脱ぐこと、取り除くこと。
汚染された保護衣を再使用する場合には洗濯すること。
ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合:直ちに医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
吸入した場合、直ちに医師の診断、手当てを受けること。
皮膚刺激があれば、医師の診断、手当てを受けること。
【保管】
容器を密閉して換気の良い場所で施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国・地域情報:

3.組成、成分情報
化学物質
化学名又は一般名: 1,1’‐ジメチル‐4,4’‐ビピリジニウム二メタンスルホン酸塩
(1,1'-Dimethyl-4,4'-bipyridinium bis(methyl sulfate))
別名: パラコート=二メチル硫酸 (Paraquat bismethyl sulfate)
パラコート‐ジメチルスルフェート
化学式: C12H14N2・2(CH3O4S)
化学特性(化学式又は構造式): 化学式又は構造式
CAS番号: 2074-50-2
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
(5)-3722
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 情報なし

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
直ちに医師に連絡すること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
皮膚に付着した場合: 直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。
皮膚を速やかに洗浄すること。
多量の水と石鹸で洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
目に入った場合: 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が持続する場合、気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
飲み込んだ場合: 直ちに医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 吸入した場合:蒸気、粉じんが作用すると気道、肺に刺激とただれが起こる。まず最初に該当する粘膜及び皮膚部位に無痛の水泡と腫瘍の生成及び炎症ならびに眼に腫瘍、咳、頭痛、手足の痛み、筋肉衰弱、まれに、麻痺、興奮状態、ふるえ、吐き気、腸癌痛及び他の胃腸障害、呼吸困難、2、3日後、咳、血痰、呼吸困難、死に至る。
皮膚に触れた場合:刺激とただれが起こる。生命に危険が及ぼす作用は蒸気、粉じんの皮膚を経由する体内吸収に現われる。
眼に入った場合:目に刺激とただれが起こる。刺激性、発赤、痛み、重度の損傷を起こすことがある。
飲み込んだ場合:腐食性、咽頭痛、腹痛、嘔吐、下痢、口内又は咽頭の損傷、呼吸困難、排水腫。
最も重要な兆候及び症状:

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、散水
大火災:散水、水噴霧、一般の泡消火剤
使ってはならない消火剤: 棒状注水
特有の危険有害性: 火災によって刺激性、腐食性又は毒性のガスを発生するおそれがある。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
特有の消火方法: 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
容器内に水を入れてはいけない。
消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。
大火災の場合、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。これが不可能な場合には、その場所から避難し、燃焼させておく。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
風上に留まる。
低地から離れる。
環境に対する注意事項: 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
環境中に放出してはならない。
回収、中和: 乾燥した土、砂あるいは不燃性物質で吸収し、あるいは覆って容器に移す。
漏洩物を掃き集めて空容器に回収する。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策: 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
容器内に水を入れてはいけない。
プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項: 空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行うこと。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管条件: 施錠して保管すること。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
容器包装材料: 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 設定されていない。
ACGIH (2005年版) 設定されていない。
設備対策: この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
完全密閉系及び完全密閉装置でのみ取り扱うこと。
工程の密閉化、局所排気その他の設備対策を使用する。
高熱工程で粉じん、ヒュームが発生するときは換気装置を設置する。
保護具
呼吸器の保護具: 適切な呼吸用保護具を着用すること。
ばく露の可能性のあるときは、送気マスク、空気呼吸器、又は酸素呼吸器を着用する。
この物質を扱う時はいつも適切な陽圧空気供給式呼吸器を着用すること。
手の保護具: 適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具: 適切な眼の保護具を着用すること。
保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型)
皮膚及び身体の保護具: 適切な顔面用の保護具を着用すること。
衛生対策: この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 黄色固体 2)
臭い: データなし
pH: データなし
融点・凝固点: 約300℃(融点) 2)
沸点、初留点及び沸騰範囲: データなし
引火点: 不燃性 17)
爆発範囲: 不燃性 17)
蒸気圧: 0.000248mmHg(25℃) [換算値 0.0331Pa(25℃)] 5)
蒸気密度(空気 = 1): データなし
比重(密度): データなし
溶解度: 易溶(水) 10)
低級アルコールに微溶、炭化水素に不溶 10)
オクタノール/水分配係数: log Pow = -0.56 5)
自然発火温度: 不燃性 17)
分解温度: データなし
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  データなし
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 通常の温度、圧力下では安定である。
300℃以上に加熱すると分解し、有毒なヒューム(窒素酸化物、硫黄酸化物など)を生じる。
危険有害反応可能性: 強酸化剤と接触する場合、激しい反応が起こりうる。
避けるべき条件: 加熱。
混触危険物質: 強酸、フッ素、その他のハロゲン類。
危険有害な分解生成物: 窒素酸化物、硫黄酸化物。

11.有害性情報
急性毒性: 経口:4件のデータ 10) , 35) を統計計算して、230.3mg/kgを得た。「区分3となる。
飲み込むと有毒(経口)(区分3)
経皮:3件のデータ 10) , 35) を統計計算して、213.5mg/kgを得た。区分3となる。
皮膚に接触すると有毒(経皮)(区分3)
吸入(蒸気):蒸気での急性吸入試験データがなく、分類できない。蒸気圧が極めて低く、致死量に達する蒸気は、常温では発生しない。
吸入(粉じん):粉じんサイズが大きいときを除く3件のデータ 10) , 35) すべてが0.05mg/L以下であったので区分1とした。
吸入すると生命に危険(粉じん)(区分1)
皮膚腐食性・刺激性: 皮膚を刺激するとの情報がヒト 10) 及び動物 35) であったので区分2とした。反復ばく露ではラット、マウスで皮膚の壊死も見られる 35)
皮膚刺激(区分2)
眼に対する重篤な損傷・刺激性: ヒト 10) 及びウサギ 35) で眼の刺激が報告されているが、ウサギは4日間で治癒しているので「区分2B」とした。
眼刺激(区分2B)
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:情報がなく、分類できない。
皮膚感作性:モルモットで感作が認められなかったという報告がある 35) ので「区分外」とした。
生殖細胞変異原性: マウスの優性致死試験で陰性結果があり、in vivo 骨髄細胞試験でも陰性であった 35) ので「区分外」とした。in vitro 試験でも陽性は確認されていない。
発がん性: パラコートはEPAがCに分類しているので、区分外となる。しかし対イオンのメチル硫酸について、類似物質のジメチル硫酸を各評価機関が発がん性に分類している。パラコート=二メチル硫酸についての評価は行われていない。
生殖毒性: ラットでの3世代経口投与実験で、悪影響が認められていない 35) ので「区分外」とした。
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
ヒトの事故ばく露の各回復症例 35) で腎臓、肝臓、肺が共通していた。事故例 10) では呼吸器障害を挙げているので肺はこれと統合し、「区分1(腎臓、肝臓、呼吸器系)」とした。
腎臓、肝臓、呼吸器系の障害(区分1)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
区分1のガイダンス値内のラット反復経口投与実験で、血液生化学検査(ChE,GPT)並びに病理検査で肺・腎臓・肝臓に悪影響が見られている35)ので「区分1(肺、腎臓、肝臓)」とした。
長期又は反復ばく露による肺、腎臓、肝臓の障害(区分1)
吸引性呼吸器有害性: データ不足のため分類できない

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: データ不足のため分類できない
水生環境慢性有害性: データ不足のため分類できない

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装: 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 2781
Proper Shipping Name: BIPYRIDILIUM PESTICIDE, SOLID, TOXIC
Class: 6.1
Packing Group: III
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 2781
Proper Shipping Name: Bipyridilium pesticide, solid, toxic
Class: 6.1
Packing Group: III
国内規制
陸上規制情報 非該当
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 2781
品名: ビピリジリウム系殺虫殺菌剤類(固体)(毒性のもの)(他に品名が明示されているものを除く。)
クラス: 6.1
容器等級: III
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 2781
品名: 殺虫殺菌剤(ビピリジリウム系)(固体)(毒性のもの)(他に品名が明示されているものを除く。)
クラス: 6.1
等級: III
特別の安全対策 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
重量物を上積みしない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
船舶安全法: 毒物類・毒物
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法 : 毒物類・毒物
(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
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災害事例
情報なし