製品安全データシート |
無水マレイン酸 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
作成日2002年 3 月12日 |
|
|
|
|
|
|
|
改定日2006年10月30日 |
|
1.化学物質等及び会社情報 |
|
|
|
|
|
化学物質等の名称: |
無水マレイン酸 |
|
|
製品コード: |
○○○ |
|
会社名: |
○○○○株式会社 |
|
|
住所: |
東京都△△区△△町△丁目△△番地 |
|
|
電話番号: |
03−1234−5678 |
|
|
緊急連絡電話番号: |
03−1234−5678 |
|
|
FAX番号: |
03−1234−5678 |
|
|
メールアドレス: |
|
|
推奨用途及び使用上の制限: |
不飽和ポリエステル樹脂、テトラハイドロフラン、フマール酸、コハク酸、リンゴ酸、紙サイズ剤、合成樹脂塗料、塩ビ安定剤、可塑剤、農薬、皮なめし、界面活性剤 |
|
2.危険有害性の要約 |
|
|
|
|
|
GHS分類 |
|
|
|
|
|
|
物理化学的危険性 |
火薬類 |
分類対象外 |
|
|
|
|
可燃性・引火性ガス |
分類対象外 |
|
|
|
|
可燃性・引火性エアゾール |
分類対象外 |
|
|
|
|
支燃性・酸化性ガス |
分類対象外 |
|
|
|
|
高圧ガス |
分類対象外 |
|
|
|
|
引火性液体 |
分類対象外 |
|
|
|
|
可燃性固体 |
区分外 |
|
|
|
|
自己反応性化学品 |
区分外 |
|
|
|
|
自然発火性液体 |
分類対象外 |
|
|
|
|
自然発火性固体 |
区分外 |
|
|
|
|
自己発熱性化学品 |
分類できない |
|
|
|
|
水反応可燃性化学品 |
分類対象外 |
|
|
|
|
酸化性液体 |
分類対象外 |
|
|
|
|
酸化性固体 |
分類対象外 |
|
|
|
|
有機過酸化物 |
分類対象外 |
|
|
|
|
金属腐食性物質 |
分類できない |
|
|
人健康有害性 |
急性毒性(経口) |
区分4 |
|
|
|
|
急性毒性(経皮) |
区分3 |
|
|
|
|
急性毒性(吸入:ガス) |
分類対象外 |
|
|
|
|
急性毒性(吸入:蒸気) |
分類できない |
|
|
|
|
急性毒性(吸入:粉じん) |
区分できない |
|
|
|
|
急性毒性(吸入:ミスト) |
分類対象外 |
|
|
|
|
皮膚腐食性・刺激性 |
区分1A-1C |
|
|
|
|
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 |
区分1 |
|
|
|
|
呼吸器感作性 |
区分1 |
|
|
|
|
皮膚感作性 |
区分1 |
|
|
|
|
生殖細胞変異原性 |
区分外 |
|
|
|
|
発がん性 |
区分外 |
|
|
|
|
生殖毒性 |
区分外 |
|
|
|
|
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露) |
区分1(呼吸器、消化管) |
|
|
|
|
区分2(肝臓) |
|
|
|
|
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露) |
区分1(呼吸器、血液系) |
|
|
|
|
区分2(腎臓、肝臓、脾臓) |
|
|
|
|
吸引性呼吸器有害性 |
分類できない |
|
|
環境有害性 |
水生環境急性有害性 |
区分3 |
|
|
|
|
水生環境慢性有害性 |
区分外 |
|
ラベル要素 |
|
|
|
|
|
|
絵表示又はシンボル: |
|
|
|
注意喚起語: |
危険 |
|
|
|
|
|
危険有害性情報: |
飲み込むと有害(経口) |
|
|
|
|
皮膚に接触すると有毒(経皮) |
|
|
|
|
吸入すると生命に危険(粉じん) |
|
|
|
|
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷 |
|
|
|
|
重篤な眼の損傷 |
|
|
|
|
吸入するとアレルギー、ぜん(喘)息又は呼吸困難を起こすおそれ |
|
|
|
|
アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ |
|
|
|
|
呼吸器、消化管の障害 |
|
|
|
|
肝臓の障害のおそれ |
|
|
|
|
長期又は反復ばく露による呼吸器系、血液系の障害 |
|
|
|
|
長期又は反復ばく露による腎臓、肝臓、脾臓の障害のおそれ |
|
|
|
|
水生生物に有害 |
|
|
注意書き: |
【安全対策】 |
|
|
|
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 |
|
|
|
呼吸用保護具を着用すること。 |
|
|
|
換気が十分でない場合には呼吸用保護具を着用すること。 |
|
|
|
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 |
|
|
|
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。 |
|
|
|
粉じんを吸入しないこと。 |
|
|
|
取扱い後はよく手を洗うこと。 |
|
|
|
汚染された作業衣を作業場から出さないこと。 |
|
|
|
環境への放出を避けること。 |
|
|
|
【応急措置】 |
|
|
|
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 |
|
|
|
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。 |
|
|
|
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易に外せる場合には外して洗うこと。 |
|
|
|
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。 |
|
|
|
衣類にかかった場合、直ちに、すべての汚染された衣類を脱ぐこと、取り除くこと。 |
|
|
|
汚染された保護衣を再使用する場合には洗濯すること。 |
|
|
|
ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。 |
|
|
|
飲み込んだ場合:気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。 |
|
|
|
眼に入った場合、直ちに医師の診断、手当てを受けること。 |
|
|
|
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 |
|
|
|
吸入した場合、直ちに医師の診断、手当てを受けること。 |
|
|
|
呼吸に関する症状が出た場合には、医師の診断、手当てを受けること。 |
|
|
|
皮膚刺激又は発疹がおきた場合は、医師の診断、手当てを受けること。 |
|
|
|
【保管】 |
|
|
|
容器を密閉して換気の良い場所で施錠して保管すること。 |
|
|
|
【廃棄】 |
|
|
|
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。 |
|
|
国・地域情報 |
国内法は第15章「適用法令」を参照のこと。 |
|
3.組成、成分情報 |
|
|
|
|
|
化学物質 |
|
|
|
|
|
|
化学名又は一般名: |
無水マレイン酸(Maleic anhydride) |
|
|
別名: |
2,5-フランジオン(2,5-Furandione) |
|
|
化学式: |
C4H2O3 |
|
|
|
|
|
化学特性(化学式又は構造式): |
|
|
|
CAS番号: |
108-31-6 |
|
|
|
|
|
官報公示整理番号
(化審法・安衛法): |
(2)-1101 |
|
|
|
|
|
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: |
情報なし |
|
|
濃度又は濃度範囲 |
情報なし |
|
4.応急措置 |
|
|
|
|
|
吸入した場合: |
被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 |
|
|
|
|
直ちに医師に連絡すること。 |
|
|
|
|
呼吸に関する症状が出た場合には、医師に連絡すること。 |
|
皮膚に付着した場合: |
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。 |
|
|
|
|
皮膚を速やかに洗浄すること。 |
|
|
|
|
多量の水と石鹸で洗うこと。 |
|
|
|
|
直ちに医師に連絡すること。 |
|
|
|
|
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。 |
|
目に入った場合: |
水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 |
|
|
|
直ちに医師に連絡すること。 |
|
飲み込んだ場合: |
直ちに医師に連絡すること。 |
|
|
|
口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 |
|
予想される急性症状及び遅発性症状: |
吸入: 灼熱感、咳、咽頭痛、息切れ、喘鳴 |
|
|
|
|
喘鳴の症状は2〜3時間経過するまで現れない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である。 |
|
|
|
|
子の物質により喘鳴の症状を示した者は、以後この物質に接触しないこと。 |
|
|
|
|
皮膚: 皮膚の乾燥、発赤、痛み |
|
|
|
|
この物質は高温の液体(70℃)としても輸送される;皮膚との接触をさけること。 |
|
|
|
|
眼: 発赤、痛み、熱傷 |
|
|
|
|
経口摂取: 吐き気、腹痛、灼熱感、嘔吐、下痢 |
|
最も重要な兆候及び症状: |
|
|
応急措置をする者の保護: |
救助者は、状況に応じて適切な保護具を着用する。 |
|
医師に対する特別な注意事項: |
安静と医学的な経過観察が必要。 |
|
5.火災時の措置 |
|
|
|
|
|
消火剤: |
水噴霧、水溶性液体用泡消火剤、二酸化炭素 |
|
使ってはならない消火剤: |
アルカリ金属を含む粉末消火剤(ABC消火器) |
|
特有の危険有害性: |
加熱あるいは水の混入により容器が爆発するおそれがある。 |
|
|
|
|
火災によって刺激性、腐食性又は毒性のガスを発生するおそれがある。 |
|
特有の消火方法: |
危険でなければ火災区域から容器を移動する。 |
|
|
|
|
消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。 |
|
|
|
|
容器内に水を入れてはいけない。 |
|
|
|
|
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。 |
|
消火を行う者の保護: |
消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣(耐熱性)を着用すること。 |
|
6.漏出時の措置 |
|
|
|
|
|
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: |
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 |
|
関係者以外の立入りを禁止する。 |
|
|
|
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 |
|
|
|
|
適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。 |
|
|
|
|
風上に留まる。 |
|
|
|
|
低地から離れる。 |
|
|
|
|
密閉された場所に立入る前に換気する。 |
|
環境に対する注意事項: |
環境中に放出してはならない。 |
|
|
|
|
河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。 |
|
回収、中和: |
漏洩物は清潔な帯電防止工具を用いて集め、密閉できる非金属製又はステンレス鋼製空容器に回収する。 |
|
封じ込め及び浄化の方法・機材: |
危険でなければ漏れを止める。 |
|
|
|
|
漏出物を取扱うとき用いる全ての設備は接地する。 |
|
|
|
|
少量の場合、乾燥土、砂や不燃材料で覆い更にプラスチックシートで飛散を防止し、雨に濡らさない。 |
|
二次災害の防止策: |
すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 |
|
|
|
|
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
|
7.取扱い及び保管上の注意 |
|
|
|
|
|
取扱い |
|
|
|
|
|
|
技術的対策: |
「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 |
|
|
局所排気・全体換気: |
「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気・全体換気を行なう。 |
|
|
安全取扱い注意事項: |
周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。 |
|
|
|
|
接触、吸入又は飲み込まないこと。 |
|
|
|
|
空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行うこと。 |
|
|
|
|
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 |
|
|
|
|
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。 |
|
|
|
|
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 |
|
|
|
|
取扱い後はよく手を洗うこと。 |
|
|
|
|
環境への放出を避けること。 |
|
|
|
接触回避: |
「10.安定性及び反応性」を参照。 |
|
保管 |
|
|
|
技術的対策: |
保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。 |
|
|
混触危険物質: |
「10.安定性及び反応性」を参照。 |
|
|
保管条件: |
熱、火花、裸火のような着火源から離して保管すること。−禁煙。 |
|
|
|
|
混触危険物質から離して保管すること。 |
|
|
|
|
容器を密閉して換気の良い冷所で保管すること。 |
|
|
|
|
施錠して保管すること。 |
|
|
容器包装材料: |
国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
|
8.ばく露防止及び保護措置 |
|
|
|
|
|
管理濃度: |
未設定 |
|
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標): |
|
|
|
日本産業衛生学会(2005年版) |
0.1ppm 0.4mg/m3 感作性:気道及び皮膚に対して第2群 |
|
|
ACGIH (2005年版) |
TLV-TWA 0.1ppm SEN;A4 |
|
設備対策: |
防爆の電気・換気・照明機器を使用すること。 |
|
|
|
|
気中濃度を推奨された許容濃度以下に保つために、工程の密閉化、局所排気、その他の設備対策を使用する。 |
|
|
|
|
高熱取扱いで、工程で粉じん、ヒュームが発生するときは、空気汚染物質を許容濃度以下に保つために換気装置を設置する。 |
|
|
|
|
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 |
|
保護具 |
|
|
|
呼吸器の保護具: |
適切な呼吸器保護具を着用すること。 |
|
|
|
|
防じんマスク、簡易防じんマスク |
|
|
手の保護具: |
適切な保護手袋を着用すること。 |
|
|
|
|
二トリルゴム及び塩ビは適切な保護材料ではない。ネオプレンが推奨される。 |
|
|
眼の保護具: |
適切な眼の保護具を着用すること。 |
|
|
|
|
化学飛沫用のゴーグル及び適切な顔面保護具を着用すること。 |
|
|
皮膚及び身体の保護具: |
適切な保護衣、顔面用の保護具、保護靴等を着用すること。 |
|
衛生対策: |
取扱い後はよく手を洗うこと。 |
|
|
|
|
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 |
|
9.物理的及び化学的性質 |
|
|
|
|
|
|
物理的状態、形状、色など: |
白色結晶1) |
|
|
臭い: |
刺激臭 1) |
|
|
pH: |
2.42 (1×10-2 mol/L 水溶液);2.62(5×10-3 mol/L);3.10×(1×10-4 mdl/L)10) |
|
|
融点・凝固点: |
53℃(融点)1) |
|
|
沸点、初留点及び沸騰範囲: |
202℃ (沸点)1) |
|
|
引火点: |
102℃(密閉式)1) |
|
|
爆発範囲: |
下限 1.4 vol % 上限 7.1 vol %1) |
|
|
蒸気圧: |
25Pa (25℃) 1) |
|
|
蒸気密度(空気 = 1): |
3.41) |
|
|
比重(密度): |
1.5g/cm3 (密度)1) |
|
|
溶解度: |
水への溶解度 : 40g/100mL(水)
メタノールに易溶、アセトン:27g/100g (25℃)、トルエン:23.4g/100g (25℃)10) |
|
|
オクタノール/水分配係数: |
log Pow = 1.62 10) |
|
|
自然発火温度: |
477℃1) |
|
|
分解温度: |
データなし |
|
|
臭いのしきい(閾)値 |
データなし |
|
|
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): |
データなし |
|
|
燃焼性(固体、ガス): |
可燃性 |
|
|
粘度: |
データなし |
|
10.安定性及び反応性 |
|
|
|
|
|
安定性: |
通常の使用条件下では安定。 |
|
危険有害反応可能性: |
アルカリ類、アルコール類、アミン類と反応する。 |
|
|
|
|
水の存在下、鉄と反応して低温発火性のマレイン酸鉄塩を生成する。 |
|
|
|
|
水と混合すると、水和熱及びフマール酸への転移熱で温度が上がり、発火することがある。 |
|
避けるべき条件 |
水、混触危険物質との接触。 |
|
混触危険物質: |
アルカリ類、アルコール類、アミン類 |
|
危険有害な分解生成物: |
燃焼により、一酸化炭素、二酸化炭素などを生成する。 |
|
|
|
|
加水分解により、刺激性・腐食性の強いマレイン酸を生成する。 |
|
11.有害性情報 |
|
|
|
|
|
|
急性毒性: |
経口 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50 850mg/kg 9) 235
mg/kg(雌) 3) 400
mg/kg 3) 409mg/kg (雄) 3) 495mg/kg 3) 824
mg/kg 3) 840mg/kg 3) 900mg/kg 3) 1100
mg/kg 3) 1050mg/kg 3) から計算式を適用して求めた LD50 =
555mg/kg に基づき、区分4とした。 |
|
|
|
|
|
飲み込むと有害(経口) |
|
|
|
|
経皮 |
ラットを用いた経皮投与試験のLD50 = 610mg/kg 2) 及びウサギを用いた
LD50 = 2620
mg/kg 3) に基づき、区分3とした。 |
|
|
|
|
|
皮膚に接触すると有毒(経皮) |
|
|
|
|
吸入(ガス) |
GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
|
|
|
|
吸入(蒸気) |
ラットを用いた吸入ばく露試験 (蒸気) のLC50 0.16mg/L(39.9ppm相当) (4時間)2) が得られた。飽和蒸気圧25Pa(25℃)1) における飽和蒸気圧濃度は250ppmである。今回得られたLC50 は、飽和蒸気圧濃度の90%より低い濃度であるため、「ミストがほとんど混在しない蒸気」として、ppm濃度基準値で区分1とした。 |
|
|
|
|
|
吸入すると生命に危険
|
|
|
|
|
吸入(粉じん) |
データなし |
|
|
皮膚腐食性・刺激性: |
ウサギを用いた皮膚刺激性試験データの記述に、4時間適用の結果ではないが、「水で湿潤粉末の適用で壊死を生じた」 3) とあることから、区分1A-1C とした。細区分が必要な場合は、安全性の観点から、1Aとした方が望ましい。 |
|
|
|
|
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷 |
|
|
眼に対する重篤な損傷・刺激性: |
ウサギを用いた眼刺激性試験の結果の記述に「重度の刺激性と、時に非可逆性の損傷がみられた」 3) 及びウサギを用いた眼刺激性試験の結果の記述に「重度で永続的なうっ血と、角膜内血管進入がみられた」 9)
とあることから、区分1とした。 |
|
|
|
|
重篤な眼の損傷 |
|
|
呼吸器感作性又は皮膚感作性: |
呼吸器感作性:日本職業・環境アレルギー学会特設委員会が気道感作性物質として報告している 4) ことから、区分1とした。 |
|
|
|
|
吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ |
|
|
|
|
皮膚感作性:モルモットを用いたmaximization法の結果の記述に「陽性」 2) とあり、又、日本職業・環境アレルギー学会特設委員会
が皮膚感作性物質として報告している 4) ことから、区分1とした。 |
|
|
|
|
アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ |
|
|
生殖細胞変異原性: |
経世代変異原性試験なし、生殖細胞 in vivo 変異原性試験なし、体細胞 in vivo 変異原性試験 (染色体異常試験) で陰性である 2) , 3) , 7) , 9) ことから、区分外とした。 |
|
|
発がん性: |
ACGIH でA4 9) に分類されていることから、区分外とした。 |
|
|
生殖毒性: |
親動物に一般毒性を示す用量まで、生殖・発生への影響はみられない 2) ,3) , 9) ことから、区分外とした。 |
|
|
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露): |
ヒトについては、「蒸気に誤ってばく露された事例では、ばく露直後に眼及び喉の焼灼感、咳、呼吸困難及び嘔吐、翌日の朝には喘ぎ呼吸、ラッセル音がみられ、気管支喘息と診断」 2) の記述、実験動物については、「吸入ばく露した実験で、気管支肺炎により死亡」 2) 「経口投与にて肝臓及び肺における出血」、「消化管の炎症(経皮ばく露にて)」 3) 等の記述があることから、呼吸器、肝臓、消化管が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1及び区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。以上より、分類は、区分1(呼吸器、消化管)、区分2(肝臓)とした。 |
|
|
|
|
呼吸器、消化管の障害 |
|
|
|
|
肝臓の障害のおそれ |
|
|
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露): |
ヒトについては、「無水マレイン酸にばく露された作業員の肺水腫の1例」、「上部気道刺激」 9) 「喘鳴及び息切れ」、「咳、喉頭への刺激及び焼灼感、羞明及び喘息」2)「喘息及び溶血性貧血」
8) の記述、実験動物では「鼻腔組織の炎症、過形成及び化生」 9) 「尿細管の拡張及び上皮の変性」、「赤血球数及びヘマトクリット値の減少」、「肺胞内出血」 2) 「肝臓、腎臓、脾臓の実質性萎縮」10)「血液系への影響」
11) 等の記述があることから、呼吸器、腎臓、肝臓、脾臓、血液系が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1及び区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。又、腎臓、肝臓、脾臓に対する影響は区分1に相当するガイダンス値で観察されたが、引用した評価書
10) のPriolityが2であることから、これらを区分2に分類した。以上より、分類は、区分1(呼吸器、血液系)、区分2(腎臓、肝臓、脾臓)とした。 |
|
|
|
|
長期又は反復ばく露による呼吸器、血液系の障害 |
|
|
|
|
長期又は反復ばく露による腎臓、肝臓、脾臓の障害のおそれ |
|
|
吸引性呼吸器有害性: |
データなし |
|
12.環境影響情報 |
|
|
|
|
|
水生環境急性有害性: |
藻類(セネデスムス)の72時間ErC50 = 29mg/L 12) から、区分3とした。 水生生物に有害。 |
|
水生環境慢性有害性: |
急速分解性があり(TOCによる分解度:85%)14) かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Pow = 1.62) 13) ことから、区分外とした。 |
|
13.廃棄上の注意: |
|
|
|
|
|
残余廃棄物: |
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 |
|
|
|
|
廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 |
|
|
|
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 |
|
|
|
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 |
|
|
燃焼法 |
可燃性の溶剤等と共に、アフターバーナ及びスクラバ付き焼却炉の火室へ噴霧し、焼却する。 |
|
汚染容器及び包装: |
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 |
|
|
|
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
|
14.輸送上の注意 |
|
|
|
|
|
国際規制 |
|
|
|
|
|
|
海上規制情報 |
IMOの規定に従う。 |
|
|
|
|
UN No.: |
2215 |
|
|
|
|
|
|
Proper Shipping Name: |
MALEIC ANHYDRIDE |
|
|
|
Class: |
8 |
|
|
|
|
|
|
Packing Group: |
III |
|
|
|
|
|
|
Marine Pollutant: |
Not applicable |
|
|
|
|
航空規制情報 |
ICAO/IATAの規定に従う。 |
|
|
|
|
UN No.: |
2215 |
|
|
|
|
|
|
Proper Shipping Name: |
Maleic anhydride |
|
|
|
Class: |
8 |
|
|
|
|
|
|
Packing Group: |
III |
|
|
|
|
国内規制 |
|
|
|
|
|
|
陸上規制情報 |
規制なし |
|
|
|
海上規制情報 |
船舶安全法の規定に従う。 |
|
|
|
|
国連番号: |
2215 |
|
|
|
|
|
|
品名: |
無水マレイン酸 |
|
|
|
クラス: |
8 |
|
|
|
|
|
|
容器等級: |
III |
|
|
|
|
|
|
海洋汚染物質: |
非該当 |
|
|
|
|
|
航空規制情報 |
航空法の規定に従う。 |
|
|
|
|
国連番号: |
2215 |
|
|
|
|
|
|
品名: |
無水マレイン酸(固体) |
|
|
|
品名: |
無水マレイン酸(溶融状のもの):輸送禁止 |
|
|
|
クラス: |
8 |
|
|
|
|
|
|
容器等級: |
III |
|
|
|
|
特別の安全対策 |
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 |
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 |
他の危険物や燃えやすい危険物に上積みしない。 |
他の危険物のそばに積載しない。
移送時にイエローカードの保持が必要。 |
|
15.適用法令 |
|
|
|
|
|
労働安全衛生法: |
名称等を通知すべき有害物
(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) |
(政令番号 第554号) |
|
化学物質排出把握管理促進法
(PRTR法) |
第1種指定化学物質
(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)
(政令番号 第313号) |
|
船舶安全法 |
腐食性物質
(危規則第2,3条危険物告示別表第1) |
|
航空法 |
腐食性物質
(施行規則第194条危険物告示別表第1) |
|
16.その他の情報 |
|
|
|
|
|
参考文献 |
|
|
|
|
1) ICSC (2004) |
|
|
|
2) CERIハザードデータ集 2001-4 (2002) |
|
|
|
3) DFGOT (vol. 4, 1992) |
|
|
|
4) 日本職業・環境アレルギー学会特設委員会 (2004) |
|
|
|
5) ATSDR (2000) |
|
|
|
6) 環境省リスク評価 第2巻 (2003) |
|
|
|
7) NTP DB (Acess on March 2006) |
|
|
|
8) DFGOT (vol.11, 1998) |
|
|
|
9) ACGIH (2001) |
|
|
|
10) HSDB (2005) |
|
|
|
11) IRIS (1988) |
|
|
|
12) CERI・NITE有害性評価書(暫定版) (2006) |
|
|
|
13) PHYSPROP DB (2005) |
|
|
|
14) 日本化学物質安全・情報センター「化審法既存化学物質安全性点検データ集」 |
|
|
|
15) 化学物質の危険・有害性便覧 中央災害防止協会 (1992) |
|
|
|
16) GHS分類結果(NITE) |
|
|
|
17) 日化協「緊急時応急措置指針、容器イエローカード(ラベル方式)」 |
|
|
|
18) 日化協「化学物質法規制検索システム」(CD-ROM) (2005) |
|
|
|
19) 日本ケミカルデータベース(株)「化学品総合データベース」(2005) |
|
|
|
20) Amoore,J.E. and Haulata,E. Jouranal of Applied Toxicology, 3(6) 272 (1983) |
|
災害事例 |
|
|
情報なし |