安全データシート
ベリリウム
作成日2003年05月06日
改定日2006年02月24日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: ベリリウム
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03-1234-5678
緊急時の電話番号: 03-1234-5678
FAX番号: 03-1234-5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 銅に混ぜてベリリウム銅合金として利用される。銅よりもはるかに強く、銅と同じように電気伝導性がある。また、アルミベリリウム合金も軽量かつ強度が高い特徴があり、F-1の部品(安全性の観点から2004年以降は使用禁止)や航空機の部品にも使用されている。また、ベリリウムはX線に対する透過率が非常に高いため、X線源やビームライン、検出器などと外界を隔てる窓として用いられる。ベリリウム中を音が伝わる速度は8〜13km/sとかなり早いので高音域スピーカーのコーンの一部に使用される例がある。

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 分類対象外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 分類できない
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 区分外
自己発熱性化学品 区分外
水反応可燃性化学品 区分外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 区分外
健康に対する有害性 急性毒性(経口) 分類できない
急性毒性(経皮) 分類できない
急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
急性毒性(吸入:粉じん) 分類できない
急性毒性(吸入:ミスト) 分類できない
皮膚腐食性・刺激性 分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 分類できない
呼吸器感作性 区分1
皮膚感作性 区分1
生殖細胞変異原性 分類できない
発がん性 区分1A
生殖毒性 分類できない
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露)
区分1(呼吸器系)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露)
区分1(呼吸器系)
吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境に対する有害性 水生環境急性有害性 分類できない
水生環境慢性有害性 区分4
ラベル要素
絵表示又はシンボル: 健康有害性 感嘆符
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 吸入するとアレルギー、喘息又は、呼吸困難を起こすおそれ
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
発がんのおそれ
呼吸器の障害
長期又は反復ばく露による呼吸器の障害
長期的影響により水生生物に有害のおそれ
注意書き: 【安全対策】
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
換気が十分でない場合には呼吸用保護具を着用すること。
個人用保護具や換気装置を使用し、ばく露を避けること。
保護手袋を着用すること。
粉じん、ヒュームを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
【応急措置】
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
汚染された保護衣を再使用する場合には洗濯すること。
ばく露又はその懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
呼吸に関する症状が出た場合には、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚刺激又は発疹がおきた場合は、医師の診断、手当てを受けること。
【保管】
施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国/地域情報:

3.組成、成分情報
物質
化学名又は一般名: ベリリウム (Beryllium)
別名: グルシ二ウム (Glucinium)
化学式: Be
化学特性(化学式又は構造式):
CAS番号: 7440-41-7
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
対象外(元素)
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 99%以上

4.応急措置
吸入した場合: 呼吸が困難な場合には、新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
医師の手当、診断を受けること。
呼吸に関する症状が出た場合には、医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合: 多量の水と石鹸で洗うこと。
医師の手当、診断を受けること。
皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。
目に入った場合: 水で数分間、注意深く洗うこと。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
飲み込んだ場合: 口をすすぐこと。
医師の手当、診断を受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 吸入:咳、痰、息切れ、咽頭痛、胸部痛、脱力感、肺水腫。
皮膚:発赤、皮膚炎。
眼:発赤、痛み,結膜炎。
経口摂取:吐き気、嘔吐、下痢を伴った胃痛。
最も重要な兆候及び症状:

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:二酸化炭素、粉末消火剤、砂、土、一般の泡消火剤
大火災:散水、噴霧水、通常の泡消火剤
特有の危険有害性: 摩擦、熱、火花及び火炎で発火するおそれがある。
爆発したり、爆発的な激しさで燃焼するおそれがある。
消火後再び発火するおそれがある。
特有の消火方法: 散水によって逆に火災が広がるおそれがある場合には、上記に示す消火剤のうち、散水以外の適切な消火剤を利用すること。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器を含め完全な防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
風上に留まる。
低地から離れる。
環境に対する注意事項: 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
回収、中和: 少量の場合、漏洩物は清潔な帯電防止工具を用いて集め、清潔な乾燥した容器に入れ、ゆるく覆いをし、後で廃棄処理する。
大量の場合、水で湿らせ、防護囲いをし、後で廃棄処理する。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策: すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
床面に残るとすべる危険性があるため、こまめに処理する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項: 使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
粉じんを吸入しないこと。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
保管条件: 熱、火花、裸火のような着火源から離して保管すること。-禁煙。
酸化剤から離して保管する。
施錠して保管すること。
冷所、換気の良い場所で保管すること。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
容器包装材料: 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 0.002mg/m3(Beとして)
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 0.002mg/m3(Beとして)
ACGIH(2005年版) TLV-TWA 0.002mg/m3(Beとして) ;A1
TLV-STEL 0.01mg/m3(Beとして)
設備対策: 防爆の電気・換気・照明機器を使用すること。
保護具
呼吸器の保護具: 換気が十分でない場合には、製造業者又は当局が指定する呼吸用の保護具を着用すること。
手の保護具: 適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具: 適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具: 適切な保護衣を着用すること。
衛生対策: 取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 灰色-白色の粉末 14)
臭い: データなし
pH: データなし
融点・凝固点: 1287℃(融点) 18)
沸点、初留点及び沸騰範囲: >2500℃ 14)
引火点: データなし
爆発範囲: データなし
蒸気圧: 1333Pa(1860℃) 6)
蒸気密度(空気 = 1): データなし
比重(密度): 1.85 (20℃) 6)
溶解度: 不溶(水) 14)
冷水に不溶、温水に微溶 6)
オクタノール/水分配係数: log Pow = 0.57(推定値) 5)
自然発火温度: データなし
分解温度: データなし
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  データなし
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 通常の条件においては、安定である。
粉末又は顆粒状で空気と混合すると粉じん爆発の可能性がある。
危険有害反応可能性: 強酸、強塩基と反応し、引火性/爆発性ガス(水素)を生成する。
四塩化炭素、トリクロロエチレンなどの塩素化溶剤と衝撃に敏感な混合物を生成する。
塩基、ハロゲン、ハライド、硫黄、アルカリ金属と反応する。
高温下窒素、炭素と反応して窒化物、炭化物を生成する。
避けるべき条件: 粉じん、空気との混合。裸火、火花。
混触危険物質: 強酸、強塩基、四塩化炭素、トリクロロエチレン。
危険有害な分解生成物: 火災時に刺激性もしくは有毒なヒュームやガスを放出する。

11.有害性情報
急性毒性: 経口:データなし
経皮:データなし
吸入(ガス):GHSの定義による固体(分類対象外)
吸入(蒸気):データなし
吸入(粉じん、ミスト):データ不足のため分類できない
皮膚腐食性・刺激性: データ不足のため分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性: データ不足のため分類できない
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:日本産業衛生学会(2005)で気道感作性第1群に分類されている 50)
皮膚感作性:日本産業衛生学会(2005)で皮膚感作性第2群に分類されている 50)
吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ(区分1)
アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ(区分1)
生殖細胞変異原性: データなし
発がん性: 日本産業衛生学会で2A 30)、EU ANNEX Iでカテゴリー2 36) に分類されているが、IARCで1 40)、ACGIHでA1 10)、EPAでL(吸入) 49)、NTP (NTP RoC(2005))でK 39) に分類されている。
発がんのおそれ(区分1A)
生殖毒性: ベリリウム職業ばく露と流産や早産との関連を否定する疫学調査の記述があるが、生殖毒性を明確に否定できるような証拠ではない。
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
ヒトで短期ばく露により気道の炎症がみられ、重度の化学性肺炎を引き起こす場合もあるとの記述 35) ,43) ,10) ,20) ,8) ,23) ,26) から、標的臓器は呼吸器であるとした。
呼吸器系の障害(区分1)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
ヒトの長期ばく露例でChronic beryllium disease(berylliosis、ベリリウム肺症)がみられるとの記述 35) ,43) ,10) ,20) ,8) ,23) ,32) ,26) から、標的臓器は呼吸器であるとした。
長期又は反復ばく露による呼吸器の障害(区分1)
吸引性呼吸器有害性: データ不足のため分類できない

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: データ不足のため分類できない
水生環境慢性有害性: 金属であり水中での挙動が不明であるため、区分4とした。
長期的影響により有害のおそれ

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装: 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 1567
Proper Shipping Name: BERYLLIUM POWDER
Class: 6.1
Sub Risk: 4.1
Packing Group: II
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 1567
Proper Shipping Name: Beryrium powder
Class: 6.1
Sub Risk: 4.1
Packing Group: II
国内規制
陸上規制情報 非該当
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 1567
品名: ベリリウム粉末
クラス: 6.1
福次危険: 4.1
容器等級: II
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 1567
品名: ベリリウム粉末
クラス: 6.1
福次危険: 4.1
等級: II
特別の安全対策 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
重量物を上積みしない。

15.適用法令
労働安全衛生法: 特定化学物質第1類物質
(製造許可物質)
(特定化学物質障害予防規則第2条1項第1号)
名称等を通知すべき有害物
(表示)(法第57条の2、第56条第1項のもの)
名称等を表示すべき有害物
(施行令第18条)
特定化学物質特別管理物質
(特定化学物質障害予防規則第38条の3)
労働基準法: 疾病化学物質
(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号)
化学物質排出把握管理促進法
(PRTR法):
第1種指定化学物質特定第1種指定化学物質
(法第2条第2項、施行令第1条別表第1、施行令第4条)
(政令番号 第294号)
船舶安全法: 毒物類・毒物
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法 : 毒物類・毒物
(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
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30) 日本産業衛生学会誌 (2005)
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37) Gangolli (2nd, 1999)
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39) NTP RoC (11th, 2005)
40) IARC (Access on Oct 2005)
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47) 溶剤ポケットブック (1996)
48) Ullmanns (E) (5th, 1995)
49) IRIS (Access on Aug 2005)
災害事例
(1) 陶磁器業でベリリウムの精錬作業中に作業者22名中15名が気管支炎、喘息の症状を起こした。
(2) 化学工場でベリリウム精錬工程に従事している14名中12名に異常をきたした。