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安全データシート
トリブチルトリチオホスフェイト
作成日 2008年08月11日
改訂日
1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称トリブチルトリチオホスフェイト (S,S,S-Tributyl Phosphorotrithioate)
製品コード20B1306
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
緊急時の電話番号03-1234-5678
FAX番号03-1234-5678
メールアドレス    
推奨用途及び使用上の制限残留農薬試験用、植物成長調整剤
 

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日2007/1/23 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用
物理化学的危険性火薬類 分類対象外
 可燃性・引火性ガス 分類対象外
 可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
 支燃性・酸化性ガス類 分類対象外
 高圧ガス 分類対象外
 引火性液体 区分外
 可燃性固体 分類対象外
 自己反応性化学品 分類対象外
 自然発火性液体 区分外
 自然発火性固体 分類対象外
 自己発熱性化学品 分類できない
 水反応可燃性化学品 区分外
 酸化性液体 分類できない
 酸化性固体 分類対象外
 有機過酸化物 分類対象外
 金属腐食性物質 分類できない
健康に対する有害性急性毒性(経口) 区分3
 急性毒性(経皮) 区分2
 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
 急性毒性(吸入:粉じん) 分類対象外
 急性毒性(吸入:ミスト) 区分3
 皮膚腐食性・刺激性 分類できない
 眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 分類できない
 呼吸器感作性 分類できない
 皮膚感作性 分類できない
 生殖細胞変異原性 分類できない
 発がん性 分類できない
 生殖毒性 分類できない
 特定標的臓器毒性(単回ばく露) 分類できない
 特定標的臓器毒性(反復ばく露) 区分2(神経系 )
 吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境に対する有害性水生環境急性有害性 区分1
 水生環境慢性有害性 区分1
ラベル要素
絵表示又はシンボル環境健康有害性どくろ
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込むと有毒
 皮膚に接触すると生命に危険
 吸入すると有毒
 長期又は反復ばく露による神経系の障害のおそれ
 水生生物に非常に強い毒性
 長期的影響により水生生物に非常に強い毒性
注意書き
 【安全対策】
 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
 取扱い後はよく手を洗うこと。
 眼、皮膚、又は衣類に付けないこと。
 適切な保護手袋、保護衣を着用すること。
 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
 環境への放出を避けること。
 【応急措置】
 飲み込んだ場合、直ちに医師に連絡すること。
 飲み込んだ場合、口をすすぐこと。
 直ちに、すべての汚染された衣類を脱ぐこと、又は取り除くこと。
 皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。
 皮膚に付着した場合、直ちに医師に連絡すること。
 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
 吸入した場合、被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
 吸入した場合、医師に連絡すること。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
 漏出物は回収すること。
 【保管】
 施錠して保管すること。
 容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
 【廃棄】
 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国・地域情報
 

3.組成及び成分情報
化学物質
化学名又は一般名トリブチルトリチオホスフェイト
別名トリブホス (Tribufos)、S,S,S-トリブチルホスホロトリチオアート (S,S,S-Tributyl phosphorotrithioate)
分子式(分子量)C12H27OPS3 (314.50)
化学特性(示性式又は構造式)示性式又は構造式:20B1306
CAS番号:78-48-8
官報公示整理番号(化審法・安衛法)化審法:
安衛法:
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし
濃度又は濃度範囲100%
 

4.応急措置
吸入した場合被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
 医師に連絡すること。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚に付着した場合直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。
 多量の水と石鹸で洗うこと。
 直ちに医師に連絡すること。
 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
 皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
目に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合直ちに医師に連絡すること。
 口をすすぐこと。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状データなし
最も重要な兆候及び症状データなし
応急措置をする者の保護データなし
医師に対する特別注意事項データなし
 

5.火災時の措置
消火剤泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類
使ってはならない消火剤棒状放水、水噴霧
特有の危険有害性火災によって刺激性、腐食性及び/又は毒性のガスを発生するおそれがある。
 加熱により容器が爆発するおそれがある。
 熱、火花及び火炎で発火するおそれがある。
特有の消火方法移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。
 

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具および緊急措置作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
 関係者以外の立入りを禁止する。
 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
 全ての着火源を取り除く。
 密閉された場所に立入る前に換気する。
環境に対する注意事項環境中に放出してはならない。
回収・中和漏洩物を掃き集めて密閉できる空容器に回収し、後で廃棄処理する。
封じ込め及び浄化方法・機材危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
 

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
 取扱い後はよく手を洗うこと。
 眼、皮膚又は衣類に付けないこと。
 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
 環境への放出を避けること。
 飲み込まないこと。
 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。
接触回避データなし
保管
技術的対策保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
混触危険物質データなし
保管条件施錠して保管すること。
 容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
 熱、スパーク、火炎並びに静電気蓄積を避けること。
容器包装材料データなし
 

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度(ばく露限界値、生物学的ばく露指標)
日本産衛学会(2007年版)未設定
ACGIH(2007年版)未設定
設備対策この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
 作業場には全体換気装置、局所排気装置を設置すること。
保護具
呼吸器の保護具適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣を着用すること。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
 取扱い後はよく手を洗うこと。
 

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状液体
無色透明
臭いデータなし
pHデータなし
融点・凝固点<-25℃ : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)
沸点、初留点及び沸騰範囲150℃ (0.3mmHg) : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)
引火点93.3℃ (密閉式) : 化学工業日報社 (2001)
自然発火温度データなし
燃焼性(固体、ガス)データなし
爆発範囲データなし
蒸気圧1.38E-05mmHg (実測値) : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)
蒸気密度データなし
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし
比重(密度)1.057g/cm3 (20℃) : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)
溶解度水:0.73mg/L (実測値) : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)
オクタノール・水分配係数log Kow=5.7 : PHYSPROP Database (2005)
分解温度データなし
粘度データなし
粉じん爆発下限濃度データなし
最小発火エネルギーデータなし
体積抵抗率(導電率)データなし
 

10.安定性及び反応性
安定性法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる
危険有害反応可能性データなし
避けるべき条件データなし
混触危険物質データなし
危険有害な分解生成物データなし
 

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットにおけるLD50 = 150 mg/kg(RTECS(2004)), 200, 325 mg/kg(HSDB(2002))に基づき、計算式を用いて算出した値(LD50 = 150 mg/kg)から、区分3とした。
経皮ラットにおけるLD50 = 168 mg/kg(RTECS(2004))、およびウサギにおけるLD50 = 97 mg/kg(RTECS(2004))のうち、数値の小さい方を採用し(LD50 = 97 mg/kg)、区分2とした。
吸入吸入(ガス):GHSの定義における液体である。
 吸入(蒸気):データなし
 吸入(ミスト):マウスにおける吸入LC50(1hr) = 3804 mg/m3((RTECS(2004))、4時間換算値0.951mg/L)から、区分3とした。本物質の飽和濃度は0.0168ppm(換算値0.22 mg/m3)であり、実験はミストの状態で行われたと推定される。
皮膚腐食性・刺激性データなし
眼に対する重篤な損傷・刺激性データなし
呼吸器感作性又は皮膚感作性呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:データなし
生殖細胞変異原性データなし。なお、in vitro姉妹染色分体交換試験での陰性報告がある(HSDB(2002))。
発がん性データなし
生殖毒性雌ラットへの交配前投与ならびに妊娠期投与の試験があるものの(RTECS(2004))、記述が不十分で、データ不足により分類できない。なお、催奇形性は認められていない(RTECS(2004)記載の原典)。
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)有機リン系農薬として神経系への影響、コリン作動性作用が示唆されるものの(HSDB(2002))、具体的知見がなく、データ不足で分類できない。
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)雌鶏を用いた90日間遅発性神経毒性試験において、神経系への影響(麻痺)が示されている(IRIS(1992))ことから、区分2(神経系)とした。なお、影響は20-80 mg/kgでみられたことから、ラットの区分ガイダンス値と同様に扱った。
吸引性呼吸器有害性データなし
 

12.環境影響情報
水生環境急性有害性甲殻類(ミシッドシュリンプ)の96時間LC50=4.55μg/L(AQUIRE、2003)から、区分1とした。
水生環境慢性有害性急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され(BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される(log Kow=5.7(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分1とした。
 

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
 

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報IMOの規定に従う。
航空規制情報ICAO/IATAの規定に従う。
UNNo.2784
ProperShippingName.ORGANOPHOSPHORUS PESTICIDE, LIQUID, FLAMMABLE, TOXIC, flash point less than 23 degrees Celsius
Class3
国内規制
陸上規制情報消防法の規制に従う。
 毒劇法の規制に従う。
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
 
特別安全対策危険物又は危険物を収納した運搬容器が落下し、転倒もしくは破損しないように積載すること。
 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
 重量物を上積みしない。
 

15.適用法令
毒物及び劇物取締法劇物(指定令第2条)(政令番号:74-4)
水質汚濁防止法生活環境汚染項目(法第2条、施行令第3条、排水基準を定める省令第1条別表第2)
海洋汚染防止法個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示)
消防法第4類 危険物 第三石油類
 

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。