安全データシート
過酸化バリウム
作成日2006年04月15日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: 過酸化バリウム
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03-1234-5678
緊急連絡電話番号: 03-1234-5678
FAX番号: 03-1234-5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 酸化剤(織物,麦わらの漂白)、火薬の原料

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性: 火薬類 区分外
可燃性・引火性ガス 分類対象外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 区分外
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 区分外
自己発熱性化学品 区分外
水反応可燃性化学品 区分外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 区分2
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
健康に対する有害性: 急性毒性(経口) 分類できない
急性毒性(経皮) 分類できない
急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
急性毒性(吸入:粉じん) 分類できない
急性毒性(吸入:ミスト) 分類対象外
皮膚腐食性・刺激性 区分3
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分2B
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 分類できない
生殖細胞変異原性 分類できない
発がん性 分類できない
生殖毒性 分類できない
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露)
区分2(神経系、血液)
区分3(気道刺激性)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露)
分類できない
吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境に対する有害性: 水生環境急性有害性 分類できない
水生環境慢性有害性 分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル: 円上の炎 健康有害性
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 火災助長のおそれ;酸化性物質
軽度の皮膚刺激
眼刺激
神経系、血液の障害のおそれ
呼吸器への刺激のおそれ
注意書き: 【安全対策】
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
可燃物、その他の禁忌物質から離して保管すること。
熱から遠ざけること。
保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
粉じん、ヒュームを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
【応急措置】
火災の場合には適切な消火方法をとること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合、水で数分間、注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易に外せる場合には外して洗うこと。
ばく露又はその懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚刺激があれば、医師の診断、手当てを受けること。
【保管】
可燃物、その他の禁忌物質から離して保管すること。
容器を密閉して換気の良いところで施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国/地域情報:

3.組成、成分情報
物質
化学名又は一般名: 過酸化バリウム (Barium peroxide)
別名: (Barium dioxide)
(Barium superoxide)
化学式: BaO2
化学特性
(化学式又は構造式):
CAS番号: 1304-29-6
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
(1)-88
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 情報なし

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合: 皮膚を速やかに洗浄すること。
多量の水と石鹸又はシャワーで洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
目に入った場合: 水で数分間、注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
飲み込んだ場合: 口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 吸入: 灼熱感、咳、息苦しさ、息切れ、咽頭痛、腹痛、嘔吐、下痢。
皮膚: 発赤、皮膚熱傷、痛み。 
眼: 発赤、痛み、かすみ眼。
経口: 腹痛、嘔吐、下痢。  
最も重要な兆候及び症状:

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:水
大火災:大量の水
使ってはならない消火剤: 粉末消火剤、泡消火薬剤
特有の危険有害性: 火災に巻き込まれると、燃焼を加速する。
熱又は不純物の混入により爆発するおそれがある。
速やかに燃焼するおそれがある.
熱で容器が爆発するおそれがある。
火災によって刺激性、毒性、又は腐食性のガスを発生するおそれがある。
火災助長のおそれ
特有の消火方法: 火災区域に適度の距離から大量の水を散水する。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
容器が熱にさらされているときは、移さない。
移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
消火活動は、有効に行える十分な距離から行う。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
風上に留まる。
低地から離れる。
密閉された場所に立入る前に換気する。
適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
環境に対する注意事項: 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
回収、中和: 少量の場合、漏洩物は清潔な帯電防止工具を用いて集め、清潔な乾燥した容器に入れゆるく覆いをし、後で廃棄処理する。
大量の場合、漏洩物を回収した後、漏洩区域を大量の水で洗い流す。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策: 可燃物(木、紙、油等)は漏洩物から隔離する。
容器内に水を入れない。
床面に残るとすべる危険性があるため、こまめに処理する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項: 火気注意
可燃物や酸化されやすい物質との混触を避けること。
周辺での高温物の使用を禁止する。
可燃性物質から離して使用すること。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
眼、皮膚との接触を避けること。
粉じん、ヒュームを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 保管場所は壁、柱、床を耐火構造とし、かつ、はりを不燃材料で作ること。
保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。
保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
保管条件: 酸化剤から離して保管する。
可燃物及び指定された禁忌物質から離して保管すること。
熱から離して保管すること。
火源の近くに保管しない。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
容器包装材料: 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 設定されていない。
ACGIH(2005年版) TLV-TWA 0.5 mg/m3 Baとして A4
設備対策: 防爆の電気・換気・照明機器を使用すること。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
保護具
呼吸器の保護具: 換気が不十分な場合は、適切な呼吸保護具を着用すること。
手の保護具: 適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具: 適切な眼の保護具を着用すること。
保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型)
皮膚及び身体の保護具: 適切な顔面用の保護具を着用すること。
衛生対策: 取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 白色又は灰色〜白色の粉末 52)
臭い: データなし
pH: データなし
融点・凝固点: 450℃(融点) 52)
沸点、初留点及び沸騰範囲: 沸点以下800℃で分解する 52)
引火点: データなし
爆発範囲: データなし
蒸気圧: データなし
蒸気密度(空気 = 1): データなし
比重(密度): 4.96 24)
溶解度: 0.91g/L (20℃) 49)
オクタノール/水分配係数: データなし
自然発火温度: データなし
分解温度: 800℃ 52)
臭いのしきい(閾)値: データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): 該当しない
燃焼性(固体、ガス):  データなし
粘度: 該当しない
GHS分類
酸化性固体: 物質固有の国連番号(1449)によりUNRTDG が クラス5.1 PG II に分類されており、区分2とした。
火災助長のおそれ;酸化性物質

10.安定性及び反応性
安定性: 加熱、あるいは水や酸と接触すると分解し、酸素、過酸化水素を生じて、火災の危険性を増大させる。
危険有害反応可能性: 強力な酸化剤であり、可燃性物質や還元性物質と激しく反応する。
酸化性物質とは激しく爆発的に反応する。
避けるべき条件: 水、湿気のある空気、熱。
混触危険物質: 酸、可燃性物質、還元性物質
危険有害な分解生成物: 酸素、過酸化水素

11.有害性情報
急性毒性: 経口 データなし
経皮 データなし
吸入(粉じん) データなし
皮膚腐食性・刺激性: 「皮膚を刺激する」との記述が複数ある。52) ,63) ,72) 区分3とした。
軽度の皮膚刺激(区分3)
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性: 「眼を刺激する」との記述が複数ある。52) ,63) ,72) 区分2とした。
眼刺激(区分2B)
呼吸器感作性: データなし
皮膚感作性: データなし
生殖細胞変異原性: データなし
発がん性: データなし
生殖毒性: 情報なし
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
ヒトにおいて「神経系に影響を与えることがある」、「低カリウム血症を起こし、心臓障害、筋肉障害を生じることがある」及び「眼、皮膚、気道を刺激する」などの記述がある。52)
呼吸すると、鼻、喉、気管支を刺激し、咳や疸を誘発するとの記述がある。70)
神経系、血液の障害のおそれ(区分2)
呼吸器への刺激のおそれ(区分3)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
データ不足のため分類できない
吸引性呼吸器有害性: データなし

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: データがなく分類できない
水生環境慢性有害性: データがなく分類できない

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
水と反応した物質は強アルカリ性で特別管理産業廃棄物のため、廃棄においては特に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の特別管理産業廃棄物処理基準に従うこと。
汚染容器及び包装: 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 1449
Proper Shipping Name: BARIUM PEROXIDE
Class: 5.1
Sub Risk: 6.1
Packing Group: II
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 1449
Proper Shipping Name: Barium peroxide
Class: 5.1
Sub Risk: 6.1
Packing Group: II
国内規制
陸上規制情報 消防法の規定に従う。
毒劇法の規定に従う。
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 1449
品名: 過酸化バリウム
クラス: 5.1
副次危険: 6.1
容器等級: II
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 1449
品名: 過酸化バリウム
クラス: 5.1
副次危険: 6.1
容器等級: II

特別の安全対策 危険物は当該危険物が転落し、又は危険物を収納した運搬容器が落下し、転倒もしくは破損しないように積載すること。
危険物又は危険物を収納した容器が著しく摩擦又は動揺を起こさないように運搬すること。
危険物の運搬中、危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれがある場合には、災害を防止するための応急措置を講ずると共に、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること。
移送時にイエローカードの保持が必要。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
重量物を上積みしない。
移動、転倒、衝撃、摩擦などを生じないように固定する。 
火気又は熱気に触れさせない。

15.適用法令
労働安全衛生法: 危険物・酸化性の物
(施行令別表第1第3号)
消防法: 第1類酸化性固体、無機過酸化物
(法第2条第7項危険物別表第1)
毒劇法: 劇物
(指定令第2条)
船舶安全法: 酸化性物質類・酸化性物質
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法: 酸化性物質類・酸化性物質
(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
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災害事例
情報なし