職場のあんぜんサイト

安全データシート
トリイソプロパノールアミン
作成日 2009年3月30日
改訂日
1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称トリイソプロパノールアミン、(Triisopropanolamine)
製品コード20A2185
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
緊急時の電話番号03-1234-5678
FAX番号03-1234-5678
メールアドレス    
推奨用途及び使用上の制限界面活性剤(乳化剤、可溶化剤) 架橋剤(ゴム)
 

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日H21.3.27、政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)を使用
物理化学的危険性火薬類分類対象外
 可燃性・引火性ガス分類対象外
 可燃性・引火性エアゾール分類対象外
 支燃性・酸化性ガス類分類対象外
 高圧ガス分類対象外
 引火性液体分類対象外
 可燃性固体分類できない
 自己反応性化学品分類対象外
 自然発火性液体分類対象外
 自然発火性固体区分外
 自己発熱性化学品分類できない
 水反応可燃性化学品分類対象外
 酸化性液体分類対象外
 酸化性固体分類対象外
 有機過酸化物分類対象外
 金属腐食性物質分類できない
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分外
 急性毒性(経皮)区分外
 急性毒性(吸入:ガス)分類対象外
 急性毒性(吸入:蒸気)分類できない
 急性毒性(吸入:粉じん)分類できない
 急性毒性(吸入:ミスト)分類対象外
 皮膚腐食性・刺激性区分2
 眼に対する重篤な損傷・眼刺激性区分2A
 呼吸器感作性分類できない
 皮膚感作性区分外
 生殖細胞変異原性区分外
 発がん性分類できない
 生殖毒性分類できない
 特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)区分3(麻酔作用)
 特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)分類できない
 吸引性呼吸器有害性分類できない
環境に対する有害性水生環境急性有害性区分3
 水生環境慢性有害性区分3
ラベル要素
絵表示又はシンボル感嘆符
注意喚起語警告
危険有害性情報皮膚刺激
 強い眼刺激
 眠気及びめまいのおそれ
 水生生物に有害
 長期的影響により水生生物に有害
注意書き
 【安全対策】
 取扱い後はよく手を洗うこと。
 適切な保護手袋を着用すること。
 適切な保護眼鏡、保護面を着用すること。
 粉じん、蒸気、ヒューム、スプレーの吸入を避けること。
 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
 環境への放出を避けること。
 【応急措置】
 皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。
 皮膚に付着した場合、皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを求めること。
 皮膚に付着した場合、汚染された衣類を脱ぐこと。
 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
 眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 眼に入った場合、眼の刺激が持続する場合は医師の診断、手当てを受けること。
 吸入した場合、被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
 吸入した場合、気分が悪い時は医師に連絡すること。
 【保管】
 容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
 施錠して保管すること。
 【廃棄】
 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国・地域情報
 

3.組成及び成分情報
化学物質
化学名又は一般名トリイソプロパノールアミン
別名トリス(2‐ヒドロキシプロピル)アミン、(Tris(2-hydroxypropyl)amine)、1,1’,1’’‐ニトリロトリ‐2‐プロパノール、(1,1',1''-Nitrilotri-2-propanol)
分子式 (分子量)C9H21NO3(191.27)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号122-20-3
官報公示整理番号(化審法・安衛法)(2)-310
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし
濃度又は濃度範囲100%
 

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
 気分が悪い時は、医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合多量の水と石鹸で洗うこと。
 皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
 汚染された衣類を脱ぐこと。
 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
目に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
 眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。
 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状吸入 : 咽頭痛、咳、灼熱感、息切れ。
 皮膚 : 発赤。
 眼 : 発赤、痛み、熱傷。
 経口摂取 : 咽頭痛、灼熱感。
最も重要な兆候及び症状データなし
応急措置をする者の保護データなし
医師に対する特別注意事項データなし
 

5.火災時の措置
消火剤水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類
使ってはならない消火剤棒状放水
特有の危険有害性熱、火花及び火炎で発火するおそれがある。
 激しく加熱すると燃焼する。
 火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ火災区域から容器を移動する。
 安全に対処できるならば着火源を除去すること。
消火を行う者の保護適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。
 

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具および緊急措置全ての着火源を取り除く。
 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
 関係者以外の立入りを禁止する。
 密閉された場所に立入る前に換気する。
環境に対する注意事項環境中に放出してはならない。
回収・中和漏洩物を掃き集めて空容器に回収し、後で廃棄処理する。
封じ込め及び浄化方法・機材水で湿らせ、空気中のダストを減らし分散を防ぐ。
二次災害の防止策すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
 プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。
 

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項取扱い後はよく手を洗うこと。
 粉じん、蒸気、ヒューム、スプレーの吸入を避けること。
 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
 皮膚との接触を避けること。
 眼に入れないこと。
 環境への放出を避けること。
接触回避『10.安定性及び反応性』を参照。
保管
技術的対策特別に技術的対策は必要としない。
混触危険物質『10.安定性及び反応性』を参照。
保管条件特に技術的対策は必要としない。
 冷所、換気の良い場所で保管すること。
 強酸化剤から離しておくこと。
 強酸から離しておくこと。
 容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
 施錠して保管すること。
容器包装材料データなし
 

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標)
日本産衛学会(2007年版)未設定
ACGIH(2007年版)未設定
設備対策この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
 作業場には全体換気装置、局所排気装置を設置すること。
保護具
呼吸器の保護具適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣を着用すること。
衛生対策取扱い後はよく手を洗うこと。
 

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状固体
白色
臭いデータなし
pH10.8 (100 g/L, 20℃) (BUA Report No. 148 (1993))
融点・凝固点45℃ (Lide (88th, 2008))
沸点、初留点及び沸騰範囲175℃ (10 mmHg) (Lide (88th, 2008))
引火点145℃ (ホンメル (1996))
自然発火温度320℃ (ICSC (2006))
燃焼性(固体、ガス)データなし
爆発範囲0.5-5.8 vol.% (ICSC (2006))
蒸気圧1.86*10^(-5)mmHg(25℃) [換算値 0.00248Pa(25℃)] (SRC (access on 11. 2008))
蒸気密度6.6 (air = 1) (ICSC (2006))
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし
比重(密度)0.99 kg/L (25℃) (HSDB (2003))
溶解度水:8*10^(5) mg/L (HSDB (2003)) エタノールに可溶 (Lide (88th, 2008))
オクタノール・水分配係数log Pow = -1.22 (EST) (SRC (access on 11. 2008))
分解温度データなし
粘度粘度: 138 (60℃) mPa s (BUA Report No. 148 (1993))
粉じん爆発下限濃度データなし
最小発火エネルギーデータなし
体積抵抗率(導電率)データなし
 

10.安定性及び反応性
安定性法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる
危険有害反応可能性粉末や顆粒状で空気と混合すると、粉じん爆発の可能性がある。
 燃焼すると分解し、有毒なヒューム(窒素酸化物など)を生じる。
 水溶液は中程度の強さの塩基である。
 強力な酸化剤、強酸反応する。
避けるべき条件粉末や顆粒状での空気との混合、燃焼
混触危険物質強力な酸化剤、強酸
危険有害な分解生成物有毒なヒューム(窒素酸化物など)
 

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットLD50値4730mg/kg (PATTY (5th, 2001))の記載によりJIS分類基準により区分外とした。(国連分類基準では区分5)
経皮ウサギLD50値10000mg/kg (PATTY (5th, 2001))の記載による。
吸入吸入(ガス):GHSの定義における固体である。
 吸入(蒸気):データなし
 吸入(粉じん):データなし
皮膚腐食性・刺激性ウサギの85%水溶液での試験で紅斑、浮腫、剥離がみられた(BUA Report No. 148 (1993))との報告より区分2とした。
眼に対する重篤な損傷・刺激性ウサギの眼に85%水溶液を導入すると、結膜の重度の発赤と浮腫、虹彩の発赤紅斑、角膜の損傷が見られ、21日後この症状は無くなった(BUA Report No. 148 (1993))。
呼吸器感作性又は皮膚感作性呼吸器感作性:データなし
 皮膚感作性:98人のボランティアで1.1%含有するローションを使用したヒトパッチテストで感作性は示さなかった。また1.1%含有するローションを使用して、25人の手の裏又は手のひらに48時間、5回、ラウリル硫酸ナトリウムを処置した場所に塗布し、10日後他の場所に48時間閉鎖貼付したが、貼付直後も、24時間後も反応はなかった。(BUA Report No. 148 (1993))との記載による。
生殖細胞変異原性体細胞を用いるin vivo 変異原性試験(マウスの骨髄細胞による小核試験)で陰性(BUA Report No. 219 (1998))の記載による。なお、In vitro 変異原性試験(エームズテスト)でも陰性の報告(NTP DB (access on 11. 2008))がある。
発がん性ラットの混餌投与による2年間の試験において、腫瘍発生率はコントロールと変わらなかった(BUA Report No. 148 (1993))との報告はあるが、雄のみの試験であり、他の動物種のデータは無く、データ不足で分類できない。
生殖毒性妊娠ラットの器官形成期に経口投与した試験で、母獣の摂餌量および体重増加量は減少したが、胎児毒性及び催奇形性は認められなかった(BUA Report No. 219 (1998))との報告はあるが、生殖毒性に関する報告は無く、データ不足により分類できない。
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)ラット経口投与試験においてし眠(630mg/kgから10000mg/kg)が観察されたとの報告がある(BUA Report No. 148 (1993))ことから、区分3(麻酔作用)に該当する。ラット吸入試験(8時間)においては、慢性気管支炎が認められているが、投与量が不明である。ウサギ経皮投与試験においては、5 g/kg (85% solution)[換算;4250 mg/kg]の投与量でも毒性は発現しなかったため、区分外に該当するが、他の経路につきデータがないため分類根拠には採用できない。ウサギ経皮投与試験においては、5 g/kg (85% solution)[換算;4250 mg/kg]の投与量でも毒性は発現しなかったため、区分外に該当するが、他の経路につきデータがないため分類根拠には採用できない。以上から、区分3(麻酔作用)とした。
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)ラット経口投与試験(30日)において、0.26 g/kg bw/d[90日換算;86.7 mg/kg bw/d]の投与量で肝臓、腎臓、脾臓、睾丸に組織病理学的変化が認められており区分2に該当する可能性があるが、組織病理学的変化の詳細が不明である。また、ラット経口投与試験(2週間)において、@雄で0.3g/kg bw/d[90日換算;46.7 mg/kg bw/d]以上、雌で0.6g/kg bw/d[90日換算;93.3 mg/kg bw/d]以上の投与量で血漿グルコース濃度の低下が認められ、A雄で0.6g/kg bw/d以上、雌で2.0g/kg bw/d[90日換算;311.1 mg/kg bw/d]の投与量で腎臓重量の有意な増加が認められ、B最大投与量である2.0 g/kg bw/dでは雌雄において体重増加抑制(雌においては摂餌量の有意な低下)が認められているが、いずれも毒性影響には該当しない。以上から、分類できないとした。
吸引性呼吸器有害性データなし
 

12.環境影響情報
水生環境急性有害性藻類(セネデスムス)の72時間EC50 = 35 mg/L(BUA, 1993)から、区分3とした。
水生環境慢性有害性急性毒性が区分3であり、急速分解性がない(難分解性、BOD:3.4%(既存点検, 1978))ことから、区分3とした。
 

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
 

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報IMOの規制に従う。
航空規制情報ICAO/IATAの規制に従う。
UN No.3259
Proper Shipping Name.Amines, solid, corrosive, n.o.s.
Class8
国内規制
陸上規制情報該当しない
海上規制情報船舶安全法の規制に従う。
航空規制情報航空法の規制に従う。
特別安全対策移送時にイエローカードの保持が必要。
 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
 重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号154
 

15.適用法令
海洋汚染防止法有害液体物質(Z類物質)(施行令別表第1)
船舶安全法腐食性物質
航空法腐食性物質
港則法腐食性物質
 

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。