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安全データシート
パラ‐ベンゾキノン
作成日2002年11月13日
改定日2006年04月15日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: パラ‐ベンゾキノン
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03-1234-5678
緊急連絡電話番号: 03-1234-5678
FAX番号: 03-1234-5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 重合防止剤、酸化剤、写真用薬剤、染料原料、皮革のなめし

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 分類対象外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 区分外
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 区分外
自己発熱性化学品 区分外
水反応可燃性化学品 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
健康に対する有害性 急性毒性(経口) 区分3
急性毒性(経皮) 分類できない
急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
急性毒性(吸入:粉じん、
ミスト)
分類できない
皮膚腐食性・刺激性 区分2
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 分類できない
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 分類できない
生殖細胞変異原性 区分外
発がん性 区分外
生殖毒性 分類できない
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露)
区分2(神経)
区分3(気道刺激性)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露)
分類できない
吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境に対する有害性 水生環境急性有害性
水生環境慢性有害性
絵表示又はシンボル: どくろ 感嘆符 健康有害性
注意喚起語: 危険 警告
危険有害性情報: 飲み込むと有毒
皮膚刺激
臓器(神経系)の障害のおそれ
呼吸器への刺激のおそれ
注意書き:
【安全対策】 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
保護手袋を着用すること。
粉じん、ヒュームを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
【応急措置】 吸入した場合:被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
皮膚に付着した場合、汚染された衣類を脱ぐこと。
皮膚に付着した場合:汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
皮膚に付着した場合、皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを求めること。
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。
ばく露した時、又は気分が悪い時は、医師に連絡すること。
【保管】 容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
施錠して保管すること。
【廃棄】 内容物、容器を国又は都道府県の規則に従って廃棄すること。
国/地域情報:

3.組成、成分情報
物質
化学名又は一般名: パラ‐ベンゾキノン (p-Benzoquinone)
別名: キノン (Quinone)
1,4‐ベンゾキノン (1,4-Benzoquinone)
1,4‐シクロヘキサジェンジオン (2,5-Cyclohexadiene-1,4-dione)
化学式: C6H4O2
化学特性(化学式又は構造式): 化学式又は構造式
CAS番号: 106-51-4
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
(3)-1001
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 99%以上

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合: 直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。
多量の水と石鹸で洗うこと。
医師の診断、手当てを受けること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
目に入った場合: 水で数分間、注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合: 速やかに口をすすぎ、医師の診断を受けること。
無理にi吐かせない。
予想される急性症状及び遅発性症状: 眼・皮膚・気道・肺の刺激、発赤、痛み、視力喪失、茶色に変色、水泡、腹痛、下痢、嘔吐咽頭痛、咳、灼熱感、息切れ、息苦しさ、病的感。遅発性症状:肺水腫。
最も重要な兆候及び症状:
応急措置をする者の保護: 救助者は、状況に応じて適切な保護具を着用する。
医師に対する特別注意事項: 安静に保ち、医学的な経過観察が不可欠である。

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、散水
大火災:粉末消火剤、二酸化炭素、耐アルコール性泡消火剤、散水
使ってはならない消火剤:
特有の危険有害性: 火災によって刺激性、毒性又は腐食性のガスやヒュームを発生するおそれがある。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
特有の消火方法: 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
容器内に水を入れてはいけない。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器を含め完全な防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
風上に留まる。
低地から離れる。
密閉された場所に入る前に換気する。
環境に対する注意事項: 環境中に放出してはならない。
河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
回収、中和: 漏洩物を掃き集め、又は不燃性の吸収材(乾燥した土、砂、粉砕した石灰石等)で覆い、密閉できる空容器に回収し、後で廃棄処理する。
漏洩物を集めるとき、清潔な帯電防止工具を用いる。
封じ込め及び浄化方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策: すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
粉末又は顆粒状で空気と混合すると粉じん爆発の可能性があるので湿らせる。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項: 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
作業衣や安全靴は導電性のものを用いる。
粉じん、ヒュームの吸入を避けること。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 保管場所には貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管条件: 容器を密閉して、涼しい換気の良い場所で保管すること。
施錠して保管すること。
容器包装材料: 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 設定されていない。
ACGIH(2005年版) TLV-TWA 0.1ppm
設備対策: 気中濃度を推奨された管理濃度以下に保つために、工程の密閉化、局所排気その他の設備対策を使用する。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
保護具
呼吸器の保護具: 適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具: 適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具: 眼、顔面用の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具: 適切な保護衣、長靴等を着用すること。
衛生対策: 取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 黄色の結晶 2) 4) 6)  室温でも昇華することがる。
臭い: 刺激臭。 2) 4) 6)
pH: データなし
融点・凝固点: 113℃ 7) 115.7℃ 1) 116℃ 4)
沸点、初留点及び沸騰範囲: 約180℃ 4)
引火点: 38-93℃ (密閉式) 4) 5)  温度の大きく依存する。
爆発範囲: データなし
蒸気圧: 12Pa (20℃) 4) 13Pa(0.1mmHg)(25℃) 5)
蒸気密度(空気 = 1): 3.7g/cm3  4)
比重(密度): 1.318 (20℃/4℃) 1)
溶解度: 10g/L 水 (25℃) 4) 11.1g/L 水 (18℃) 3)
アルコール、エーテル等ほとんどの有機溶媒に可溶。 3)
オクタノール/水分配係数: log Pow = 0.20 (測定値) 3) 4)
自然発火温度: 560℃ 4)
分解温度: データなし
臭いのしき(閾)値: 47ppm 14)
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  非該当。
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 粉末又は顆粒状で空気と混合すると粉じん爆発の危険性がある。乾燥状態では、攪拌、空気輸送、注入等により、静電気を帯びることがある。
危険有害反応可能性: ある種の可燃物、還元剤、強塩基と反応する。
避けるべき条件: 湿気・加熱、混触危険物質との接触。
混触危険物質: 可燃性物質、還元性物質。
危険有害な分解生成物: 燃焼により、一酸化炭素、ニ酸化炭素。

11.有害性情報
急性毒性: 経口 ラット LD50 130mg/kg 9) 10)
皮膚腐食性・刺激性: ヒトへの皮膚ばく露により褪色、 強度の刺激性、紅斑が認められる。 9) 10) 11)
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性: ヒトでは眼の傷害はまれであり、発現しても軽度である。 9)
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性: データなし。
皮膚感作性: データなし。
生殖細胞変異原性: 生殖細胞を用いるin vivo 経世代変異原性試験でマウスを用いた優性致死試験結果は陰性。 10)
発がん性: IARCはグループ3(ヒト発がん性に分類できない物質)に分類。
生殖毒性: データなし
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
ラット経口投与試験で振戦及び痙攣が認められている。5)  また、気道を刺激し、鼻血、嗄声、咳、痰、胸部絞扼感などを起こすとの報告がある。4) 12) 13)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
データなし
吸引性呼吸器有害性: データなし

12.環境影響情報
情報なし

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装: 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 2587
Proper Shipping Name: BENZOQUINONE
Class: 6.1
Sab Risk
Packing Group: II
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 2587
Proper Shipping Name: Benzoquinone
Class: 6.1
Sab Risk
Packing Group: II
国内規制
陸上規制情報 特段の規制はない。
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 2587
品名: ベンゾキノン
クラス: 6.1
副次危険:
容器等級: II
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 2587
品名: ベンゾキノン
クラス: 6.1
副次危険:
容器等級: II
特別の安全対策 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
重量物を上積みしない。           
移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
船舶安全法: 毒物類・毒物
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法 : 毒物類・毒物
(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
1) Merck (13th, 1996)
2) ホンメル (1991) Card No.889
3) Howard (1997)
4) ICSC (J) (1997)
5) HSDB (Access on Oct 2005)
6) Sax (8th, 1992)
7) Ullmanns (E) (5th, 1995)
8) Bretherick(J) (5th, 1998)
9) ACGIH (7th, 2001)
10) IARC( 15, 1997)、IARC (15, 1997)
11) PATTY (4th, 1994)
12) HSFS(2004)
13) SITTIG(4th, 2002)
14) Amoore,J.E.and Haulate,E.(1983) Journal of Applied Toxicology,3(6) 272
15) 化学物質の危険・有害性便覧 中央災害防止協会(1992)
16) 発がん性物質の分類とその基準第6版 日本化学物質安全・情報センター (2004)
17) GHS分類結果(住化技術情報センター)
18) 日化協「緊急時応急措置指針、容器イエローカード(ラベル方式)」
19) 日化協「化学物質法規制検索システム」(CD-ROM) (2005)
20) 日本ケミカルデータベース(株)「化学品総合データベース」 (2005)