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安全データシート
イソホロン
作成日2003年11月26日
改定日2005年12月30日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: イソホロン
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03-1234-5678
緊急時の電話番号: 03-1234-5678
FAX番号: 03-1234-5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 塗料、缶コーティング、農薬

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 分類対象外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 区分4
可燃性固体 分類対象外
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 区分外
自然発火性固体 分類対象外
自己発熱性化学品 区分外
水反応可燃性物質 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 区分外
健康に対する有害性 急性毒性(経口) 区分4
急性毒性(経皮) 区分4
急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気) 区分3
急性毒性(吸入:粉じん) 分類対象外
急性毒性(吸入:ミスト) 分類できない
皮膚腐食性・刺激性 区分3
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分2A
呼吸器感作性 区分外
皮膚感作性 区分外
生殖細胞変異原性 区分外
発がん性 区分2
生殖毒性 区分外
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露)
区分3(麻酔作用)
区分3(気道刺激性)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露)
区分外
吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境に対する有害性 水生環境急性有害性 区分外
水生環境慢性有害性 区分外
絵表示又はシンボル: 感嘆符 健康有害性
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 可燃性液体
飲み込むと有害
皮膚に接触すると有毒
吸入すると有毒
強い眼刺激
発がんのおそれの疑い
眠気又はめまいのおそれ
呼吸器の刺激のおそれ
注意書き:  
【安全対策】 使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
適切な個人用保護具を使用すること。
炎や高温のものから遠ざけること。
取扱後は手をよく洗うこと。この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
適切な保護手袋、保護衣を着用すること。
適切な保護眼鏡、保護面を着用すること。
ミスト、蒸気、スプレーの吸入を避けること。
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
【応急措置】 火災の場合には適切な消火方法をとること。
飲み込んだ場合:気分が悪い時は医師に連絡すること。
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
皮膚に付着した場合:気分が悪い時は医師に連絡すること。
汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
汚染された衣類を再使用す場合には洗濯をすること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息さること。
吸入した場合、医師に連絡すること。
吸入した場合、気分が悪い時は医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。
ばく露またはばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
【保管】 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
【廃棄】 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
国/地域情報:

3.組成、成分情報
物質
化学名又は一般名: イソホロン(Isophorone)
別名: 3,5,5‐トリメチル‐2‐シクロヘキセン‐1‐オン(3,5,5-Trimethyl-2-Cyclohexen-1-one)
イソアセトホロン(Isoacetophorone)
α‐イソホロン(α‐Isophoron)
1,5,5‐トリメチルシクロヘキセン‐3‐オン(1,5,5-Trimethylcyclohexen-3-one)
化学式: C9H14O
化学特性 (化学式又は構造式):
CAS番号: 78-59-1
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
3,5,5‐トリメチル‐2‐シクロヘキセン‐1‐オン:(3)-2381
1,5,5‐トリメチルシクロヘキセン‐3‐オン:(3)-2389
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 99%以上

4.応急措置
吸入した場合: 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は医師を呼ぶこと。
特別処置が緊急に必要である。(緊急の解毒剤の投与が必要な場合、このラベルの補足の応急処置指示を参照)
皮膚に付着した場合: 多量の石鹸と水で優しく洗うこと。
気分が悪い時は医師を呼ぶこと。
特別処置(特定の洗浄剤のような緊急処置が勧められる場合、このラベルの補足の応急処置指示を参照)
脱いだ衣類を再使用する前に洗濯し汚染除去すること。
皮膚刺激があれば、医師の診断、手当てを求めること。
目に入った場合: 水で数分間、注意深く洗うこと。
コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。洗浄を続けること。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合: 速やかに口をすすぎ、医師の診断を受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 吸入した場合:灼熱感、咳、めまい、頭痛、吐き気、息切れ、嘔吐、酩酊。  
皮膚に触れた場合:皮膚の乾燥、発赤、皮膚熱傷。  
眼に入った場合:発赤。
飲み込んだ場合:灼熱感、咳、めまい、頭痛、吐き気、息切れ、嘔吐、酩酊。
最も重要な兆候及び症状:

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:二酸化炭素、粉末消火剤、散水
大火災:散水、噴霧水、通常の泡消火剤
使ってはならない消火剤: 棒状注水
特有の危険有害性: 可燃性物質:燃えるが、容易に発火しない。
火災によって刺激性、毒性、又は腐食性のガスを発生するおそれがある。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
可燃性液体
特有の消火方法: 散水によって逆に火災が広がるおそれがある場合には、上記に示す消火剤のうち、散水以外の適切な消火剤を利用すること。
引火点が極めて低い:散水以外の消火剤で消火の効果がない大きな火災の場合には散水する。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
風上に留まる。
低地から離れる。
適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
環境に対する注意事項: 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
回収、中和: 乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。後で廃棄処理する。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
プラスチックシートで覆いし、散乱を防ぐ。
二次災害の防止策: すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
容器内に水を入れてはいけない。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項: 使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
火気注意。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
眼に入れてはならない。
接触、吸入又は飲み込んではならない。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 保管場所は壁、柱、床を耐火構造とし、かつ、はりを不燃材料で作ること。
保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。
保管場所の床は、床面に水が浸入し、又は浸透しない構造とすること。
保管場所の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適切な傾斜をつけ、かつ、適切なためますを設けること。
保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管条件: 炎及び熱表面から離して保管すること。
冷所、換気の良い場所で貯蔵すること。
酸化剤から離して保管する。
容器を密閉して換気の良いところで貯蔵すること。
施錠して貯蔵すること。
容器包装材料: 消防法で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 設定されていない。
ACGIH(2005年版) TLV-STEL C5ppm
設備対策: 空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行なうこと。
密閉された装置、機器又は局所排気を使用しなければ取扱ってはならない。
気中濃度を推奨された管理濃度以下に保つために、工程の密閉化、局所排気その他の設備対策を使用する。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
保護具
呼吸器の保護具: 適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具: 適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具: 適切な眼の保護具を着用すること。
保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型)
皮膚及び身体の保護具: 適切な顔面用の保護具を着用すること。
製造業者が指定する衣類を着用すること。
衛生対策: この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 無色液体 19)
臭い: 特徴的な臭気 19)
pH: データなし
融点・凝固点: -8℃(融点) 14)
沸点、初留点及び沸騰範囲: 215℃(沸点) 14)
引火点: 84℃(密閉式) 14)
爆発範囲: 下限 0.8vol%、上限  3.8vol% 14)
蒸気圧: 40Pa(20℃) 14)
蒸気密度(空気 = 1): 3.0 14)
比重(密度): 0.92 14)
溶解度: 12g/L(水)(20℃) 2)
アルコール、エーテル、有機溶剤に易溶 31)
オクタノール/水分配係数: log Pow = 1.67 14)
自然発火温度: 460℃ 14)
分解温度: データなし
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  該当しない
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 通常の取扱いにおいては安定である。
危険有害反応可能性: 強酸化剤、酸化剤、強塩基と反応する。
避けるべき条件: 加熱。
混触危険物質: 強酸化剤、酸化剤、強塩基。
危険有害な分解生成物: 火災時の燃焼により、一酸化炭素、二酸化炭素などの有害ガスが発生する。

11.有害性情報
急性毒性: 経口 ラット LD50 1500mg/kg 24)
経口 ラット LD50 1870mg/kg 24)
経口 ラット(雄/雌) LD50 2100-2700mg/kg 24) ,35)
経口 ラット LD50 2104mg/kg 35)
経口 ラット LD50 2144mg/kg 24)
経口 ラット LD50 3450mg/kg 24)
経皮 ラット(雄/雌) LD50 1700mg/kg 24)
経皮 ウサギ(雄/雌) LD50 1700mg/kg 24) ,35)
経皮 ウサギ LD50 1380mg/kg 24)
経皮 ウサギ LD50 1390mg/kg 24)
経皮 ウサギ LD50 1500mg/kg 8)
吸入(蒸気) ラット(雄) LC50 7mg/L/4H 24)
飲み込むと有害(区分4)
皮膚に接触すると有害(区分4)
吸入すると中毒(区分3)
皮膚腐食性・刺激性: 軽度の皮膚刺激があると報告されている 24) ,35) ,8)
軽度皮膚刺激(区分3)
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性: ヒトに対する眼刺激性の記載があり 10) ,24) 、ウサギの試験で重篤な眼への刺激性が報告されている 24) ,35)
重篤な眼への刺激性(区分2A)
呼吸器感作性又は皮膚感作性: モルモット試験 24) ,35) ,25) で感作性が認められていない。ヒトでも感作性がないと記載している 24) ,25)
生殖細胞変異原性: 2つのin vivoの体細胞変異原性試験(マウス骨髄細胞小核試験)で陰性 24) ,35) ,25)
発がん性: A3 10)、カテゴリー3 36)
発がんの疑い(区分2)
生殖毒性: 5試験 24)、2試験 35) ,8) の全てにおいて、生殖毒性が全く認められない。
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
13の動物試験で、特定器官に対する重大な影響は特定されていない 35) ,24) ,25)
これらの動物試験 35) ,24) ,25) 及び3件のヒトばく露報告で 10) ,35) 呼吸器系への刺激性が見られた。
眠気又はめまいのおそれ(区分3)(麻酔作用)
呼吸器の刺激のおそれ(区分3)(気道刺激性)
麻酔作用を有する。
吸入すると上部呼吸器系を刺激する。
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
ヒトでのばく露例では、特定臓器への影響を認めていない 24) ,25) ,35)
21動物試験のほとんどで、特定臓器に対する重大な影響を認めていないが、吸入では刺激性が認められる 24) ,25) ,35)
吸引性呼吸器有害性: データなし

12.環境影響情報
情報なし

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装: 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 非危険物
航空規制情報 非危険物
国内規制
陸上規制情報 消防法の規定に従う。
海上規制情報 非危険物
航空規制情報 非危険物
特別の安全対策 危険物は当該危険物が転落し、又は危険物を収納した運搬容器が落下し、転倒もしくは破損しないように積載すること。
危険物又は危険物を収納した容器が著しく摩擦又は動揺を起こさないように運搬すること。
危険物の運搬中、危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれがある場合には、災害を防止するための応急措置を講ずると共に、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
消防法: 第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体
(法第2条第7項危険物別表第1)

16.その他の情報
参考文献
1) ICSC (2002)
2) Merck (13th, 2001)
3) IMDG (2004)
4) ホンメル (1991)
5) SRC (2005)
6) HSDB (2005)
7) Lange (16th, 2005)
8) PATTY (5th, 2001)
9) IUCLID (2000)
10) ACGIH (2001)
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12) HSDB(2001)
13) SITTIG (47th, 2002)
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15) Chapman (2005)
16) Lange (16th, 2005)
17) GESTICS (2005)
18) Howard (1997)
19) Weiss (2nd, 1985)
20) DFGOT, vol.17(2002)
21) Verschueren (4th, 2003)
22) CERIハザードデータ集 (2000)
23) IARC MONOGRAPHS SUPPLEMENT 7 (1987)
24) SIDS (2003)
25) ECETOC JACC 10 (1989)
26) ATSDR(1998)
27) CaPSAR (1999)
28) SIAR (1997)
29) SAX (11th, 2004)
30) 産衛学会勧告 (2004)
31) 有機化合物辞典
32) IRIS (2004)
33) 環境省リスク評価第3巻 (2004)
34) ALGY学会(2004)
35) EHC174(1995)
36) EU-Annex I