安全データシート
ストリキニーネ
作成日2003年 5月6日
改定日2006年 5月13日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: ストリキニーネ
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03−1234−5678
緊急連絡電話番号: 03−1234−5678
FAX番号: 03−1234−5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 主に齧歯類のような小動物を殺すのに用いられる

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 区分外
可燃性/引火性ガス 分類対象外
可燃性/引火性エアゾール 分類対象外
支燃性/酸化性ガス類 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 区分外
自己反応性化学品 区分外
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 区分外
自己発熱性化学品 区分外
水反応可燃性化学品 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
健康に対する有害性 急性毒性(経口) 区分1
急性毒性(経皮) 分類できない
急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
急性毒性(吸入:粉じん、
ミスト)
分類できない(粉じん)
急性毒性(吸入:粉じん、
ミスト)
分類対象外(ミスト)
皮膚腐食性・刺激性 分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 分類できない
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 区分1
生殖細胞変異原性 分類できない
発がん性 分類できない
生殖毒性 分類できない
特定標的臓器・全身毒性 区分1(中枢神経系)
(単回ばく露)
特定標的臓器・全身毒性 区分1(中枢神経系)
(反復ばく露)
吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境に対する有害性 水生環境急性有害性 区分1
水生環境慢性有害性 区分1
ラベル要素
絵表示又はシンボル: どくろ 健康有害性 環境
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 飲み込むと生命に危険(経口)
中枢神経系の障害
長期又は反復ばく露による中枢神経系の障害
水生生物に非常に強い毒性
長期的影響により水生生物に非常に強い毒性
注意書き: 【安全対策】
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
粉じんを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
環境への放出を避けること。
【応急措置】
ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合:直ちに医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
漏出物は回収すること。
【保管】
施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国/地域情報:

3.組成、成分情報
物質
化学名又は一般名: ストリキニーネ(Strychnine)
別名: ストリクニジン-10-オン(Strychnidin-10-one)
化学式: C21H22N2O2
化学特性(化学式又は構造式): 化学式又は構造式
CAS番号: 57-24-9
官報公示整理番号 対象外(天然物)
(化審法・安衛法):
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 情報なし

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合: 皮膚を速やかに洗浄すること。
多量の水と石鹸で洗うこと。
皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。
医師に連絡すること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
目に入った場合: 眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
医師に連絡すること。
飲み込んだ場合: 直ちに医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
医師に連絡すること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 吸入:「経口摂取」参照
経口摂取:痙攣、筋肉強直、ショック又は虚脱。
最も重要な兆候及び症状:

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、散水
大火災:散水、水噴霧、一般の泡消火剤
特有の危険有害性: 火災によって刺激性、又は毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法: 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器を含め完全な防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
風上に留まる。
低地から離れる。
環境に対する注意事項: 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
環境中に放出してはならない。
回収、中和: 漏洩物を掃き集めて空容器に回収する。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策: 床面に残るとすべる危険性があるため、こまめに処理する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気装置・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気装置、全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項: 飲み込まないこと。
皮膚と接触しないこと。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
粉じん、ヒュームを吸入しないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管条件: 酸化剤から離して保管する。
施錠して保管すること。
容器包装材料: 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 設定されていない。
ACGIH (2005年版) TLV-TWA 0.15mg/m3
設備対策: この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
保護具
呼吸器の保護具: 換気が不十分な場合は、適切な呼吸保護具を着用すること。
手の保護具: 指定された保護手袋を着用すること。
眼の保護具: 適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具: 適切な保護衣を着用すること。
衛生対策: この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 苦味のある、無色の結晶 14)
臭い: 無臭 14)
pH: 9.5(飽和水溶液) 6)
融点・凝固点: 275-285℃ 1)
沸点、初留点及び沸騰範囲: 270℃ (5mmHg) 6)
引火点: 不燃性 1)
爆発範囲: 不燃性 1)
蒸気圧: 2.93X10-9 mmHg(25℃、推定値)
[換算値 0.000000391Pa(25℃、推定値)] 6)
蒸気密度(空気 = 1): 11.5 (推定値) 19)
比重(密度): 1.36 g/cm3   1)
溶解度: 160mg/L (25℃)(水) 18)
クロロホルムに易溶、沸騰エタノールに微溶
エタノール、メタノール、ベンゼン、グリセリン、水に難溶 31)
オクタノール/水分配係数: log Pow = 1.68 1)
自然発火温度: 不燃性 1)
分解温度: 沸点の前で分解 1)
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  データなし
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 通常の条件では安定である。
加熱・燃焼により刺激性もしくは有毒なヒュームやガスを放出する。
危険有害反応可能性: 強酸化剤、強酸と反応し、火災や爆発の危険をもたらす。
還元剤と反応する。
避けるべき条件: 加熱。
混触危険物質: 強酸化剤、強酸、還元剤。
危険有害な分解生成物: 加熱、燃焼により、有害で腐食性の一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物が生成する。

11.有害性情報
急性毒性: 経口 ラットの3データ 10) , 20) から計算したLD50 =3.99mg/kg に基づき,区分1とした。
経皮 データなし
吸入(粉じん) データなし
皮膚腐食性・刺激性: データなし
眼に対する重篤な損傷/刺激性: データなし
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:データ不足のため分類できない
生殖細胞変異原性: in vivo の試験結果が無く、in vitroで複数の指標において強い陽性結果を示していないことから、技術的指針に基づき分類できないとした 。 20)
発がん性: データなし
生殖毒性: データなし
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
ヒトで中枢神経系への影響(高熱、しゅう明、筋硬直、頭痛、筋肉痛、痙攣、ショック、虚脱、呼吸不全など) 10) , 20) , 41) , 53) が記載されており、本物質の主な作用は脊髄に対する強い中枢抑制であることが知られている 10) 。これらに基づき、区分1(中枢神経系)とした。
中枢神経系の障害(区分1)
中枢神経疾患(例えば、共調運動喪失、衰弱、疲労、精神混乱、及び視力障害)及び障害を起す。
過剰ばく露の徴候及び症状は、眠気及び意識喪失等の中枢神経系作用のことがある。
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
ヒトで筋の硬直が記載されており 20) 、本物質の主な作用は中枢興奮作用であることが知られていることに基づき、区分1(中枢神経系)とした。
吸引性呼吸器有害性: データなし

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: 魚類(ブルーギル)の96時間LC50 =0.87ppm 54) から、区分1とした。
水生生物に非常に強い毒性
水生環境慢性有害性: 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Pow=1.93 55) 、急速分解性がないと推定される 56) ことから、区分1とした。
  長期的影響により水生生物に非常に強い毒性

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装: 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 1692
Proper Shipping Name: STRYCHNINE
Class: 6.1
Packing Group: I
Marine Pollutant: P
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 1692
Proper Shipping Name: Strychnine
Class: 6.1
Packing Group: I
国内規制
陸上規制情報 毒劇法の規定に従う。
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 1692
品名: ストリキニーネ
クラス: 6.1
容器等級: I
海洋汚染物質: P
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 1692
品名: ストリキニーネ
クラス: 6.1
等級: I
特別の安全対策 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
重量物を上乗せしない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
毒物及び劇物取締法: 毒物
(指定令第1条)
船舶安全法: 毒物類・毒物
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法: 毒物類・毒物
(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
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51) 既存化学物質安全性点検データ
52) CERI・NITE有害性評価書 (2005)
53) HSDB (2000)
54) HSDB (2004)
55) PHYSPROP Database (2005)
56) BIOWIN
災害事例
情報なし