安全データシート
酸化インジウム
作成日2002年11月 28日
改定日2005年12月6日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: 酸化インジウム
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03-1234-5678
緊急時の電話番号: 03-1234-5678
FAX番号: 03-1234-5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 特殊ガラスの製造用

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 分類対象外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 分類できない
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 分類できない
自己発熱性化学品 分類できない
水反応可燃性化学品 分類できない
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類できない
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
健康に対する有害性 急性毒性(経口) 区分外
急性毒性(経皮) 分類できない
急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
急性毒性(吸入:粉じん) 分類できない
急性毒性(吸入:ミスト) 分類できない
皮膚腐食性・刺激性 分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 分類できない
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 分類できない
生殖細胞変異原性 分類できない
発がん性 分類できない
生殖毒性 分類できない
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露)
分類できない
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露)
区分1(肺、骨格、消化管)
吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境に対する有害性 水生環境急性有害性 分類できない
水生環境慢性有害性 分類できない
絵表示又はシンボル: 健康有害性
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 長期又は反復ばく露による肺、骨格、消化管の障害
注意書き: 【安全対策】
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
粉じん、ヒュームを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
【応急措置】
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国・地域情報:

3.組成、成分情報
物質
化学名: 酸化インジウム(Indium oxide)
別名: 酸化インジウム(III)(Indium sesquioxide)
三酸化二インジウム(Diindium trioxide)
酸化第二インジウム(Indium (III) Oxide)
化学式: In2O3
化学特性(化学式又は構造式): 化学式又は構造式
CAS番号: 1312-43-2
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
(1)-750
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 99.90%

4.応急措置
吸入した場合: 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は医師を呼ぶこと。
皮膚に付着した場合: 皮膚を速やかに洗浄すること。
気分が悪い時は医師を呼ぶこと。
脱いだ衣類を再使用する前に洗濯し汚染除去すること。
目に入った場合: 水で数分間注意深く洗うこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合: 速やかに口をすすぎ、医師の診断を受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 情報なし
最も重要な兆候及び症状:

5.火災時の措置
消火剤: この製品自体は、燃焼しない。
周辺の火災時には、全ての消火薬剤が使用可。
特有の危険有害性: 火災によって刺激性、又は毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法: 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や粉じんやヒュームの吸入を避ける。
環境に対する注意事項: 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
回収、中和: 漏洩物を掃き集めて空容器に回収する。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策: 床面に残るとすべる危険性があるため、こまめに処理する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項: 接触、吸入又は飲み込んではならない。
取扱い後はよく手を洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 特別に技術的対策は必要としない。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管条件: 容器を密閉して換気の良い冷所で貯蔵すること。
容器包装材料: 包装、容器の規制はないが密閉式の破損しないものに入れる。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2012年版) 許容濃度は設定されていない。
生物学的許容値 血清中インジウム濃度 3μg/L
ACGIH (2012年版) TLV-TWA 0.1 mg/m3 (Inとして)
設備対策: この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行なうこと。
保護具
呼吸器の保護具: 換気が不十分な場合は、適切な呼吸保護具を着用すること。
手の保護具: 適切な手袋を着用すること。
眼の保護具: 眼、顔面用の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具: 適切な保護衣を着用すること。
衛生対策: 取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 黄色粉末 29)
臭い: 無臭 29)
pH: データなし
融点・凝固点: データなし
沸点、初留点及び沸騰範囲: 850℃で分解し蒸発 8)
引火点: 該当しない
爆発範囲: 該当しない
蒸気圧: データなし
蒸気密度(空気 = 1): データなし
比重(密度): 7.18 2)
溶解度: 不溶 2)
オクタノール/水分配係数: データなし
自然発火温度: 該当しない
分解温度: 850℃
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): 該当しない
燃焼性(固体、ガス):  該当しない
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 通常の取扱いにおいては安定である。
危険有害反応可能性: 酸にはごくわずか溶けるが、アルカリには溶けず、安定である。
避けるべき条件: 粉じんの堆積、拡散。
混触危険物質: なし
危険有害な分解生成物: なし

11.有害性情報
急性毒性: 経口 ラット LD50 >10g/kg 43)
区分外とした。
経皮:情報なし
吸入:情報不足
皮膚腐食性・刺激性: 情報なし
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性: 情報不足
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 情報なし
生殖細胞変異原性: データなし
発がん性: データなし
生殖毒性: 情報なし
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
情報不足
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
「インジウム及びその化合物は骨格、消化管系への影響及び特に肺への吸入による有害性によりTLV-TWAが設定されていること」 10) 、「ヒトで2例のインジウムすず酸化物による肺線維症の症例報告があること」 41) , 42) 及び「インジウムすず酸化物は高いインジウム含量(インジウム 74% 、すず 8% )を有するのでその観察された肺毒性の主な原因はおそらくインジウムによる」 42) の記載がある。
区分1(肺、骨格、消化管)とした。
長期又は反復ばく露による器官の損傷(区分1)
【特記】
インジウムは、ACGIH及び安衛法でもインジウム及びその化合物として採録されているので、酸化インジウムをインジウム類縁体として評価、分類した。
吸引性呼吸器有害性: データなし

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: データがなく分類できない。
水生環境慢性有害性: データがなく分類できない。

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装: 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 非危険物
航空規制情報 非危険物
国内規制
陸上規制情報 非該当
海上規制情報 非危険物
航空規制情報 非危険物
特別の安全対策 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を通知すべき有害物
(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
(政令番号 第58号)
名称等を表示すべき有害物
(法第57条、施行令第18条)
(政令番号 第2号の5)
特定化学物質第2類物質、管理第2類物質
(特定化学物質障害予防規則第2条第1項第5号)
特定化学物質特別管理物質
(特定化学物質障害予防規則第38条の3)
化学物質排出把握管理促進法
(PRTR法):
第2種指定化学物質
(法第2条第3項、施行令第2条別表第2)
(政令番号 第9号)

16.その他の情報
参考文献
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2) Merck (13th, 2001)
3) IMDG (2004)
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26) ATSDR(1998)
27) CaPSAR(1999)
28) SIAR (1997)
29) SAX (11th, 2004)
30) 産衛学会勧告 (2004)
31) 有機化合物辞典
32) IRIS (2004)
33) 環境省リスク評価第3巻 (2004)
34) ALGY学会(感)物質リスト(案)
35) EHC 203(1998)
36) EU-Annex I
37) Gangolli (2nd, 1999)
38) NICNAS(1994)
39) NTP TR490(1999)
40) IAR (1982)
41) J Occup Health 45:137-139 (2003)
42) Eur Respr J. 25(1):201-204(2005)
43) Sax (4th, 2001)
災害事例
情報なし