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安全データシート
パラ‐ニトロアニリン
作成日2002年11月13日
改定日2006年 8月25日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: パラ‐ニトロアニリン
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03−1234−5678
緊急時の電話番号: 03−1234−5678
FAX番号: 03−1234−5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: アゾ染料・アゾイック染料の中間物、ダイアミンブラックHW、ダイレクトグリーンB、チアゾールエローR、クロムプリンティングオレンジR、ラピッドファストレッドBB及びp−フェニレンジアミンの製造原料

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 区分外
可燃性・引火性ガス 分類対象外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 区分外
自己反応性化学品 区分外
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 区分外
自己発熱性化学品 区分外
水反応可燃性化学品 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 区分外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 区分外
人健康有害性 急性毒性(経口) 区分4
急性毒性(経皮) 分類できない
急性毒性(吸入:気体) 分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
急性毒性(吸入:粉じん) 分類できない
急性毒性(吸入:ミスト) 分類対象外
皮膚腐食性・刺激性 区分外
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 分類できない
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 区分外
生殖細胞変異原性 区分外
発がん性 区分外
生殖毒性 区分2
特定標的臓器・全身毒性 区分1(血液)
区分3(麻酔作用)
(単回ばく露)
特定標的臓器・全身毒性 区分1(血液)
(反復ばく露)
吸引性呼吸器有害性 分類対象外
環境有害性 水生環境急性有害性 区分3
水生環境慢性有害性 区分3
ラベル要素
絵表示又はシンボル: 感嘆符 健康有害性
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 飲み込むと有害(経口)
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
血液の障害、眠気又はめまいのおそれ
長期又は反復ばく露による血液の障害
水生生物に有害
長期的影響により水生生物に有害
注意書き: 【安全対策】
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
個人用保護具や換気装置を使用し、ばく露を避けること。
粉じんを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
環境への放出を避けること。
【応急措置】
ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合:気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
【保管】
施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国・地域情報:

3.組成、成分情報
化学物質
化学名又は一般名: パラ−ニトロアニリン(1-para-nitroaniline)
別名: 4-ニトロアニリン(4-nitroaniline)
1-アミノ-4-ニトロベンゼン(1-amino-4-nitrobenzene)
p-ニトロアニリン(p-nitroaniline)
化学式: C6H6N2O2
化学特性(化学式又は構造式): 化学式又は構造式
CAS番号: 100-01-6
官報公示整理番号 (3)-392
(化審法・安衛法):
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 情報なし

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
皮膚に付着した場合: 皮膚を速やかに洗浄すること。
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
目に入った場合: 水で数分間注意深く洗うこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
飲み込んだ場合: 直ちに医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 吸入した場合:紫色(チアノ−ゼ)の唇や爪、紫色(チアノ−ゼ)の皮膚、頭痛、めまい、吐き気、錯乱、痙攣、息苦しさ、意識喪失。
皮膚に触れた場合:吸収される可能性あり。他の症状については「吸入」参照。
眼に入った場合:発赤、痛み。
飲み込んだ場合:「吸入」参照。
最も重要な兆候及び症状:
医師に対する特別な注意事項:  

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、散水
大火災:粉末消火剤、二酸化炭素、耐アルコール性泡消火剤、散水
特有の危険有害性: 火災によって刺激性又は毒性のガスを発生するおそれがある。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
特有の消火方法: 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
容器内に水を入れてはいけない。
消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
風上に留まる。
低地から離れる。
密閉された場所は換気する。
環境に対する注意事項: 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
環境中に放出してはならない。
回収、中和: 漏洩物を掃き集めて空容器に回収する。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策: すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
容器内に水を入れてはいけない。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項: 使用前に使用説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
火気注意。
空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行うこと。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
環境への放出を避けること。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管条件: 酸化剤から離して保管する。
施錠して保管すること。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
容器包装材料: 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 3mg/m3
ACGIH (2005年版) TLV-TWA 3mg/m3 Skin;A4;BEI M
設備対策: この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
粉じんが発生する場合は、局所排気装置を設置する。
高熱工程で粉じん、ヒュームが発生するときは、空気汚染物質を許容濃度以下に保つために換気装置を設置する。
保護具
呼吸器の保護具: 適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具: 必要に応じて適切な保護手袋を使用すること。
眼の保護具: 必要に応じて個人用の眼の保護具を使用すること。
皮膚及び身体の保護具: 必要に応じて適切な保護衣、保護面を使用すること。
衛生対策: この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 黄色の結晶又は粉末 14)
臭い: データなし
pH: データなし
融点・凝固点: 148℃(融点) 14)
沸点、初留点及び沸騰範囲: 332℃(沸点) 14)
引火点: 332℃ 14)
爆発範囲: データなし
蒸気圧: 0.2Pa (20℃) 14)
蒸気密度(空気 = 1): 4.8 14)
比重(密度): 1.424 (20℃/4℃) 48)
溶解度: 0.728g/L (30℃)(水) 18)
アルコールに1g、30mLエーテルに1g、ベンゼン、メタノールに可溶 2)
オクタノール/水分配係数: log Pow = 2.66 14)
自然発火温度: 510℃ 4)
分解温度: 331℃ 48)
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  データなし
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 粉末や顆粒状で空気と混合すると、粉じん爆発の可能性がある。
加熱すると、爆発することがある。
危険有害反応可能性: 強酸、酸化剤、強還元剤と反応する。
水分が存在すると有機物と反応して、火災の危険をもたらす。
避けるべき条件: 加熱。粉じんの拡散。
混触危険物質: 強酸、酸化剤、強還元剤、水、可燃性物質。
危険有害な分解生成物: 燃焼の際は、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物などが生成される。

11.有害性情報
急性毒性: 経口:ラットLD50 値:3249mg/kg 30) 、3250mg/kg 22) 及び750mg/kg  22) に基づき、計算を適用した。計算値は1049mg/kgであったことから、区分4とした。
飲み込むと有害(経口)
経皮:ラットLD50 値>2500mg/kgとの記述 9) があるが、他にデータがなく、区分5か区分外か判断できないため、分類できないとした。
吸入(粉じん):データなし
皮膚腐食性・刺激性: ウサギの皮膚に適用した試験において刺激性はみられていないとの記述 22) から、区分外とした。
眼に対する重篤な損傷・刺激性: ウサギの眼に適用した試験において刺激性は認められていないとの記述 22) があるが、ヒトへの影響として眼を軽度に刺激するとの記述  10) があり、眼に対する刺激性の有無については明確でないため、分類できないとした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:モルモットを用いた試験において感作性は認められていないとの記述 22) から、区分外とした。
生殖細胞変異原性: in vivo 変異原性試験であるマウスを用いた小核試験(使用組織不明)で陰性の結果との記述 9) があることから、区分外とした。
発がん性: ACGIHでA4 10) に分類されていることから、区分外とした。
生殖毒性: ラットを用いた妊娠中経口投与試験において母動物に一般毒性が認められる用量でのみ吸収胚数の増加や胎児の奇形がみられているとの記述 10) , 8) , 22) , 44) から、区分2とした。
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
特定標的臓器・全身毒性 ヒト事故ばく露例にメトヘモグロビン血症、めまい、意識消失が認められたとの記述 30) , 10) , 8) , 22) 、モルモットへの経口投与により傾眠、痙攣が認められたとの記述 22) から、血液が標的臓器であり、麻酔作用もあると判断して、区分1(血液)及び区分3(麻酔作用)とした。
(単回ばく露):
血液の障害
眠気またはめまいのおそれ
特定標的臓器・全身毒性 ラットを用いた4週間吸入ばく露試験又はマウスを用いた2週間経口投与試験においてメトヘモグロビン血症などの血液への影響が区分1のガイダンス値範囲の用量で認められたとの記述 30) , 10) , 22) , 44) から、区分1(血液)とした。
(反復ばく露):
長期又は反復ばく露による血液の障害
吸引性呼吸器有害性: データなし

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: 甲殻類(オオミジンコ)の24時間EC50 =25mg/L 22) から、区分3とした。
水生生物に有害
水生環境慢性有害性: 急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いものの(BCF=3.6 51) )、急速分解性がない(BODによる分解度:0% 51) )ことから、区分3とした。
長期的影響により水生生物に有害

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
本製品を含む廃液及び洗浄排水を直接河川等に排出したり、そのまま埋め立てたり投棄することは避ける。
汚染容器及び包装: 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 1661
Proper Shipping Name: NITROANILINES
Class: 6.1
Packing Group: II
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 1661
Proper Shipping Name: Nitroanilines (o-,m-,p-)
Class: 6.1
Packing Group: II
国内規制
陸上規制情報 非該当
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 1661
品名: ニトロアニリン
クラス: 6.1
容器等級: II
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 1661
品名: ニトロアニリン
クラス: 6.1
等級: II
特別の安全対策 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
重量物を上積みしない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
化学物質排出把握管理促進法 第1種指定化学物質
(PRTR法): (法第2条第2項、施行令第1条別表第1)
(政令番号 第234号)
化審法: 第2種監視化学物質
(法第2条第5項)
労働基準法: 疾病化学物質
(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号)
船舶安全法: 毒物類・毒物
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法 : 毒物類・毒物
(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
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51) 既存化学物質安全性点検データ
52) CERIハザードデータ集 (2002)
53) NFPA (2001)
54) BIOWIN
55) PHYSPROP Database (2005)
災害事例
(1) パラ−ニトロアニリンを含有するメッキはく離剤の製造に従事し、パラ-ニトロアニリンの蒸気を吸入し被災した。
(2) 原料のパラ−ニトロアニリンに含まれている水分を除去するため、乾燥機を用いて乾燥する作業を行っていたところ、加熱されたパラ−ニトロアニリンが気化し、それを吸入した作業者が被災した。