安全データシート
1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−
2,4,6 (1H,3H,5H)−トリオン
作成日2003年 3月 12日
改定日2006年 4月 16日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: 1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03-1234-5678
緊急時の電話番号: 03-1234-5678
FAX番号: 03-1234-5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 粉体塗料用(ポリエステル系硬化剤及びエポキシ系の主剤)電気部品、工業部品、成形材料、強化プラスチック、接着用耐熱レジストインキ、エポキシ樹脂改質剤(耐熱性,剛性,硬度,反応性向上など)

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 分類対象外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 分類できない
自己反応性化学品 分類できない
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 区分外
自己発熱性化学品 分類できない
水反応可燃性化学品 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
健康に対する有害性 急性毒性(経口) 区分3
急性毒性(経皮) 区分外
急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
急性毒性(吸入:粉じん、
ミスト)
区分3(粉じん)
急性毒性(吸入:粉じん、
ミスト)
分類対象外(ミスト)
皮膚腐食性・刺激性 区分2
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分2A
呼吸器感作性 区分1
皮膚感作性 区分1
生殖細胞変異原性 区分1B
発がん性 分類できない
生殖毒性 分類できない
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露)
分類できない
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露)
分類できない
吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境に対する有害性 水生環境急性有害性 区分外
水生環境慢性有害性 区分外
ラベル要素
絵表示又はシンボル: どくろ 健康有害性
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 飲み込むと有毒(経口)
吸入すると有毒(粉じん及びミスト)
皮膚刺激
強い眼刺激
吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ
アレルギー皮膚反応を起こすおそれ
遺伝性疾患のおそれ
注意書き: 【安全対策】
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
換気が十分でない場合には呼吸用保護具を着用すること。
個人用保護具や換気装置を使用し、ばく露を避けること。
保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
粉じんを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
【応急措置】
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易に外せる場合には外して洗うこと。
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。
汚染された保護衣を再使用する場合には洗濯すること。
ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合:直ちに医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
呼吸に関する症状が出た場合には、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚刺激があれば、医師の診断、手当てを受けること。
【保管】
容器を密閉して換気の良いところで施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国・地域情報:

3.組成、成分情報
化学物質
化学名又は一般名: 1,3,5−トリス(2,3-エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン
(1,3,5-Tris(2,3-epoxypropyl)-1,3,5-triazine-2,4,6(1H,3H,5H)-trione)
別名: イソシアヌル酸トリグリシジル(Triglycidyl isocyanate )
1,3,5−トリグリシジルイソシアヌル酸(1,3,5-Triglycidyl isocyanurate)
TGIC(又はTEPIC)(Tris(epoxypropyl)isocyanurate)
化学式: C12H15N3O6
化学特性(化学式又は構造式): 化学式又は構造式
CAS番号: 2451-62-9
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
(5)-1052
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 情報なし

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
医師の手当、診断を受けること。
皮膚に付着した場合: 汚染された衣類を脱ぐこと。
皮膚を速やかに洗浄すること。
多量の水と石鹸で洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。
医師の手当、診断を受けること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
目に入った場合: 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
医師の手当、診断を受けること。
飲み込んだ場合: 直ちに医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
医師の手当、診断を受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 皮膚:かぶれ、ただれ、発赤。
眼:発赤、痛み。
最も重要な兆候及び症状:

5.火災時の措置
消火剤: 二酸化炭素、粉末消火剤、砂、土、一般の泡消火剤。
特有の危険有害性: 火災によって刺激性、又は毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法: 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器と化学用保護衣を着用すること。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 関係者以外の立入りを禁止する。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
風上に留まる。
低地から離れる。
環境に対する注意事項: 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
環境中に放出してはならない。
回収、中和: 漏洩物を掃き集めて空容器に回収する。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策: 床面に残るとすべる危険性があるため、こまめに処理する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項: 使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
眼に入れないこと。
粉じん、ヒュームの吸入を避けること。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管条件: 酸化剤から離して保管する。
施錠して保管すること。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
容器包装材料: 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 設定されていない。
ACGIH (2005年版) TLV-TWA 0.05mg/m3
設備対策: この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行なうこと。
高熱工程でミストが発生するときは、空気汚染物質を管理濃度以下に保つために換気装置を設置する。
密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用しなければ取扱ってはならない。
気中濃度を推奨された管理濃度以下に保つために、工程の密閉化、局所排気、その他の設備対策を使用する。
保護具
呼吸器の保護具: 換気が十分でない場合には、適切な呼吸保護具を着用すること。
手の保護具: 適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具: 適切な眼の保護具を着用すること。
保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型)
皮膚及び身体の保護具: 適切な顔面用の保護具を着用すること。
衛生対策: この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 白色の粉末又は顆粒 14)
臭い: 特異な臭気はない
pH: データなし
融点・凝固点: 95℃(融点) 14)
沸点、初留点及び沸騰範囲: 210℃ (0.2mmHg)(沸点) 31)
引火点: 170℃(工業用) 14)
爆発範囲: データなし
蒸気圧: データなし
蒸気密度(空気 = 1): データなし
比重(密度): 1.4 (25℃) 10)
溶解度: 9g/L (工業用, 25℃)(水) 14)
アセトニトリル、塩素化炭化水素、DMF、DMSOに可溶 31)
オクタノール/水分配係数: log Pow = -0.8 (工業用) 14)
自然発火温度: 200℃ (工業用) 14)
分解温度: データなし
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  データなし
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 通常の温度、気圧下では安定である。
加熱により発火する。
12時間以上、120℃以上に加熱、又は触媒の影響下で重合することがある。
水中で変化し、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピル)−5−(2,3−ジヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸、1−(2,3−エポキシプロピルー3,5−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸及び1,3,5−トリス(2,3−ジヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸を生成する。
危険有害反応可能性: 強酸化剤、強酸、強塩基と反応する。
溶融イソシアヌル酸トリグリシジルは第一アミン、第二アミン、カルボン酸及びその無水物、チオール、フェノール、アルコールと急速に反応する。
過酸物とは激しく反応する。
避けるべき条件: 加熱、水。
混触危険物質: 強酸化剤、強酸、強塩基。
危険有害な分解生成物: 有毒なヒューム(窒素酸化物など)。

11.有害性情報
急性毒性: 経口 ラット LD50 950mg/kg 22)
経口 ラット LD50 255mg/kg 22)
経口 ラット LD50 715mg/kg 43)
経口 ラット LD50 188mg/kg 43)
計算式を適用して得られたLD50 = 226mg/kgから区分3とした。
飲み込むと有毒(区分3)
経皮 ラット LD50 > 3100mg/kg 22)
経皮 ラット LD50 > 2000mg/kg 43)
吸入(粉じん) ラット LC50 650mg/m3 43)
吸入すると有毒(区分3)
皮膚腐食性・刺激性: ヒトでのTGIC取り扱い作業者に皮膚刺激性があるとの記述 38) 、及びCERIハザードデータ集2002)、CICADS 8(1998)、ACGIH(7th, 2001)、NICNAS(1994)のウサギの皮膚に軽度から中程度の刺激性を示すという記述 22) , 43) , 10) , 38) がある。
区分2とした。
皮膚刺激(区分2)
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性: ヒトでのTGIC取り扱い作業者に眼刺激性があるとの記述 38) 、及び ウサギの眼に重度の刺激性を示す旨の記述がある 22) , 38) , 10)
区分2Aとした。
強い眼刺激(区分2A)
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:本物質を4%含む塗料をスプレーとして使用していた作業者に、作業開始の4年後に喘息を発症し、本物質が原因であると結論される 23) との記述がある。
区分1とした。
吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ(区分1)
皮膚感作性:職業ばく露により接触皮膚炎を発症した患者のパッチテストで本物質に対して陽性を示すことから、いずれの症状も本物質が原因と判断されるとの記述 22) , 10) , 38) )、及びモルモットを用いた複数の実験で感作性を示すという記述 23) 、モルモットでの2つのMagnusson and Kligman変法で25%及び60%の陽性率であった 43)
区分1とした。
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ(区分1)
生殖細胞変異原性: マウスを用いる優性致死試験では経口投与、吸入ばく露のいずれも陰性であるが 43) , 10) , 23) 、マウス精祖細胞を用いたin vivo染色体異常試験で複数の陽性結果がある 43) , 23) 。区分1Bとした。
遺伝性疾患のおそれ (区分1B)
発がん性: データなし
生殖毒性: 雄マウスへの13週間経口投与(最高100ppmの混餌)試験で、用量に相関して軽度の精子数の減少が認められたが、正常雌との交配では繁殖性及び胎児・出生仔への影響はなかったとの記述があるが、得られた情報は限られている 43)
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
情報なし
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
人への反復ばく露に伴い中毒症状を誘発する証拠及び動物での14日以上に及ぶ反復ばく露実験のデータがない。
吸引性呼吸器有害性: データなし

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: 魚類(ゼブラフィッシュ)の96時間LC50 > 77mg/L 57) から、区分外とした。
水生環境慢性有害性: 難水溶性でなく(水溶解度 = 1190mg/L) 59) 、急性毒性が低いことから、区分外とした。

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
本製品を含む廃液及び洗浄排水を直接河川等に排出したり、そのまま埋め立てたり投棄することは避ける。
汚染容器及び包装: 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 2811
Proper Shipping Name: TOXIC SOLID, ORGANIC, N.O.S.
Class: 6.1
Packing Group: III
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 2811
Proper Shipping Name: Toxic solid, organic, n.o.s.
Class: 6.1
Packing Group: III
国内規制
陸上規制情報 非該当
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 2811
品名: その他の毒物(有機物)(固体)(他の危険性を有しないもの)
クラス: 6.1
容器等級: III
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 2811
品名: その他の毒物 (固体) (有機物)(他の危険性を有しないもの)
クラス: 6.1
等級: III
特別の安全対策 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
変異原性が認められた既存化学物質
(法第57条の5、労働基準局長通達)
化審法: 第2種監視化学物質
(法第2条第5項)
化学物質排出把握管理促進法
(PRTR法):
第1種指定化学物質
(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)
(政令番号第218号)
船舶安全法: 毒物類・毒物
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法 : 毒物類・毒物
(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
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災害事例
情報なし