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安全データシート
トリクロロフルオロメタン
(別名 CFC‐11)
作成日2002 年 3月 12日
改定日2006 年 4月 30日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: トリクロロフルオロメタン(別名 CFC‐11)
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03-1234-5678
緊急連絡電話番号: 03-1234-5678
FAX番号: 03-1234-5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 冷凍機用冷媒、エアゾール噴射剤、精密機械やフィルムの洗浄用溶剤、プラスチックフォーム発泡剤

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 分類対象外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 区分外
可燃性固体 分類対象外
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 区分外
自然発火性固体 分類対象外
自己発熱性化学品 区分外
水反応可燃性化学品 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
健康に対する有害性 急性毒性(経口) 区分外
急性毒性(経皮) 分類できない
急性毒性(吸入:ガス) 分類できない
急性毒性(吸入:蒸気) 区分外
急性毒性(吸入:粉じん、
ミスト)
分類対象外(粉じん)
急性毒性(吸入:粉じん、
ミスト)
分類できない(ミスト)
皮膚腐食性・刺激性 区分外
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分外
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 分類できない
生殖細胞変異原性 分類できない
発がん性 区分外
生殖毒性 区分2
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露)
区分1(心臓)
区分3(麻酔作用、気道刺激性)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露)
区分外
吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境に対する有害性 水生環境急性有害性 分類できない
水生環境慢性有害性 分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル: 感嘆符 健康有害性
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
心臓の障害
呼吸器への刺激のおそれ
眠気又はめまいのおそれ
注意書き: 【安全対策】
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
個人用保護具や換気装置を使用し、ばく露を避けること。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
【応急措置】
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
【保管】
容器を密閉して換気の良いところで施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国・地域情報:

3.組成、成分情報
化学物質
化学名又は一般名: トリクロロフルオロメタン(Trichlorofluoromethane)
別名: トリクロロモノフルオロメタン(Trichloromonofluoromethane)
フロンR‐11(FronR-11)
CFC‐11(CFC-11)
化学式: CCl3F
化学特性(化学式又は構造式): 化学式又は構造式
CAS番号: 75-69-4
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
(2)-2365
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 99%以上

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
医師の手当、診断を受けること。
皮膚に付着した場合: 皮膚を速やかに洗浄すること。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
目に入った場合: 水で数分間注意深く洗うこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
飲み込んだ場合: 口をすすぐこと。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 吸入により、錯乱、めまい、し眠、意識喪失を引き起こすことがある。
液体に触れた場合に凍傷を引き起こすことがある。
眼へのばく露により発赤、痛みを生じることがある。
最も重要な兆候及び症状:
医師に対する特別注意事項: アドレナリン作用薬は禁忌である。

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素
大火災:散水、噴霧水、一般の泡消火剤
特有の危険有害性: 火災によって刺激性、又は毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法: 周辺火災の場合、移動可能な容器は速やかに安全な場所に移す。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器と化学用保護衣を着用すること。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 関係者以外の立入りを禁止する。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
環境に対する注意事項: 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
環境中に放出してはならない。
回収、中和: 乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。後で廃棄処理する。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策: 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項: 使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管条件: 施錠して保管すること。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
容器包装材料: 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 最大許容濃度 1000ppm 最大許容濃度 5600mg/m3
ACGIH (2005年版) TLV-STEL C 1000ppm A4
設備対策: この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行なうこと。
高熱工程でミストが発生するときは、空気汚染物質を管理濃度以下に保つために換気装置を設置する。
保護具
呼吸器の保護具: 適切な呼吸器保護具を使用すること。
手の保護具: 適切な保護手袋を使用すること。
眼の保護具: 適切なの眼の保護具を使用すること。
皮膚及び身体の保護具: 適切なの保護衣、保護面を使用すること。
衛生対策: 取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 無色の気体あるいは揮発性の非常に高い液体 14)
臭い: 特徴的な臭気 14)
pH: データなし
融点・凝固点: -111 ℃(融点) 14)
沸点、初留点及び沸騰範囲: 24 ℃ (沸点) 14)
引火点: データなし
爆発範囲: データなし
蒸気圧: 89.0kPa (20℃) 14)
蒸気密度(空気 = 1): 4.7 14)
比重(密度): 1.49 14)
溶解度: 1g/L (20℃)(水) 14)
アルコール、エーテル、その他の有機溶媒に可溶 2)
オクタノール/水分配係数: log Pow = 2.53 14)
自然発火温度: データなし
分解温度: データなし
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  該当しない
粘度: 0.43mPa・s (20℃) 6)

10.安定性及び反応性
安定性: 高温面や炎の接触により分解し、有毒ガス(塩化水素、フッ化水素など)を生成する。
危険有害反応可能性: カルシウム、カリウム、ナトリウム、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛などの金属及び金属粉末と激しく反応する。
避けるべき条件: 高温の表面、火花、裸火。
混触危険物質: カルシウム、カリウム、ナトリウム、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛などの金属及び金属粉末。
ある種のプラスチック、ゴムを侵すことがある。
危険有害な分解生成物: 有毒ガス(塩化水素、フッ化水素など)を生成する。

11.有害性情報
急性毒性: 経口 ラット 概略致死量 3725mg/kg 10)
経皮 情報なし
吸入(蒸気) 情報なし LC50 26200ppm/4H 23) , 30)
皮膚腐食性・刺激性: ラット及びウサギの皮膚への適用により一過性の軽度の刺激性を示したが損傷はみられなかった 23) , 10)
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性: ラット及びウサギの眼への適用により一過性の軽度の刺激性を示したが損傷はみられなかったとの記述 23) , 10) 、ならびにウサギの眼への適用により結膜の軽度な炎症が認められたが角膜及び虹彩に変化は認められなかったとの記述 20) がある。
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:ヒトでのパッチテストで陽性反応が認められたとの記述があるが 35) 、他に症例報告がなく、皮膚感作性の判定基準には該当しない。
生殖細胞変異原性: 体細胞を用いる in vivo 遺伝毒性試験であるラットを用いた不定期DNA合成試験で陰性の結果 23) があるが、他に in vivo 試験のデータはない。
発がん性: ACGIH (7th, 2001)でA4に分類されている 10)
生殖毒性: ラット及びウサギを用いた妊娠中吸入ばく露試験において親動物に一般毒性が認められる用量でのみ胚・胎児死亡の増加及び子の奇形発現率増加が認められた 20) ことから、区分2とした。
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い(区分2)
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
ヒトばく露例で麻酔作用、呼吸器への刺激性及び心臓への影響が認められたとの記述があり、動物実験でも麻酔作用、気道刺激性及び心臓への影響が認められている 23) , 10) , 35) , 30) , 20)
区分1(心臓)、区分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。
心臓の障害(区分1)
眠気又はめまいのおそれ(区分3)
呼吸器への刺激のおそれ(区分3)
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
実験動物を用いた反復吸入ばく露又は経口投与試験において区分2のガイダンス値範囲を超える高用量でも重大な毒性は認められていないとの記述 23) , 10) , 30) , 8) , 35) , 20) 、ならびにヒトを対象とした2-4週間ばく露試験で重大な毒性は認められなかったとの記述がある23) , 35) , 20) , 8) , 10) 。区分外とした。
吸引性呼吸器有害性: データなし

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: データ不足のため分類できない。
水生環境慢性有害性: データ不足のため分類できない。

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装: 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 1078
Proper Shipping Name: REFRIGERANT GAS, N.O.S.
Class: 2.2
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 1078
Proper Shipping Name: Refrigerant gas, n.o.s.
Class: 2.2
国内規制
陸上規制情報 非該当
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 1078
品名: 冷凍用ガス類(他に品名が明示されているものを除く。)
クラス: 2.2
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 1078
品名: 冷凍用ガス類(他に品名が明示されているものを除く。)
クラス: 2.2
特別の安全対策 移動、転倒、衝撃、摩擦などを生じないように固定する。
火気、熱気、直射日光に触れさせない。
鋼材部分と直接接触しないようにする。
重量物を上乗せしない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
化学物質排出把握管理促進法
(PRTR法):
第1種指定化学物質
(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)
(政令番号 第217号)
オゾン層保護法: 特定物質議定書付属書AのグループI(施行令第1条)
船舶安全法: 高圧ガス
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法: 高圧ガス
(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
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37) Gangolli (2nd. 1999)
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45) NTP RoC (11th, 2005)
46) ACGIH (2001)
47) 溶剤ポケットブック (1996)
48) Ullmanns (E) (5th, 1995)
49) IRIS (Access on Aug 2005)
50) CERI・NITE有害性評価書 No.16 (2004)
51) 既存化学物質安全性点検データ
52) CERI・NITE有害性評価書 No.12 (2004)
53) NFPA(13th,2001)
54) NITE初期リスク評価書No.16 (2005)
55) ACGIH-TLV (2005)
56) Dean(15th Ed.)
災害事例
(1) 冷凍機の分解、点検作業中、残っていた冷媒が部屋に充満し、フロン-11を吸入し被災した。