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安全データシート
3‐(3,4ジクロロフェニル)1,1ジメチル尿素
(別名ジウロン)
作成日2002年12月20日
改定日2006年9月26日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: 3‐(3,4‐ジクロロフェニル)‐1,1‐ジメチル尿素(別名ジウロン)
製品コード:
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03−1234−5678
緊急連絡電話番号: 03−1234−5678
FAX番号: 03−1234−5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 農薬、エポキシ樹脂硬化促進剤

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性・引火性ガス 分類対象外
可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
高圧ガス 分類対象外
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 区分外
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 区分外
自己発熱性化学品 区分外
水反応可燃性化学品 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
人健康有害性 急性毒性(経口) 区分5
急性毒性(経皮) 区分外
急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
急性毒性(吸入:粉じん) 区分外
急性毒性(吸入:ミスト) 分類対象外
皮膚腐食性・刺激性 区分3
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分2B
呼吸器感作性 分類できない
皮膚感作性 区分外
生殖細胞変異原性 区分外
発がん性 区分外
生殖毒性 区分外
特定標的臓器・全身毒性 区分3(気道刺激性)
(単回ばく露)
特定標的臓器・全身毒性 区分2(血液)
(反復ばく露)
吸引性呼吸器有害性 分類できない
環境有害性 水生環境急性有害性 区分1
水生環境慢性有害性 区分1
ラベル要素
絵表示又はシンボル: 健康有害性 感嘆符 環境
注意喚起語: 警告
危険有害性情報: 飲み込むと有害のおそれ(経口)
軽度の皮膚刺激
眼刺激
呼吸器への刺激のおそれ
長期又は反復ばく露による血液の障害のおそれ
水生生物に非常に強い毒性
長期的影響により水生生物に非常に強い毒性
注意書き: 【安全対策】
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
粉じんを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
環境への放出を避けること。
【応急措置】
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易に外せる場合には外して洗うこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚刺激があれば、医師の診断、手当てを受けること。
漏出物は回収すること。
【保管】
容器を密閉して換気の良い場所で施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国・地域情報

3.組成、成分情報
化学物質
化学名又は一般名: 3‐(3,4‐ジクロロフェニル)‐1,1‐ジメチル尿素
(3-(3,4-dichlorophenyl)-1,1-dimethylurea)
別名: ジウロン(Diuron)
DCMU
化学式: C9H10Cl2N2O
化学特性(化学式又は構造式): 化学式又は構造式
CAS番号: 330-54-1
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
(化審法)(3)-2194 (安衛法)4-(13)-42
分類に寄与する不純物及び安定化添加物:
濃度又は濃度範囲 99%以上

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
皮膚に付着した場合: 皮膚を速やかに水と石鹸で洗うこと。
気分が悪い時又は皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
目に入った場合: 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合: 口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 吸入:赤血球の減少、血中酸素の減少によるチアノーぜ、メトヘモグロビン生成による息切れ、肝臓肥大、脾臓、甲状腺への影響。
皮膚:刺激、かぶれ、ただれ、発赤。
眼:刺激、角膜の混濁、刺激性。
最も重要な兆候及び症状:
応急措置をする者の保護: 救助者は、状況に応じて適切な保護具を着用する。
医師に対する特別な注意事項: 情報なし。

5.火災時の措置
消火剤: 不燃性、周辺火災に適応した消火剤を用いる。
使ってはならない消火剤: 情報なし。
特有の危険有害性: 加熱により容器が爆発するおそれがある。
火災によって刺激性、腐食性又は毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法: 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
風上に留まる。
低地から離れる。
環境に対する注意事項: 環境中に放出してはならない。
河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
回収、中和: 漏洩物を掃き集めて空容器に回収する。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策: すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気・全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項: 接触、吸入又は飲み込まないこと。
空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行うこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
妊産婦、生理の婦人、病後の人、肝臓や腎臓に障害のある人は作業を避ける。
取扱い後はよく手を洗うこと。
環境への放出を避けること。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
混触危険物質: 情報なし。
保管条件: 食品類と一緒に保管しない。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
施錠して保管すること。
容器包装材料: 包装、容器の規制はないが密閉式の破損しないものに入れる。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 未設定
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 未設定
ACGIH (2005年版) TLV-TWA 10mg/m3  
設備対策: 気中濃度を推奨された許容濃度以下に保つために、工程の密閉化、局所排気、その他の設備対策を使用する。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
保護具
呼吸器の保護具: 適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具: 適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具: 適切な眼の保護具を着用すること。
保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型)
皮膚及び身体の保護具: 適切な顔面用の保護具、保護衣を着用すること。
衛生対策: この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 無色-白色結晶性固体 1) , 2)
臭い: 無臭 16)
pH: データなし
融点・凝固点: 158.5-159.6 ℃(融点) 1)   158-159℃(融点) 2)
沸点、初留点及び沸騰範囲: 314 ℃付近から分解 1)   180-190℃で分解する。 2)
引火点: データなし
爆発範囲: データなし
蒸気圧: 0.0000115Pa (25℃) 1)
蒸気密度(空気 = 1): データなし
比重(密度): 1.48 (20℃)(比重) 2)
溶解度: 36.4mg/L(水・25℃) 1) , 2)   42ppm(25℃) 3)   ヘキサン 0.019g/L(20℃) 1)   キシレン 0.93g/L(20℃) 1)   アセトン 42.0g/L(20℃) 1)   ジクロロメタン 17.0g/L(20℃) 4)   メタノール 33.0g/L(20℃) 4)   酢酸エチル 17.0g/L(20℃) 4)   ベンゼン1.2g/kg(27℃) 2)
オクタノール/水分配係数: logPow = 2.84(25℃) 1)   logPow = 2.85±0.03(25℃) 2)
自然発火温度: 自然発火しない
分解温度: 314 ℃付近 1)    180-190℃ 2)
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  不燃性 21)
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 通常の取り扱い条件においては安定。
加水分解;半減期500日以上(pH5 pH 7 pH 925℃) 1)  
水中光分解;緩衝液・半減期約43日(25℃)、天然水・半減期約3.4日(25℃) 1)  
危険有害反応可能性: 情報なし。
避けるべき条件: 加熱。
混触危険物質: 情報なし。
危険有害な分解生成物: 燃焼により、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、塩化水素などを発生する。

11.有害性情報
急性毒性: 経口 雄ラットのLD50 =4990mg/kg 1) に従って、区分5とした。
飲み込むと有害のおそれ(経口)
経皮 ラットのLD50 > 2000mg/kg 1)  は区分5又は区分外に該当するが、ラットのLD50 > 5gm/kg 5) は区分外に該当するため、区分外とした。
吸入(ガス) GHSの定義における固体。
吸入(蒸気) 本物質は蒸気圧が極めて低く(25℃で0.00115mPa)、蒸気ばく露は困難と考えられ、分類対象外とした。
吸入(粉じん) ラットのLC50 > 5.0mg/L 1) に従って、区分外とした。
皮膚腐食性・刺激性: モルモットの皮膚一次刺激性試験において10匹中3匹の健常皮膚で軽度の紅斑がみられた 1) ことから、区分3とした。 なお、皮膚刺激性があるとされている。 6) , 7)
軽度の皮膚刺激
眼に対する重篤な損傷・刺激性: ウサギの眼一次刺激性試験において結膜に極軽度の発赤、腫張、分泌物が認められた 1) が、症状が適用4日目までに回復したため、区分2Bとした。
なお、眼刺激性があるとされている。 6) , 7)
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:モルモットの皮膚感作性試験では皮膚感作性は認められず、 1)  区分外とした。
生殖細胞変異原性: 体細胞 in vivo 変異原性試験(骨髄細胞の染色体異常試験)の結果が陰性である 1) ため、区分外とした。
発がん性: ラット及びマウスの発がん性試験では本物質に関連する腫瘍性病変は認められなかった 1) ことから、区分外とした。なお、ACGIHではA4(区分外に相当) 7) に分類されている。
生殖毒性 ラットの三世代生殖毒性試験、及びラット、ウサギの催奇形性試験では、本物質に関連する明確な影響は認められなかった 1) ため、区分外とした。
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
ラットの急性吸入毒性試験において鼻又は口に赤色分泌物がみられた 1) こと、及び本物質は皮膚及び眼に弱い刺激性があることから、区分3(気道刺激性)とした。
なお、ACGIHでは気道刺激性がある 6) , 7) とされている。
呼吸器への刺激のおそれ
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
ラット及びイヌの反復ばく露試験(混餌投与)では、血液への影響が認められた(特に赤血球数、ヘモグロビン濃度等の赤血球パラメータの減少)。 10) 毒性が現れた用量とガイダンス値との比較から、区分2(血液)とした。
その他に腎臓、肝臓等への影響もみられたが、重篤な影響とは考えられず、標的臓器には含めなかった。
長期又は反復ばく露による血液の障害のおそれ
吸引性呼吸器有害性: データなし

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: 藻類(緑藻)の72時間EC50 = 0.013mg/L 8) から、区分1とした。
水生生物に非常に強い毒性
水生環境慢性有害性: 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF=14) 15) 急速分解性がない(BODによる分解度 0%) 15) ことから、区分1とした。
長期的影響により水生生物に非常に強い毒性

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上、処理を委託する。
汚染容器及び包装: 空容器を廃棄する時は、内容物を完全に除去した後に処分する。
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務を委託すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 非危険物
航空規制情報 非危険物
国内規制
陸上規制情報 規制なし。
海上規制情報 非危険物
航空規制情報 非危険物
特別の安全対策 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
重量物を上積みしない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
化審法 第2種監視化学物質
(法第2条第5項)
化学物質排出把握管理促進法 第1種指定化学物質
(PRTR法) (法第2条第2項、施行令第1条別表第1)
(政令番号 第129号)

16.その他の情報
参考文献
1) 農薬登録申請資料 (1996)
2) PM (13th, 2003)
3) Merck (13th, 2001)
4) 農薬ハンドブック (日本植物防疫協会 第12版 2005)
5) RTECS(2004)
6) ACGIH(7th, 2001)
7) ACGIH-TLV(2005)
8) 農薬登録申請資料(2004)
9) 農薬登録申請資料(1981)
10) 農薬登録申請資料(2005)
11) IARC 73 (1999)
12) 農薬登録申請資料 (1995)
13) 農薬登録申請資料 (1991)
14) PHYSPROP Database (2005)
15) 既存化学物質安全性点検データ
16) 化学物質の危険・有害性便覧 中央災害防止協会 (1992)
17) GHS分類結果(ゼファー・NITE)
18) 日化協「緊急時応急措置指針、容器イエローカード(ラベル方式)」
19) 日化協「化学物質法規制検索システム」(CD-ROM) (2005)
20) 日本ケミカルデータベース(株)「化学品総合データベース」(2005)
21) HSDB (2005)
災害事例
情報なし