製品安全データシート
ジクロロジフルオロメタン(別名CFC‐12)
作成日2002 年 3月 12日
改定日2006 年 5月 22日

1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称: ジクロロジフルオロメタン(別名CFC‐12)
製品コード: ○○○
会社名: ○○○○株式会社
住所: 東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号: 03−1234−5678
緊急連絡電話番号: 03−1234−5678
FAX番号: 03−1234−5678
メールアドレス:
推奨用途及び使用上の制限: 冷凍機用冷媒、エアゾール噴射剤、ウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン等のフォームの発泡剤。気密検査のトレーサー、半導体ドライエッチング

2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
可燃性/引火性ガス 区分外
可燃性/引火性エアゾール 分類対象外
支燃性/酸化性ガス類 区分外
高圧ガス 低圧液化ガス
引火性液体 分類対象外
可燃性固体 分類対象外
自己反応性化学品 分類対象外
自然発火性液体 分類対象外
自然発火性固体 分類対象外
自己発熱性化学品 分類対象外
水反応可燃性化学品 分類対象外
酸化性液体 分類対象外
酸化性固体 分類対象外
有機過酸化物 分類対象外
金属腐食性物質 分類できない
健康に対する有害性 急性毒性(経口) 分類できない
急性毒性(経皮) 分類できない
急性毒性(吸入:ガス) 区分外
急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
急性毒性(吸入:粉じん、
ミスト)
分類対象外
皮膚腐食性・刺激性 分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分外
呼吸器感作性 区分外
皮膚感作性 区分1
生殖細胞変異原性 分類できない
発がん性 区分外
生殖毒性 分類できない
特定標的臓器・全身毒性 区分外
(単回ばく露)
特定標的臓器・全身毒性 区分1(神経系)
(反復ばく露)
吸引性呼吸器有害性 分類対象外
環境に対する有害性 水生環境急性有害性 分類できない
水生環境慢性有害性 分類できない
ラベル要素
絵表示又はシンボル: ガスボンベ 健康有害性
注意喚起語: 危険
危険有害性情報: 高圧ガス;熱すると爆発するおそれ
長期又は反復ばく露による神経系の障害
注意書き: 【安全対策】
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
ガスを吸入しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
【応急措置】
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
【保管】
日光から遮断して換気の良い場所で保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
国/地域情報:

3.組成、成分情報
物質
化学名又は一般名: ジクロロジフルオロメタン(Dichlorodifluoromethane)
別名: フレオン12 (Freon12)
ジフルオロジクロロメタン (Difluorodichloromethane)
  CFC‐12 (CFC-12)
化学式: CCl2F2
化学特性(化学式又は構造式): 化学式又は構造式
CAS番号: 75-71-8
官報公示整理番号
(化審法・安衛法):
(2)-50
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし
濃度又は濃度範囲: 99%以上

4.応急措置
吸入した場合: 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
皮膚に付着した場合: 皮膚を速やかに洗浄すること。
多量の水と石鹸で洗うこと。
皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
目に入った場合: 水で数分間注意深く洗うこと。
眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
飲み込んだ場合: 口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状: 吸入した場合:不整脈、錯乱、し眠、息切れ、意識喪失。
皮膚に付着した場合:凍傷。
眼に入った場合:発赤、痛み。
最も重要な兆候及び症状:
医師に対する特別注意事項: アドレナリン作用薬は禁忌である。

5.火災時の措置
消火剤: 小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、
大火災:散水、噴霧水、一般の泡消火剤
特有の危険有害性: 加熱により容器が爆発するおそれがある。
破裂したボンベが飛翔するおそれがある。
熱すると爆発のおそれ(加圧ガスを含有する場合)
特有の消火方法: 火災の種類に応じて適切な消火剤を用いる。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
損傷したボンベは専門家だけが取り扱う。
消火を行う者の保護: 消火作業の際は、適切な空気呼吸器を含め完全な防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置: 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
風上に留まる。
低地から離れる。
密閉された場所に立入る前に換気する。
ガスが拡散するまでその区域を立入禁止とする。
環境に対する注意事項: 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
回収、中和: 少量の場合、乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。
大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、ポンプで汲み取る。
封じ込め及び浄化の方法・機材: 危険でなければ漏れを止める。
可能ならば、漏洩している容器を回転させ、液体でなく気体が放出するようにする。
蒸発を抑え、蒸気の拡散を防ぐため散水を行う。
この物質は蒸発させてもよい.
二次災害の防止策: 漏洩物又は漏洩源に直接水をかけない。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気装置・全体換気: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気装置、全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項: 容器は丁寧に取り扱い、衝撃を与えたり、転倒させない。
容器の取り付け、取り外しの作業の際は、漏洩させないよう、十分注意する。
使用後は、バルブを完全に閉め、口金キャップを取り付け、保護キャップを付ける。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
ガスを吸入しないこと。
多量に吸入すると、窒息する危険性がある。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
取り扱い後は手を洗う。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
接触回避: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
技術的対策: 容器は保安上使用開始後1年以内に、速やかに販売事業者に返却すること(高圧ガス保安協会指針)。
混触危険物質: 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管条件: 容器は直射日光や火気を避け、40℃以下の温度で保管すること。
施錠して保管すること。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
容器包装材料: 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度: 設定されていない。
許容濃度(ばく露限界値、生物学的
ばく露指標):
日本産業衛生学会(2005年版) 500ppm 2500mg/m3
ACGIH (2005年版) TLV-TWA 1000ppm A4  
設備対策: この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行なうこと。
高熱工程でガスが発生するときは、空気汚染物質を許容濃度以下に保つために換気装置を設置する。
保護具
呼吸器の保護具: 適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具: 保温用手袋を着用すること。
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具: 適切な保護眼鏡を着用すること。
皮膚及び身体の保護具: 適切な保護衣を着用すること。
衛生対策: 取扱い後はよく手を洗うこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など: 無色の圧縮液化ガス 14)
臭い: 特徴的な臭気 14)
pH: データなし
融点・凝固点: -158℃(融点) 14)
沸点、初留点及び沸騰範囲: -30℃(沸点) 14)
引火点: 不燃性 14)
爆発範囲: データなし
蒸気圧: 568kPa(20℃) 14)
蒸気密度(空気 = 1): データなし
比重(密度): 4.2 14)
溶解度: 0.03g/100mL(20℃)(水) 14)
アルコール、エーテル、ベンゼンなどの有機溶媒に可溶 23)
オクタノール/水分配係数: log Pow = 2.16 14)
自然発火温度: 不燃性
分解温度: データなし
臭いのしきい(閾)値 データなし
蒸発速度(酢酸ブチル = 1): データなし
燃焼性(固体、ガス):  データなし
粘度: データなし

10.安定性及び反応性
安定性: 高温面や炎への接触により分解し、有毒ガス(塩化水素、ホスゲン、塩素、フッ化水素)を生成する。
危険有害反応可能性: カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛、粉末アルミニウムと激しく反応する。
強酸化剤、アルミニウムと反応する。
避けるべき条件: 高温面、炎。
混触危険物質: カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛、粉末アルミニウム。
マグネシウム合金、マグネシウム含有のアルミニウム合金を侵す。
危険有害な分解生成物: 塩化水素、ホスゲン、塩素、フッ化水素等の有害ガス。

11.有害性情報
急性毒性: 経口 ラットで1000mg/kg以上で致死 23) , 35) という情報があるが、区分4の2000mg/kgを超えるか超えないか分からないので分類できない。
経皮 データがなく分類できない
吸入(ガス) ラット吸入ばく露でLC50:>800000ppm/0.5h(4時間換算値:>282842ppm) 23) の値は12500ppm(気体 5000ppm(区分4)x2.5)を遙かに超えているので区分外とした。
皮膚腐食性・刺激性: わずかな刺激があるという情報 23) と、刺激がないという情報 10) により区分外とした。
眼に対する重篤な損傷・刺激性: ウサギで軽度の障害があるが、翌日に回復しているという情報と 23)、ウサギで刺激が見られない 46) とする情報があるので区分外とした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性: 呼吸器感作性:動物試験で異常が見られない 20) ので区分外とした。
皮膚感作性:ヒトへの影響で皮膚感作性が示唆されている 23) とあるが、データ不足で分類できない。
生殖細胞変異原性: in vivoでラットの優性致死試験でnegative 10) となっているので区分外とした。
発がん性: 分類機関であるACGIHでA4 40) であり、また動物実験において発ガン性の証拠は見いだせない 20) 、腫瘍発生率の増大はみられていないという報告がある 23) ので区分外とした。
生殖毒性: ラットの「三世代試験で妊娠率、出産率、新生児の生存率に異常はみられていない」という試験結果、及びラット及びラビットの「胎児毒性及び催奇形性はみられていない」「胎児毒性、催奇形性はみられず、新生児でも毒性はみられていない」 20) , 23) , 35) という試験結果により区分外とした。
特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):
ラットで攣縮、振戦、反射の消失、角膜反射の消失がみられたが、ばく露終了後に回復している。いずれの値もガイダンス値を遙かに超えている。ヒトでは高濃度で全身に対する影響が記載されているが、文献により記載がまちまちであり 8) , 20) , 23) , 35) 、特定の作用を挙げることができず分類できないとした。
特定標的臓器・全身毒性
(反復ばく露):
ヒトの職業ばく露で神経系の障害がみられる 23)ので区分1とした。
長期に又は反復ばく露による神経系の障害(区分1)
吸引性呼吸器有害性: GHS定義による気体。分類対象外である。

12.環境影響情報
水生環境急性有害性: データ不足のため分類できない
水生環境慢性有害性: データ不足のため分類できない

13.廃棄上の注意:
残余廃棄物: 高圧ガスを廃棄する場合は、高圧ガス保安法一般高圧ガス保安規則の規定に従うこと。
汚染容器及び包装: 高圧ガスの容器を廃棄する場合は、製造業者等専門業者に回収を依頼すること。

14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報 IMOの規定に従う。
UN No.: 1028
Proper Shipping Name: DICHLORODIFLUOROMETHANE
Class: 2.2
Marine Pollutant: Not applicable
航空規制情報 ICAO/IATAの規定に従う。
UN No.: 1028
Proper Shipping Name: Dichlorodifluoromethane
Class: 2.2
国内規制
陸上規制情報 高圧ガス保安法の規定に従う。
海上規制情報 船舶安全法の規定に従う。
国連番号: 1028
品名: ジクロロジフルオロメタン
クラス: 2.2
海洋汚染物質: 非該当
航空規制情報 航空法の規定に従う。
国連番号: 1028
品名: ジクロロジフルオロメタン
クラス: 2.2
特別の安全対策 移動、転倒、衝撃、摩擦などを生じないように固定する。
運搬時には容器を40℃以下に保ち、特に夏場はシートをかけ温度上昇の防止に努める。
火気、熱気、直射日光に触れさせない。
鋼材部分と直接接触しないようにする。
重量物を上乗せしない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令
労働安全衛生法: 名称等を通知すべき有害物
(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
(政令番号第243号)
化学物質排出把握管理促進法 第1種指定化学物質
(PRTR法): (法第2条第2項、施行令第1条別表第1)
(政令番号第121号)
高圧ガス保安法: 液化ガス
(法第2条3)
オゾン層保護法: 特定物質議定書付属書AのグループI(施行令第1条)
船舶安全法: 高圧ガス
(危規則第2,3条危険物告示別表第1)
航空法: 高圧ガス
(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
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50) CERI・NITE有害性評価書 No.16 (2004)
51) 既存化学物質安全性点検データ
52) CERI・NITE有害性評価書 No.12 (2004)
53) NFPA(13th,2001)
54) NITE初期リスク評価書No.16 (2005)
55) ACGIH-TLV (2005)
56) Dean(15th Ed.)
災害事例
情報なし