リスクを見積もるための方法には、いくつかありますが、ここではその評価基準として、発生のおそれのある労働災害の「重篤度(災害の程度)」「発生の可能性(発生の確率)」「危険性又は有害性に近づく頻度」について点数化し、見積もります。
重篤度 | 点数 | 災害の程度・内容の目安 |
---|---|---|
致命傷 | 10 | 死亡、失明、手足の切断等の重篤災害 |
重傷 | 6 | 骨折等長期療養が必要な休業災害及び障害が残るけが |
軽傷 | 3 | 上記以外の休業災害(医師による措置が必要なけが) |
軽微 | 1 | 表面的な傷害、軽い切り傷及び打撲傷(赤チン災害) |
可能性 | 点数 | 内容の目安 |
---|---|---|
確実である | 6 | かなりの注意力を高めていても災害になる。 |
可能性が高い | 4 | 故通常の注意力では災害につながる。 |
可能性がある | 2 | うっかりしていると災害になる。 |
ほとんどない | 1 | 通常の状態では災害にならない。 |
頻度 | 点数 | 内容の目安 |
---|---|---|
頻繁 | 4 | 毎日、頻繁に立ち入ったり接近したりする。 |
時々 | 2 | 故障、修理・調整等で時々立ち入る。(1回/週〜1回/月) |
ほとんどない | 1 | 立入り、接近することはめったにない。(1回/年程度) |
リスクの点数は、発生のおそれのある労働災害の重篤度と発生の可能性および危険性又は有害性に 近づく頻度の組合せによるリスクの見積りを加算や乗算などで数値化したもので表します。ここでは加算 により点数を求めます。
リスクの点数(リスクポイント)=重篤度+可能性+頻度
(例)
リスクの点数(リスクポイント)=6(重傷)+2(可能性がある)+2(時々)=10
リスクの優先度は、「4.リスクの点数の算定」で求められたリスクの点数(リスクポイント)を表1-4に当てはめて確認します。
頻度 | 点数 | 優先度 | 災害発生の可能性 | 取扱基準 |
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M | 12 〜 20 | 直ちに解決すべき問題がある | 重篤災害の可能性大 | 直ちに中止または改善する |
L | 9 〜 11 | 重大な問題がある | 休業災害の可能性大 | 早急な改善が必要 |
K | 6 〜 8 | 多少問題がある | 不休災害 | 改善が必要 |
K | 5以下 | 必要に応じて低減措置を実施すべきリスク | 軽微な災害 | 残っているリスクに応じて教育や人材配置をする |
(点数が高いほど優先度が大)
この表において、前述の計算例で求めた点数の10を当てはめてみると、リスクの優先度Lの「重大な問題がある」となります。